産業用音響AI(人工知能)ソリューション企業Deeply(代表イ・スジ)が、釜山(プサン)で大規模ターミナルを運営するグローバル港湾会社に「Listen AI」を供給し、自動化クレーン設備の音響ベース予知保全に着手した。Deeplyの「Listen AI」は80デシベル(dB)以上の極めて激しい騒音環境でも対象の音だけを精密に分離し、異常音と正常音のパターンの差を識別する独自技術を基盤に、モビリティ、家電、港湾、ロボットなど様々な産業設備の品質検査と欠陥の事前検知を行っている。

今回のソリューションは、グローバル港湾会社が運営中の釜山新港ターミナルの無人自動化ヤードクレーン(ARMGC)に導入された。コンテナの積み降ろしと移送を専任するヤードクレーンは無人の遠隔制御で稼働し、作業中は作業員の接近が制限されるため、リアルタイムの目視点検が難しく、故障が発生した場合は二次的な部品破損や物流作業の中断による運営損失が大きい。

Deeplyはクレーンのホイスト(吊り上げ装置)駆動部のモーター2台と減速機に専用の音響センサーを装着し、24時間稼働音を収集している。これにより1日約300回行われるホイスティングサイクル区間を自動識別し、上昇・下降速度、荷重負荷、位置制御信号と音のデータを同期させて条件別の正常ベースラインを構築し、異常の兆候を捉えた場合はターミナルのクレーン監視システム(CMS)と遠隔管制室へ即座に通知を送信する。

音響ベースの予知保全は、既存の接触式振動センサーとは異なり、設備の改造なしに非接触方式で簡単に装着できるため、安全性と空間効率に優れている。分析エンジンは設備の機械室内部にオンプレミスサーバーの形で構築してセキュリティを維持し、専用のセキュリティ無線ルーターを通じて遠隔管制センターとリアルタイムでデータを連携することで、物理的な接近が制限される自動化現場における管理の連続性を確保した。

現場実証の成果も表れつつある。Deeplyは1次性能検証により、ホイストモーターの正常駆動音と欠陥異常音との周波数および波形パターンの差を確認した。同社はこれを基に今後4ヶ月間、約5.6テラバイト(TB)規模の現場音響データを集中的に収集・学習させ、判別精度を高めていく方針だ。

さらに韓国内ターミナルでの実証を経て、今後は海外の港湾ターミナルへソリューション供給を拡大し、クレーンの走行部やトロリーなど主要な駆動軸全般へ監視領域を広げる計画だ。

イ・スジDeeply代表は「非接触式センサー体系により設備同士の干渉なく設備をモニタリングし、振動や発熱が本格化する前の微細な音の変化の段階で故障の兆候を先取りして捉えられるという技術的な強みが、港湾自動化の現場で有効性を実証された」とし、「半導体、鉄道、造船に続いて港湾インフラまで実績を確保した以上、クレーンや大型コンベヤーなど連続運用が必須の重工業設備市場を中心に予知保全の供給網を拡大していく」と説明した。

<画像=Deeply提供>

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