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【スペシャルリポート】不公正な規制vs規制万能主義...「文化産業公正流通法」の再推進をめぐる論争

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【スペシャルリポート】不公正な規制vs規制万能主義...「文化産業公正流通法」の再推進をめぐる論争

<ゲッティイメージ>

韓国の文化体育観光部(省)が「文化産業の公正な流通環境の造成に関する法律(文化産業公正流通法)」の制定を再推進する中、不公正の根絶と重複規制・産業縮小など賛否両論が加熱している。

◇文化体育観光部、「文化産業公正流通法」部署間の協議開始

文化体育観光部は、昨年、国会法制司法委員会の賛同を得られなかった文化産業公正流通法の制定案の一部内容に国務調整室の指摘を反映した。現在、放送通信委員会・公正取引委員会・科学技術情報通信部(省)など他部署と協議しながら最終案を検討中という。文化体育観光部のユ・インチョン長官は昨年、就任後初の記者懇談会で文化産業公正流通法の制定を再推進する考えを明らかにした。

文化産業公正流通法は、著作権の法廷攻防の最中に死去したアニメ番組「黒いゴム靴」作者の故イ・ウヨン氏の事例のような文化コンテンツ産業の不公正な慣行を規制するための法案だ。2020年に、ユ・ジョンジュ議員の発議案と2022年のキム・ソンス議員の発議案を反映して作られた代替案だ。

法案は文化産業の公正な流通環境を造成するため、禁止行為の類型を具体的に定めている。制作行為の妨害、文化商品の受領拒否、納品後の再作業要求、技術資料の情報提供の強要、費用転嫁、自社系列会社の商品との差別的扱い、特定の決済方式の強要、著しく低い対価の設定、文化商品の買い占め、知的財産権の譲渡強制行為などの不公正行為の根絶が導入の趣旨だ。

違反時に是正命令などの制裁措置を科すための法的根拠も用意した。文化体育観光部は法に違反した文化商品事業者に是正措置を命じることができ、是正命令に従わない場合、2年以下の懲役または1億5,000万ウォン(約1,661万円)以下の罰金刑に処するようにした。

法案は昨年3月に文化体育観光委員会の全体会議を通過したが、法制司法委員会で処理されず、文化体育観光委員会に戻された。政府の部署間の重複規制の論議とともに、プラットフォーム業界の反発が続いたからだ。

◇ウェブトゥーン作家・学界・産業界、こぞって「文化産業公正流通法の再検討」促す

ウェブトゥーン創作者及び学界、産業界団体はこぞって、文化産業公正流通法の制定案に対する全面的な再検討を促した。社団法人ウェブトゥーン協会と韓国ウェブトゥーン作家協会、韓国漫画ストーリー協会、韓国漫画ウェブトゥーン学会、韓国ウェブトゥーン産業協会、ウリ漫画連帯は「正しいウェブトゥーン産業の定着と発展のために文化産業公正流通法の全面的な再検討が不可欠だ」と題する共同声明を出し、主張を繰り広げている。

まず、ウェブトゥーン産業の重要な軸である「待てば無料」、「プレビュー」などがなくなることを心配する声が高い。

これらの団体は声明を通じ、「現法案で規定する禁止条項によると、無料視聴やプレビューなどの提供は制限されるか、消えるしかない」とし、「その場合、認知度の低いキャリア作家や新人作家の参入と機会の保障は難しくなり、読者の選択権も減るだろう」と主張した。

また、ウェブトゥーンからアニメ、映画、音楽、ゲーム、出版、公演など、それぞれ異なる文化産業を一つの法案でまとめて規制する形式にも疑問を呈した。彼らは「文化産業は固有の傾向と特徴を持っている」とし、「どれかに大きく括(くく)って規制したり、強制することがどれほど曖昧で危険な状況を作り出すことになるのか懸念される」と話した。

放送通信委員会は、文化産業公正流通法が電気通信事業法、放送法などと重複するとの立場で、放送事業者、流通業者などに対して重複規制の恐れがあるとして反対意見を出している。電気通信事業法、放送法などは放送通信委員会が規制を担当しているため、これについては除外規定を設け、文化産業公正流通法では放送通信委員会の該当法にない残りの部分だけを規律しようというものだ。

◇「コンテンツ業界の意見を収集し、懸念がないよう推進」

文化体育観光部は当該の論議に説明資料を出し、「文化体育観光部は所管部署としてコンテンツ業界の利害関係者の意見を十分に収集し、懸念がないように推進する」とした。

さらに、文化体育観光部は「ジャンル別の特殊性を反映した不公正行為の詳細基準などは同法に基づき下位法令に委任されている」とし、「文化体育観光部は今後も文化産業の不公正な慣行の根絶と持続可能な発展のために努力する」と話した。
ただ、業界関係者は「大原則自体が産業を萎縮させる方向なのに、施行令で法案の問題を解決することはできない」とし、「法制定の段階で作家たちの意見収集の過程が全くなかったのに、施行令の段階で収集するという計画には信憑(しんぴょう)性がない」と指摘した。

<文化産業公正流通法の関係部署及び業界の立場>



原文:https://www.etnews.com/20240116000113



/media/電子新聞
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