[インタビュー]CHANGSOFT I&I(チャンソフトアイアンアイ)パク・ジョンウン副代表

 「日本の建設産業は構造と言語、技術基準、産業ネットワークまでが全て閉鎖的に絡み合っており、外国企業が単独で進入するのは事実上不可能に近い市場だった。」

CHANGSOFT I&Iのパク・ジョンウン副代表兼COO(最高運営責任者)は、これまでの2年間、日本市場を直接自らの足で走り回りながら、障壁を1つずつ確認し、同時にそれを乗り越えるための現実的な解決策を模索してきた。彼が日本と韓国を行き来して積み上げた海外進出の記録は、韓国B2B(企業間取引)ソフトウェア(SW)企業はどのようにしてグローバル市場を攻略すべきか、を立体的に示す事例だろう。

2008年に設立されたCHANGSOFT I&Iは、建築BIM(Building Information Modeling)専門企業である。BIMとは3次元(3D)モデルに設計・施工・維持管理情報を結合して建設前過程のデータを統合的に生産・管理・活用する技術を意味する。

CHANGSOFT I&Iのソリューションでは、平面建築図面を認識することで3D構造骨組を自動的に生成し、配筋詳細はもちろん鉄筋継ぎ目と定着ロジックまで反映させて、鉄筋・コンクリート・型枠の物量を精密に算出することができる。このような技術力をもとに韓国上位30の総合建設会社のうち約70%が該当ソリューションを導入し、市場での地位を確率していった。ただ、長びく建設業界の不況により成長速度は徐々にゆっくりになっていった。韓国に建設会社は多いが、高度化された建築SWを実際に導入したいという需要は大手を中心として限られているという点も限界としてあった。

これにパク・ジョンウン副代表は海外に目を向けた。初の開拓地として都心再生事業が盛んな日本を選び、現地企業とジョイントベンチャー(JV・合弁会社)を設立する方式で市場を攻略することにした。

CHANGSOFT I&Iのパク・ジョンウン副代表/写真=CHANGSOFT I&I

日本の建設産業の高い参入障壁

パク副代表は2023年1月から約6ヶ月間暇さえあれば日本を尋ね、現地市場を自ら直接探索した。建設会社と設計会社、エンジニアリング会社など10社を訪れ、技術を紹介し、市場の反応を慎重に調べた。日本は職人精神とともに無欠点を重視する文化が強く、既存の業務方式を置き換える外国産SWが根を張るのは難しい市場だ。それでもパク副代表のしつこいアプローチと現場中心のコミュニケーションで少しずつ扉は開いていった。

その過程で東京工業大学で起業されたベンチャー企業BSIを知り、2023年6月に株式5対5のジョイントベンチャー(JV)「BnBソリューション」を設立した。JV設立には科学技術情報通信部と情報通信産業振興院(NIPA)、グローバルデジタル革新ネットワーク(GDIN)が共同推進する’D.N.A.融合製品・サービス海外進出支援事業が大きな助けとなった。当該事業は海外進出を希望する企業を対象にJV設立に必要な法律・特許(IP)・会計・税務諮問はもちろん、現地マーケティングや活動費までパッケージで支援するプログラムだ。

「そのまま持ってはいけない」日本の基準に合わせた1年の再開発

ところがはじめから難関にぶつかった。CHANGSOFT I&Iの技術を日本で使えなかったのだ。パク副代表は「韓国と日本の建築基準は一見似ているが、構造設計方式、用語、慣行などで相当な差があった」とし「韓国の建設基準に合わせて開発したソリューションであったため、日本にそのまま持ち込むことはできなかった」と回想した。

そのため、ソリューションを10段階に分けて一つずつ修正していったという。構造基準、表現方式、出力形式まで細かい部分を調整する作業が1年近く続いた。その結果、昨年7月、日本の現地市場に合わせたソリューションが完成した。

特に日本の現場では構造設計の後、鉄筋配置過程で発生する「鉄筋干渉」問題が代表的な非効率的作業として挙げられる。設計図どおりに施工しても鉄筋が互いに衝突したり突出する事例が頻繁に起こっており、これを人が毎日手作業で修正しなければならないのだ。多くの時間と人材が投入される構造的限界が現場の負担として作用してきた。

CHANGSOFT I&Iはこのような問題をしつこく掘り下げた。鉄筋干渉を自動的に検出し、問題点を視覚的に表示する機能を新たに追加すると、日本の現地企業から問い合わせが殺到した。パク副代表は「干渉が発生した位置、層数を即座に確認できるようにしており、これはグローバル市場でもまだ見つけられない難しい技術」と強調した。

CHANGSOFT I&Iパク・ジョンウン副代表がベトナムでJV設立を締結する様子/資料写真=CHANGSOFT I&I

来年3月までに12社の日本の顧客会社確保を期待…グローバル展開へ 

CHANGSOFT I&Iはすでに日本の企業2社からソリューション購入申請を受けた状態である。来年3月までにさらに約10の建設会社を顧客会社として追加確保できると見込んでいる。これを元に来年の日本市場でのみ10億ウォン(約1億円)以上の売上を上げると見込んでいる。パク副代表は「もし当社が直接マーケティングや営業を担当していたら、現地のネットワークと市場の中心部までは入るのが難しかっただろう」とし、JV戦略の重要性を強調した。

JV戦略を通じて本格的な売上成果を上げ始めたCHANGSOFT I&Iは最近ベトナム市場進出にも成功した。来年からはスペインを拠点にヨーロッパと中南米地域にまでJV設立を拡大する計画だ。彼は「世界中で広く使われている韓国の代表的な建築ソフトウェアとなる」と抱負を語った。

<画像=パク·ジョンウン副代表(前列右側)をCHANGSOFT I&Iの関係者と日本BSIの関係者たちが、記念撮影をしている様子 /資料写真=CHANGSOFT I&I>

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025121408174850692