LLMスタートアップのTrillion Labs(トリリオンラボ)は、AIデータセンターや発電所などの複雑な産業環境をAIが理解・シミュレーションして運営を最適化する「産業ワールドモデル(Industrial World Models)」の開発に着手した。NVIDIA(エヌビディア)のOmniverse(オムニバース)ライブラリとNemotron(ネモトロン)オープンモデルを基盤とする。

Trillion Labsは、AIが特定の意思決定や運用方式がもたらす結果を事前に予測し、オペレーターの意思決定を支援できるようにする計画だ。産業ワールドモデルが運用環境全体を最適化するためには、複雑な設計図面や時系列データ、設備運用情報、保守履歴、運用上の制約条件、インフラ間の相互依存関係などを総合的に理解・分析できる必要がある。

Trillion Labsは、大規模言語モデル(LLM)と視覚言語モデル(VLM)を含むファウンデーションモデルをスクラッチから開発してきており、最近では物理的環境を理解するワールドモデルへと研究領域を拡張している。モデルの学習から推論、デプロイ、運用に至る技術力を基盤に、GSグループをはじめとする複数の産業分野の企業とエネルギーおよび産業インフラに関する協力を進めている。

Trillion Labsは今回の開発を通じて、自社のファウンデーションモデル技術をNVIDIAのAIファクトリー、デジタルツイン、フィジカルAIのエコシステムと組み合わせ、AIインフラ市場において「産業インテリジェンス(Industrial Intelligence)」分野を切り開くことを目標に掲げている。

Trillion Labsのシン・ジェミン代表は「AIの次の段階は、言語を超えて実際の世界を理解し推論することだ」と述べ、「産業ワールドモデルを通じて、重要インフラを理解・最適化する新たな産業インテリジェンスの基盤を構築する」と語った。シン代表はNVIDIA GTC 2025において韓国のSovereign AI戦略をテーマに登壇しており、NVIDIAのInception(インセプション)プログラムへの参加など、NVIDIAとの協力を拡大している。

原文:https://platum.kr/archives/288392