韓国の科学技術情報通信部(省、ユ・サンイム長官)と情報通信企画評価院(IITP、ホン・ジンベ院長)が約1,643億5,000万ウォン(約163億円)規模の第1次情報通信技術(ICT)研究開発(R&D)の新規課題に着手する。新しいR&Dで人工知能(AI)、デジタル大転換の基盤を設けることが目標だ。
27日、科学技術情報通信部・IITPによると、今回の新規課題は140個で、計601の機関が選定され、R&Dに取り組む。
AI分野は、人間のように新しい環境に適応・成長するようAIの知的水準を高度化し、汎用性を最大化することが目標だ。
これに「核心戦略分野」として汎用人工知能(AGI)R&D方法論を事前研究する企画課題10個を選定(1段階、今年37億5,000万ウォン、約3億7,200万円)した。一部は2029年までに2段階研究も支援する。
研究者が自主企画する「創意挑戦型R&D」新規課題20個(23億ウォン、約2億2,800万円)も7月に着手予定で、先端AIリスクを緩和・除去するAI安全核心技術R&D(79億5,000万ウォン、約7億8,800万円)も新規支援する。
国産AI半導体ベースの大規模データセンターの構築・運営を通じた世界最高のクラウド競争力確保にも乗り出す。366億2,000万ウォン(約36億3,300万円)規模で、データセンターインフラ及びハードウェア(HW)、コンピューティングソフトウェア(SW)、AI半導体特化のクラウド技術の開発を本格的に推進する。
量子領域では量子通信光素材・素子自立化を推進する。今年、新規25億ウォン(約2億4,700万円)規模の課題だ。また、量子精密測定方法論の開発にも35億1,000万ウォン(約3億4,800万円)を投資する。
次世代通信技術の確保の面では、次世代ネットワーク技術・標準を先取りし、6Gの早期商用化及びグローバル6G市場を先導する計画だ。来年、早期6G技術をデモンストレーションする方針で、関連する「次世代ネットワーク(6G)産業の技術開発」に103億ウォン(約10億2,100万円)を投入する。
また、6G国際標準ベースの韓国独自の低軌道衛星通信システムの開発(新規予備妥当性調査316億5,000万ウォン、約31億3,900万円)も併せて進行する。
サイバーセキュリティのため、76億ウォン(約7億5,400万円)をかけてデバイス内蔵AIモデルの情報流出防止技術、船舶サイバー侵害事故のリスク検出対応技術などを開発する。
放送・コンテンツ面では、放送メディア企画・制作・伝送プロセスをAI・デジタル技術で低コスト・高効率化することが目標だ。台本の事前視覚化及びデジタルヒューマン自動生成・編集技術の高度化、放送映像オブジェクト単位の変形・再構成が可能な「プログラマブルメディア」の先導技術の確保を新規推進(30億ウォン、約29億7,700万円)する。
そして、デジタル融合分野では25の課題に新進研究者の自己主導研究・商用化を新規支援(28億1,300万ウォン、約2億7,900万円)し、デジタル社会革新領域でもボイスフィッシング犯罪の分析・予測のための個人情報仮名・匿名処理技術及びデータ安心共有プラットフォームの開発(45億ウォン、約4億4,600万円)に乗り出す。
今回の新規課題に関連し、技術事業化の成果創出手続きの改善も併せて行った。特に応用・開発研究は、産業界の参加及び事業化計画の提出を義務化し、選定評価時の技術事業化関連の評価比重を拡大するなどの措置を取った。
科学技術情報通信部のソン・サンフン情報通信政策室長は「AIの3大強国となる目標の達成は、韓国の産・学・研技術の革新の可否に左右されるだろう」とし、「ICT R&DがAX時代の先導基盤となるよう、革新研究の成果創出と技術事業化エコシステムの造成を積極的に支援していく」と話した。
<画像=2025年度のICT R&D新規課題>