超低電力AI半導体ファブレス企業のアイエイチダブリュー(iHW)がシリーズAラウンドで520億ウォン(約59.3億円)規模の資金調達を完了した。リード投資会社のKOLON INVESTMENTを含め、ウリベンチャーパートナーズ、MIRAE ASSET、DSC Investment、HB Investmentなど既存投資家全員が後続投資に参加し、韓国産業銀行が新規に加わったほか、LIG Defense & Aerospace(ディフェンス・アンド・エアロスペース)がIBKキャピタルとコンソーシアムを組んで参加するなど、合計13の投資会社が名を連ねた。iHWは2024年末に120億ウォン(約13.7億円)規模のプレシリーズA投資を調達したことがある。今回のシリーズAを含めた累計調達金額は総額640億ウォン(約73億円)となる。
政府支援も継続的に続いている。iHWは2025年、科学技術情報通信部と産業通商資源部のAI半導体関連課題を数多く受注し、総額1,000万ドル以上の政府支援金を確保した。あわせて韓国電子技術研究院(KETI)の知能型半導体デバイス研究センターと協力し、ヒューマノイド向け低電力SoC技術の開発を共同で進めている。
iHWが開発中の超低電力AI半導体「INFERTRON(インファートロン)」は、ニューロモルフィックコンピューティング技術を演算構造に直接適用したアナログコンピュートインメモリ(ACiM)方式を採用している。既存のデジタル型ニューラルネットワーク処理装置(NPU)がメモリに保存された加重値を読み込み、別途の演算回路で処理するのとは異なり、INFERTRONは加重値が保存された位置でそのまま演算を行うインメモリコンピューティング構造を適用することで、データ移動の過程を減らし、大規模並列演算により電力消費と遅延時間を下げる、というのが同社の説明だ。この半導体は外部DRAMや別途のフラッシュメモリなしに単一チップのみで動作するよう設計されている。また最新の先端工程ではなく成熟工程(レガシーノード)でも実現可能であり、発熱が低いため別途の放熱板や冷却装置なしにシステムを構成できるとも同社は述べている。
KOLON INVESTMENT投資本部のチョ・ホンス常務は「メモリウォール問題を解決するACiM NPUに対する市場の需要に共感した」とし、「コアブロックのシリコン動作検証と高次元ビジョンAIモデルの実演に成功したことで、発熱とバッテリーの限界により既存のデジタルNPUが解決できなかったスマートシティ、産業用ビジョン、ロボット関節などのエッジ市場を攻略できる可能性を確認した」と述べた。
iHWのキム・テフン代表は「AI産業は電力消費と冷却によるインフラ負担、環境問題という課題を抱えており、これによりデータセンターの新規建設が遅延したり住民の反対に直面したりする事例が増えている」と述べた。続けて「今回の調達金はエッジAIチップの量産、LLMチップの試作品生産とマーケティング、追加人材の確保に使う計画だ」と伝えた。
