OPEN RHAPSODYが、複数人が1つのAI作業セッションに同時に入って共に作業できるワークスペース「Bottari」のベータ版をリリースした。これまでAIツールは1人が自分の画面で単独で使う方式が大半だったが、Bottariは AIとやり取りする作業プロセス自体をチームメンバーと共有することに焦点を当てた。
キム・ユシンOPEN RHAPSODY代表は、企業がAIを導入した後、個人の生産性は上がったものの組織全体のスピードはそれほど速くならない原因として「AIの孤立化」を挙げる。メンバーごとに別々にAIを使うため、成果物を引き渡すたびに改めて整理・説明する必要があり、AIがどのような文脈でその判断を下したのかは作業した本人の対話画面の中にしか残らないという。キム代表は「AIを導入したというより、個人別に配布した状態に近い」とし、「AI時代に解くべき課題は職種の再設計よりも協業構造の再設計だ」と述べた。
Bottariでは、それぞれがAIと作業していたセッションをチームに開放できる。チームメンバーは進行中のセッションに入り、Googleドキュメントや Figmaのようにリアルタイムで共同作業でき、メッセージごとに誰が指示したのかが表示される。例えば、ジュニア開発者が作業中に行き詰まった場合にシニア開発者をタグ付けすると、シニアは画面共有なしにセッションに入り、AIが作成中のコードを見ながら修正方向を指示できる。コードレビューを担当する人は、完成したコードの変更履歴だけでなく、AIがそのコードを書くに至った判断プロセスも一緒に確認でき、セッションを同僚に引き渡せばそれまでの意思決定の記録もそのまま引き継がれる。
文書も同じ方式で扱う。企画書や設計文書は個人のPCや対話画面ではなく、最初からチーム共用のデータベースに原本として作成され、AIが文書を書いている間もチームメンバーがリアルタイムで修正できる。保存された文書は、次の作業で「@文書名」タグで呼び出し、AI作業の入力資料として使える。担当者が変わったり退職したりしても、作業の文脈と文書は会社に残る。
AIモデルは現在Anthropicの Claudeをサポートしており、ユーザーがすでに利用しているClaudeの契約を連携させる方式のため、別途のAI利用料は発生しない。OpenAIの Codex、GoogleのGeminiなど他のモデルも今後サポートする計画だ。作業の文脈は特定のモデルではなくセッションと文書に蓄積されるため、作業に応じてモデルを切り替えて使っても流れがつながる。同社は、メッセンジャーと文書ツール、AIサービスをBottari1つに統合することで、チームが使う業務用ソフトウェアの契約コストを最大3分の1程度まで削減できると説明した。
セッションと文書は、1人で作業しながら必要なときだけチームに共有でき、人ごとに閲覧・コメント・編集の権限を個別に設定できる。Github やApp Store、Google Analyticsなどを連携させれば、AIが実際の製品データを参照しながら作業する。
キム代表は「AI転換の成否は個人の力量の総和ではなく、組織力で決まる」とし、「個人のAIをチームのAIへ、チームの判断を会社の資産へと変えることがBottariの目標だ」と述べた。
