7月の1カ月間に韓国内の非上場スタートアップと中小企業が受けた投資は93件、6,224億ウォン(約683.2億円)だった。6月の7,202億ウォン(約790.6億円)に続き、2カ月連続で1兆ウォンを下回った。3月から5月まで3カ月連続で1兆ウォンを超えていた流れが途切れた形だ。
スタートアップ投資データベース企業のTHE VCが3日、こうした内容を含む2026年7月の韓国内スタートアップ投資統計を公開した。
件数だけを見ると、市場が冷え込んだとは言い難い。6月の115件は今年に入って最多で、7月の93件も上半期平均並みの水準だ。一方、金額は5月の3兆7,630億ウォン(約837.6億円)から6月の7,202億ウォン(約790.6億円)へと、1カ月で5分の1以下に落ち込んだ。投資が行われる頻度は維持されているが、1件当たりの規模だけが縮小した形だ。
原因としては超大型投資の消失が挙げられる。3月にRebellionsが上場直前段階で6,400億ウォン(約702.5億円)を調達したのを皮切りに、4月にはExina(エクシナ)が2,020億ウォン(約221.7億円)、Upstageが1,800億ウォン(約197.6億円)、Holiday Roboticsが1,550億ウォン(約170.1億円)と続いた。5月にもFuriosaAI(フリオサエーアイ)が4,000億ウォン(約439.1億円)、Coinoneが1,600億ウォン(約175.6億円)、Upstageが1,300億ウォン(約142.7億円)など大型投資が相次いだ。一方、6月には1,000億ウォン以上のラウンドが1件もなく、7月も1件にとどまった。7月の最大規模は映像AI企業Twelve LabsがシリーズBで調達した1,500億ウォン(約164.7億円)だった。
年間累計で見ると話は変わってくる。7月までの累計投資件数は652件、金額は8兆6,076億ウォン(約667億円)だ。件数は前年同期比9%減ったが、金額は147%増えた。ただしこの金額の44%が5月の1カ月に集中している。少数の大型投資が市場全体の規模を押し上げた構造だ。
THE VCは、この大型投資が2カ月連続で振るわない背景に注目すべきだと指摘した。5月以降続くKOSDAQの下落と、グローバルなAI bubble懸念が、一時的な調整の域を超えて実際の投資マインドに影響を及ぼしている可能性を排除できないとの分析だ。7月初めに重複上場規制のガイドラインが出たことで、KOSDAQ市場に対する懸念も強まった。非上場市場で高まった企業価値が上場による回収につながらなければ、投資と回収、再投資で回るベンチャーエコシステムの循環が途切れかねないとの指摘が出ている。
分野別ではAIとロボットが依然として強い。7月の全93件のうち36件(39%)がAI・ロボット分野で、初期ラウンドでは70件中32件と比率が46%に達した。海外投資家の参加も続いた。Twelve Labsへの投資にはアマゾンとNew Enterprise Associates(ニューエンタープライズアソシエイツ、NEA)、RED BULLベンチャーズ、Quadrille Capital(クォードリルキャピタル)などが名を連ねた。グローバル機関投資家を相手にするAIリサーチスタートアップのLinkAlpha(リンクアルファ)も、米国のGTF Ventures(ジーティーエフベンチャーズ)とフランス系のAtlantic Vintage Point(アトランティックビンテージポイント、AVP)から投資を受けた。
AIデータセンターが使う電力が増える中、核融合や原子力技術のスタートアップにも関心が広がっている。7月には核融合燃料素材企業のAizenCore(アイゼンコア)がシリーズBで60億ウォン(約6.6億円)を、ソウル大学VEST研究室出身の創業チームが設立したEternaFusion(エターナフュージョン)がシード段階で23億ウォン(約2.5億円)を調達した。宇宙航空分野も動きがあった。金融委員会が先月、国民成長ファンドの支援対象を宇宙航空と防衛産業まで広げると発表した中、7月には宇宙部品企業のMID(エムアイディー)が157億ウォン(約17.2億円)を受け、cosmo beeとSpectraIntel(スペクトラインテル)、MomentumSpace(モメンタムスペース)を含む4社が投資を獲得した。

