健康機能食品とダーマコスメティックなど14のD2C(消費者直接販売)ブランドを運営する「2359(イサモグ)」が昨年1,768億ウォン(約202億8,073万円)の売り上げを記録した。2021年に230億ウォン(約26億3,833万円)だった売り上げが4年で8倍近くに膨らんだ。営業利益は261億ウォン(約29億9,393万円)に達する。
2359は2019年5月に設立された8年目の企業だ。ソウル大学出身の共同創業者2人が学内創業サークルからスタートし、WELLIT(ウェルリット)、Celladix(セラディックス)、MEDYON(メディオン)、Cleanery(クリーナリー)、Housweet(ハウスウィート)、bifigen(ビフィジェン)など多様なブランドを直接企画・運営してきた。社名は一日が終わる最後の瞬間まで消費者の日常に寄り添う製品を作るという意味を込め、「23時59分」とした。健康機能食品からスタートし、化粧品、女性用品、乳幼児用品へとカテゴリーを広げてきた背景でもある。

2359の主要製品/写真=2359
同社は外部からの資金調達なしに、自社の売り上げのみで成長してきたのが特徴だ。韓国内で検証した商品企画力を台湾・香港に続いて北米へと展開し、海外売り上げが急速に伸びており、今年は「売り上げ3,000億ウォン(約344億1,300万円)達成」を目標に掲げた。
組織規模は1年半で2倍以上に拡大した。120名だった人員が現在250名(契約・派遣を含めると280名余り)に増えた。昨年9月には3か所に分かれていたオフィスを、ソウル江南区鶴洞路の新社屋「SPACE11」1か所に統合した。平均年齢は30.7歳と若い組織だ。
急激な成長の背景には、急速な組織拡大を乗り越えてきた2359特有の組織文化があるという評価がある。会社は「透明なコミュニケーション」と「業務への没入環境」という2つの軸で働き方を説明する。
Slack全チャネルを開放…「誰が何をしているか全て見える」

2359のコミュニケーション方式の核心は「全面公開」にある。社内Slackは経営陣と人事関連のチャネルを除く全てが開放されており、マーケティング・商品企画・品質・デザインの各チームが何をしているのかを誰もが見ることができる。
水平的な雰囲気も特徴の一つだ。90年代生まれの共同代表は社内のLoL(リーグ・オブ・レジェンド)愛好会に自ら所属し、社屋地下のコートで社員たちとバスケットボールチーム対決を行う。リーダーシップワークショップには役員・従業員の家族まで招待して実施する。
四半期の初月には全社員が一堂に会するオフラインのタウンホールミーティングが開かれる。新規入社者の紹介と長期勤続者の表彰から始まり、チーム別プロジェクトの共有、経営陣による全社戦略の発表が続く。最後はリアルタイムの質疑応答だ。質問はオンラインで匿名受付される。年初のタウンホールでは111件の質問が寄せられた。年俸引き上げ率の算定基準、評価制度の公正性、包括賃金制廃止に対する会社の立場など、鋭い質問もふるいにかけられることなくそのまま壇上に上がる。
現場で出た質問と回答は別途データベースで管理される。発表資料も全メンバーに配布し、参加できなかった人員が会社の方向性を見失わないようにしている。
本部単位の自発的なイベントも活発だ。一例として、ブランド支援本部の場合、組織内のボトルネックを解決した人を四半期ごとに投票で選ぶ「ボトルネック解決王」を運営しており、本部長が自費で商品券を授与している。
確実な報酬で引き留める…半期別個別インセンティブを導入

2359新社屋
新社屋移転直後には、フロアごとにルールを自ら作る「2週間のグラウンドチャレンジ」が開催された。出退勤時の挨拶、他チームとのランチといったルールが各フロアに定着した。バラバラだった組織を「ワンチーム」にまとめるための仕組みだった。
2359が求める人材像は、業界経歴よりも成長に対する自己定義が明確な人だ。ブランドや地域を横断する職種異動にも開かれている。実際に東南アジア事業チームから北米事業チームへ異動し、成功方式を移植した事例がある。
成果報酬は直接的に行われる。今年から売り上げ組織を中心に半期別個別インセンティブを導入した。成果を出す人に確実な報酬を与え、人材の流出を防ぐというのが経営陣の中心的な方針となっている。
現在の退職率は6〜7%水準だ。オ・ユジョン2359HRチームリーダーは「昨年は3%にも満たなかった」とし、「1年で人員が一巡する所も少なくないが、我々は採用失敗率が低い方だ。一次面接をリーダーたちが直接担当し、ハードルを高く維持しているためだ」と述べた。
オ・ユジョンチームリーダーは「終身の職場はないと考えている。我々の会社でずっと働かなくても『2359出身』がどこでも認められればと思う」とし、「会社がうまくいけば個人のキャリアもうまくいくため、成長に全面的に投資しているのだ」と語った。
6週間に圧縮したオンボーディング…成長速度に制度を合わせた

2359
急速な人員増加にもかかわらず組織が揺らがない背景としては、しっかりしたオンボーディングが挙げられる。新規入社者は6週間のオンボーディング過程を経る。1週目のウェルカムウィークでは業務ツールのセットアップとチームリーダーとのコーヒーチャットを行い、以降カルチャーフィット・エクセレンスウィークへと続く。週ごとに福利厚生制度と経費使用法、フィードバック文化、行動規範を分けて習得する。個人別オンボーディングページが提供され、隣の席で密着支援する「バディ」も付く。
当初は12週間だったが、会社の成長速度に合わせて6週間に短縮した。
福利厚生は業務への没入に焦点を当てている。昼食弁当の配送方式を最近フロア別配膳に変更し、役員・従業員がより温かい食事を味わえるようにした。社屋カフェの飲み物とおやつは24時間無制限で無料だ。このほか、年間120万ウォン(約13.8万円)の福利厚生ポイント、入社時の自社ブランドウェルカムギフト、四半期に1回1人当たり4万ウォン(約4,588円)のランダムランチ、3・5・7年勤続時の2週間有給リフレッシュ休暇、総合健康診断、月〜木曜日の残業時に金曜日早退などがある。
業務関連の講義やセミナー、図書購入費はチームリーダーの決裁のみで全額支援される。外部講師を招いた講演も定期的に開かれる。成長に必要だと判断されれば限度を問わず支援するというのが会社の方針だ。
今年2359が全社レベルで最も力を入れた課題はAI(人工知能)の導入だ。当初はチームリーダー級のみにアカウントを配布したが、「裾野を下から広げよう」という判断により全社員に拡大した。現在200名以上の役員・従業員が1人当たり月20万ウォン(約2.3万円)相当のClaudeアカウントを支給されている。年間数億ウォン規模の投資だ。AI活用度の高いメンバー8名は「AIチャンピオン」として選抜し、最上位料金プランを支援する。
2359の中長期目標は「売り上げ1兆ウォン(約1,147億1,000万円)」到達だ。これに向けた組織整備にさらに万全を期している最中だ。
チュ・ジェヒョン2359代表は「急速に成長する組織であるほど、制度が人についていけないことが多い」とし、「足りない部分を絶えず修正していくことが2359のやり方だ」と強調した。
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2026090115251824308
