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【キュレーティングレター】ジェンソン・ファン、台湾、Twelve Labs、DoorDash、ベイビーシャーク、そしてLINE

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【キュレーティングレター】ジェンソン・ファン、台湾、Twelve Labs、DoorDash、ベイビーシャーク、そしてLINE

ちょい事情通の記者の6月キュレーティング

ちょい事情通の記者はスタートアップが世界を見る「窓」です。スタートアップを愛する第3者の目線から、とても忙しないスタートアップ業界を見逃さないよう記事を集めてお届けします。

1.ジェンソン・ファンと台湾、「なぜ韓国は台湾を甘く見るのでしょうか?

「意外と韓国経済界は台湾を簡単な相手と見る傾向にありますよね。その理由がまったくわかりません。」最近会った日本経済界のある人が話していました。ハッとしました。台湾の人口は約2400万人で、韓国の半分程度です。GDPは7600億ドル程度、1人当たりGDPは3万4000ドル程度です。正確には3万4432ドルで、韓国(3万4165ドル)、日本(3万3138ドル)と同様です。大雑把に言えば、日本の人口(1億2400万人)の半分にも満たないのが韓国、韓国の半分にも満たないのが台湾ですが、偶然にも現在の時点で1人当たりGDPは似ています。日本がだんだん韓国を甘く見なくなったように、私たちも台湾を甘く見る状況ではありません。

Facebookを見ると、古い知人が「台湾COMPUTEX(台北国際コンピュータ見本市)が復活した」と書いていました。またまたハッとしました。ジェンソン・ファン氏がCOMPUTEXに登場したことで、世界中の注目がCOMPUTEXに集まりました。ハッとしたのは「復活」と言っても、いったいいつがCOMPUTEXの全盛期だったのか思い出せないためです。「台湾は強いIT中小企業が作る部品のおかげでよくやっている」という古い偏見がある程度です。

余計なことをもう一つ。台湾は「TSMCとジェンソン・ファン」が守るという、世間の本気のような冗談のような話があります。台湾は中国の「一つの中国」政策のため、国家として認められていません。いわば国ではなく、地域扱いです。韓国や日本は台湾に大使館を置いていません。台湾は最近、徴兵制を復活させました。2018年に1年だった徴兵制を廃止し、4ヶ月の軍事訓練のみ受けるようにした後、今年1月から再び義務服務期間を1年に増やしました。人口減少のため、徴兵対象者は10万人以下ですが。アメリカの要求というのが定説です。 「私たちは助けるけど、あなたたちも自分で守れ」ということでしょう。

TSMCは台湾に膨大な数の最先端半導体工場を保有しており、今この瞬間も建設中です。日本やアメリカ、ドイツに建てる半導体工場はTSMCの一部に過ぎず、最先端と主力工場は依然として台湾に集中しています。ここにNVIDIAのジェンソン・ファンもなぜか「台湾がないとダメ」という感じを出し続けています。TSMCとジェンソン・ファン氏が主導する「半導体」と「人工知能」の結合主導権に、アメリカや日本、ヨーロッパなど、どの国も台湾を軽視することはできないのです。世界のテクノロジー地形に戦略的な要衝、それが台湾です。韓国は、そうですね。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、要はこれです。「AI革命時代に台湾のスタートアップが躍進するのではないか?しかし、いったい誰がそういった情報を知っているのだろうか」きっと台湾のAIスタートアップは世界の舞台に続々と登場するでしょう。ちょい事情通の記者も台湾について、もう少し調べてみようと思います。誰か、台湾のスタートアップ起業家を紹介してください。 

[原文] COMPUTEX現地、「半導体台湾は世界の柱」...NVIDIAのジェンソン・ファン台湾演説に6000人熱狂

[原文]COMPUTEX現地、Intel-AMDまで出す怪物AIチップ...NVIDIA(エンビディア)の次の目標は「AIロボット」

[原文] NVIDIA、Appleも破った...時価総額3兆ドル突破して2位に浮上

今年初めに中国支社を訪問し、従業員とダンスをするジェンソン・ファンNVIDIA最高経営責任者(CEO)/Weibo

2.Twelve Labsのインタビュー、これから展開されるAIスタートアップの生き残り競争

台湾に続き、韓国のAIの話です。AIスタートアップTwelve Labs(トゥウェルブラボ)が約5000万ドルのシリーズA投資を維持しました。投資家にはNew Enterprise Associates(ニューエンタープライズアソシエイト、NEA)、NVentures(NVIDIAの子会社)の名があります。Index Ventures(インデックスベンチャーズ)、Radical Ventures(ラディカルベンチャーズ)、WndrCoVentures(ワンダーコベンチャーズ)、Korea Investment Partners(韓国投資パートナーズ)が参加しました。すでに累積投資誘致額は約7700万ドルです。投資家に「NVIDIAの子会社」が入っているので、注目されるのは当然です。 

WrtnTechnology(リトゥンテクノロジー)が辞職勧告を行うというニュースも出ました。去年まで、AIのトップランナーというと、Wrtnの名前が出ていましたね。Wrtnは総投資誘致額190億ウォン(約21.7億円)です。 「認知度の割に投資額はかなり少ないな」と驚きました。

 OpenAI、Google、Microsoft(マイクロソフト)、NVIDIAなどが敷き詰めた巨大なAI業界の上で、どのスタートアップが「スター」になるかは、その時になってみないとわかりません。誰もが知っているけど言わない冷静な事実は、「1つ。現在、AI技術企業(スタートアップを含む)という修飾語を自称している会社の中には、AIが何であるかを知らないところもかなり多い。2つ。実力のあるAIスタートアップも非常に多いが、その多くが最終的な成功の舞台には上がれない。結局、生き残るのはごくわずかだろう。3つ。それがどのような極少数であろうと、多くのお金が必要になるだろう」 

[原文]インタビュー、「映像はOpenAIも追いつけないでしょう」...AI基盤モデルを作ったTwelve Labs

[原文] 韓国唯一の生成型AIスタートアップ「Wrtn」、大規模勧告辞任に踏み切る

Twelve Labsの従業員たち 2022年写真/Twelve Labs

3.DoorDash トニー・シュー 「Delete your plan」

DoorDash(ドアダッシュ)の創業者であるトニー・シューが、今年のバークレー工科大学の卒業式に登壇しました。トニー・シューは2007年にバークレー工科大学を卒業しました。現在、DoorDashの時価総額は60兆ウォン(約6.8兆円)です。

「DoorDashがいかに少ない資金とリソースで市場の先駆者を追い抜いたのか、よく聞かれます。彼らはTEDの講演にぴったりの一行の答えが欲しいのでしょう。しかし、そんなものはありません。DoorDashをスタートして以来、私は100回以上投資家に断られ、CEOとして会社に必要な資金を集められず、戦々恐々と過ごした時間は1000日を超えます。」

トニー・シューのスピーチには響くものがありました。メッセージは3つ。

Delete your plan

Creating your own path requires great persistence

Get some friends. 

[原文] 米国トップのデリバリープラットフォームDoorDash

2021年のDoorDashの広告。当時、DoorDashはスーパーボウルにセサミストリートのキャラクターを起用し、食品だけでなく、家庭用品も配達するという内容の広告を出しました。

4.ベイビーシャークのYouTube1000億ビュー

ベイビーシャークの話はいつも楽しいです。YouTubeの再生回数1000億ビュー(累積)になったといいます。これは、あまりにも有名な話なので、話題を変えます。1000億ビューの記事と一緒に、2年前のpinkfong(ピンクポン)の創業者3人のインタビューも一緒にリンクを貼っておきます。無料版なので、途中で切れていますね。

有料版を貼るか悩んで、無料版を貼りました。実はちょい事情通の記者は「広告」「協賛」なしで運営するニュースレターなので、正直、有料購読者様の応援のおかげで3年間「レター消滅」せずに耐えられました。不謹慎ですが、有料サブスクリプション登録をお願いします。良いコンテンツは、物質的な基盤がなければ持続不可能です。スタートアップと同じように。 (購読申し込みはメール下部に。^^*) 

[原文] 世界視聴時間68万年...「1000億ビュー」突破した韓国のYouTube動画

[原文][ちょい事情通の記者-無料版] ベビーシャークpinkfongの共同創業者3人はどのように集まったのでしょうか?

pinkfongのキム・ミンソク代表/朝鮮日報DB

5.LINE・Yahoo!騒動を問う、非公開コラム

最後のキュレーションは「LINE・Yahoo!騒動」です。日本はLINE・Yahoo!の件については、少なくとも現時点では全く関心がないようです。主要な日刊紙は短信で一度や二度書いたか、全く触れていないところも多いです。日韓首脳会談でも議題になったのに、です。このような時、日本のマスコミを理解するのは難しいです。韓国のニュースはどこも大騒ぎで報道し、反日ムードまで盛り上がったのに、静かなのです。日本の新聞の記者と「なぜ日本のマスコミは取り上げないのか」と、しばらく話しこみました。「これは、政治や外交の問題ではなく、企業の問題だから」だそうです。民間がやるべきことだ。

今週になってようやく朝日新聞と産経新聞が一回ずつきちんと取り上げてくれました。ある人は「日本の新聞こそ官僚と国益優先だ。官僚とほぼ一心同体だ」と酷評しますが、ちょい事情通の記者はそうは思いません。 日本のジャーナリストが、まさかそうでしょうか。 

産経新聞の報道には「どうせNAVER(ネイバー)が売りたいと思っているのでは」という前提がありました。驚きました。では、売却を希望するNAVERが日本総務省が「売却を強制」するように巧妙に誘導したということでしょうか?Softbank(ソフトバンク)がやむを得ず、株式を取得するしかない構造を描いた?日本総務省が、そんなNAVERの巧妙な戦略に騙された?ちなみに、NAVERは日本に戦略支援組織がありません。LINEやYahoo!の対外協力業務や広報組織への影響力もほとんどありません。知る人ぞ知る事実です。

さらに驚いたのは、韓国でもこのような話をする人がいることです。 「元々、LINE・Yahoo!の経営権はSoftbankにあったのだから、NAVERが経営権を失うわけではない」と。根拠として、「 A Holdings(Aホールディングス、LINE・Yahoo!の筆頭株主)の社内取締役にSoftbankの人間が多い」といわれます。インターネットで少し探せば出てきます。 A Holdingsの社内取締役はNAVERとSoftbank同数です。非常に珍しい共同経営体制です。なぜこのような話が出たのでしょうか?みんな事実よりも「信じたいことだけを信じて生きている世界」です。 

以下はリンクではなく、全文です。日本の毎日新聞に10日後に掲載予定のコラムです。もちろん日本の新聞なので、原文は日本語です。ちょい事情通の記者の読者にのみ、ニュースレターで事前に公開します。LINE・Yahoo!騒動を少しでも日本人に知らせたいと思って書いたコラムなので、日本人の目線に合わせました。 「信じたいこと」ではなく、「事実」に一歩でも近づくためです。 (※実際の日本の新聞に掲載されているコラムは、直訳していない部分があります)

[以下、日本新聞掲載予定のコラムです。現在タイトルは未定です。紙面掲載予定のコラムの関係上、韓国でもオンラインでの発送はせず、ニュースレターのみの配信となります].

5年前、韓国には反日が蔓延していた。日本製品不買運動である「ノー・ジャパン(No Japan)」が盛り上がり、コンビニエンスストアには「日本産ビールを売らない」という看板が掲げられた。 韓国人の大多数は居酒屋で「日本産ビール」を注文せず、韓国1位の輸入ビールであったアサヒビールは2年で韓国内の売り上げが10分の1以下に急落した。不思議だったのは、日本人の態度だった。漠然と「また反日か」と不快感を露わにしながらも、「なぜ韓国人が日本が嫌うのか」という理由にはあまり関心がないように見えた。 

当時、安倍晋三政権は韓国への半導体素材3種の輸出を規制し、韓国人は「日本が韓国の最大の輸出産業である半導体の心臓部を狙って、最も鋭い日本刀(半導体素材の輸出規制)を持った」という恐怖と裏切りを感じた。最悪だった日韓関係は、昨年になってようやく回復した。まず、韓国のユン・ソンニョル大統領が東京を訪れ、韓日両国はその年に7回も首脳会談を行うという新記録を記録した。

先月から、韓国では再び反日ムードが高まっている。日韓関係を重視するユン政権は、「日本はそんな国ではない」というメッセージを出し続け、反日世論を阻止するのに必死だ。野党である共に民主党・祖国革新党は露骨な反日扇動を行っている。もしかしたら、5年前の再演になるかもしれない状況である。 

やはり不思議なのは、大多数の日本人は韓国の反日の雰囲気自体を知らないという点だ。日本の新聞・放送は示し合わせたように、韓国内の反日の雰囲気をほとんど報道していないためだ。BTSファンである知人は、たまたま日本語に翻訳された韓国新聞の「反日記事」に接し、「なぜ韓国の野党代表がわざわざ日本を糾弾するために竹島に行ったのか」と尋ねた。わけも知らないまま、突然韓国人の反日ニュースに接したのだから不快だったのだろう。30分間にわたって丁寧に説明した。

「昨年、LINE・Yahoo!が技術システムを委託している韓国のNAVER Cloud(ネイバークラウド)で約52万件の個人情報が流出する事故が起きた。総務省はLINE ・Yahoo!に再発防止を求める行政指導を下し、大きく「委託の管理監督の強化」と「委託先(韓国のNAVERを意味する)から資本的支配を相当程度受けている関係の見直しを含む経営体制の点検」を要求した。NAVERは、SoftbankとともにLINE・Yahoo!の持株会社である A Holdingsの持分50%を保有し、共同経営権を有している。一株を売れば経営権を失う状況なので、「資本の再検討」をめぐって韓国人は「日本政府がNAVERにLINEの経営権を出せと圧力をかけている」と見ている」と。

アメリカが法律で中国のTikTokの強制売却を強制するように、日本が韓国企業にLINEの売却を強要するのに韓国人は裏切りを感じているのだ。日韓は中国・北朝鮮などの問題で互いに助け合う同盟国だと思っていたのに、突然「敵対国」扱いされたのだ。実のところ、総務省の行政指導には法的拘束力はない。総務省は、大株主であるNAVERの顔色を伺うしかないLINE・Yahoo!が関係会社であるNaverCloudを強く管理監督するのは難しいのではないかという立場だ。

日韓関係が良いままであってほしいと願う知人は、「日本政府がそんな無法な措置を取るはずがない。どうすれば韓国人の誤解を解くことができるのか」と尋ねた。 「誤解」であれば、答えは意外に単純だ。総務省が行政指導の趣旨について「or(または)」なのか、「and(そして)」なのかを明確にすればよい。LINE・Yahoo!は先月、「NAVER側とネットワークを分離し、委託は縮小・終了する」と発表した。ネットワークを切って委託しなければ、もう韓国で個人情報が流出することはない。資本関係の見直しがなくても、個人情報流出問題は解消されるということだ。日本総務大臣が公式の場で「or」と発言してくれればよい。例えば、「行政指導は個人情報流出の再発防止のための措置であり、LINE・Yahoo!が韓国側と委託終了すれば、持分売却も不要である」という趣旨の発言をすれば、誤解が解ける。 

しかし、当事者であるSoftbankの宮川純一社長は先月の決算発表会で「or」と「and」の質問を受け、「委託終了とは関係なく、資本関係の再検討も必要というのが総務省の行政指導の意味」という趣旨の発言をした。総務省の行政指導に従うため、NAVERと持分に関する協議を進行中との発言もあった。行政指導の当事者であるSoftbankやLINE・Yahoo!、韓国のNAVERは、いずれも行政指導の趣旨を「NAVERの持分売却」と解釈しているということだ。 

日本外務省は今年4月に発表した外交青書で、韓国について「国際社会の様々な課題に対応するパートナーとして協力すべき重要な隣国」と定義した。韓国内の不必要な反日扇動の広がりを阻止するために力を貸すのも良いパートナーの行動ではないだろうか。本当に誤解であれば。



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