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ベンチャー投資の解氷期到来か...上半期の投資実績42%減、「底打ちし反騰を期待」

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ベンチャー投資の解氷期到来か...上半期の投資実績42%減、「底打ちし反騰を期待」

韓国の上半期の新規ベンチャー投資額は前年比42%減少した。ただ、最悪の減少となった第1四半期に比べて減少幅が縮小し、底は脱したとの見方が出ている。特に、新技術投資組合の投資が昨年下半期に比べ小幅ながら増加し、投資市場の軟着陸への期待が高まっている。

10日、中小ベンチャー企業部(省、中企部)と金融委員会によると、今年上半期の新規ベンチャー投資額は4兆4,447億ウォン(約4,864億2,800万円)を記録した。昨年上半期の7兆6,442億ウォン(8,363億7,600万円)と比べ42%減少した。中企部所管の創業投資会社と金融委員会所管の新技術金融会社の投資実績を合わせた規模だ。これまで半端な統計で投資市場に混乱が生じているという指摘を受けて、韓国政府は今回の四半期から統合した統計を発表することにした。

上半期のベンチャー投資市場は第2四半期に入ってから好転している。今年第1四半期だけでも、創業投資会社の新規投資は8,815億ウォン(約964億7,400万円)で、前年比60.3%減少した。新技術金融会社も8,615億ウォン(約942億9,400万円)にとどまった。

しかし、第2四半期に入り、このような投資の萎縮傾向はやや緩和され始めた。第2四半期の創業投資会社の新規投資実績は1兆3,226億ウォン(約1,447億3,700万円)、新技術事業金融業者の実績は1兆3,791億ウォン(約1,510億2,100万円)でそれぞれ50%、60%増加した。政府からも慎重な投資心理が一部回復し始めたとの見方が出ている。業界の内外からも、来年からはベンチャー投資市場が回復基調に入るという期待が大きい。

新規ファンドの組成規模が増加したことも肯定要素だ。今年上半期の新規ファンド組成額は4兆5,917億ウォン(約5,026億4,900万円)を記録した。ベンチャー投資組合が1兆8,436億ウォン(約2,018億1,700万円)、新技術投資組合が2兆7,481億ウォン(約3,008億8,500万円)規模でそれぞれ結成された。2021年上半期の5兆8,853億ウォン(約6,441億7,800万円)、2022年上半期の8兆6,961億ウォン(約9520億6,800万円)に比べれば減少したが、2020年上半期に比べれば2倍以上の規模だ。

業種別投資偏重も緩和されている。コロナ禍では、新規投資額の81%である4兆8,000億ウォン(約5,253億7,400万円)が非対面・バイオ関連の業種に集中するほど偏りが激しかった。これまで全体投資で大きな比重を占めていなかった電気・機械・設備、ICT製造分野の投資が増加し、ICTサービス、バイオ・医療、流通・サービス分野の投資が大幅に減少した。最近のディープテックなど、先端分野への投資誘因策が影響したものと考えられる。

中・後期投資に集中する新技術金融会社の投資が復活し始めたことも肯定要素だ。投資市場が活況だった2021年上半期には、新技術金融会社の投資実績が創業投資会社を上回ることもあった。今回の上半期も小幅であるものの、新技術金融会社の投資額が創業投資会社を上回る水準まで再び上昇した。
中企部のイ・ヨン長官は「今年に入って業種別投資比率が以前より緩和され、投資市場全体の軟着陸の可能性がさらに大きくなった」とし、「今後も民間ベンチャーファンドの結成支援、スタートアップコリア総合対策などを着実に推進し、回復の勢いを維持していきたい」と話した。

<最近5年間(2019~23年)上半期のベンチャー投資状況(単位:億ウォン)-資料=中小ベンチャー企業部、金融委員会>



<画像=getty images bank>

原文:https://www.etnews.com/20230810000125


/media/電子新聞
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