[スタートアップSTORY]リュ・ジュンウ Uluru(ウルル)代表

「オーストラリアには『ウルル(Uluru)』という岩山があります。映画『世界の中心で、愛をさけぶ』に登場して以来、日本人にとっては死ぬ前に必ず訪れるべき旅行地として知られている場所です。ウルルのように、世界中の旅行者が胸の中に秘めているバケットリストの旅行地が一つはあるものです。旅行者一人ひとりに合った特別な体験を見つけてくれるサービスをつくりたいと思い、2度目の起業に踏み切りました。」

2015年にインシュアテック(InsurTech)プラットフォーム「BOMAPP(ボマップ)」を創業したリュ・ジュンウ代表は、AI(人工知能)ベースの旅行キュレーションプラットフォームUluruを通じて2回目の起業に挑戦した。金融という規制産業での起業経験を土台に、かねてから好きだった旅行を新たなビジネスアイテムとして選んだのだ。リュ代表は、Uluruを単なる旅行商品のコマースにとどまらず、AI技術を活用して旅行者と新たな体験をつなぐグローバル旅行プラットフォームへと育てるという構想を描いている。

写真メタデータで10秒で旅行傾向を分析

リュ代表が構想した核心ソリューションは「AIパワードトラベルキュレーター」である。AI技術を活用し、利用者一人ひとりの旅行嗜好や過去の体験を分析して、それに合った旅行先やコンテンツ(遊び・食事など)を推薦するサービスである。

リュ代表は「人々が旅行先で撮る写真には、旅行の傾向やスタイル、おおよその所得水準まで把握できる膨大な原データが含まれている」と述べ、「ただし、AIがすべてを制御し決定するのではなく、人と人、経験と経験をつなぐ補助的な役割に集中し、キュレーションの効率を最大化するレベルで活用する」と語った。

代表機能である「足跡」は、利用者のスマートフォンのフォトアルバムからメタデータ(緯度・経度・日付・時間)を取得し、約10秒で過去に訪れた国や都市、旅行スタイルなどを分析してくれる。写真の原本は収集せず、プライバシーを保護しつつ、利用者の消費レベルや旅行傾向などを比較的正確に把握できる。

ウルルのビジネスモデルは、目的地データを基に既存のOTA(オンライン旅行会社)の航空券・宿泊予約サービスと自然に連携し、収益を創出することだ。従来のOTAが航空券と宿泊施設を単純に列挙する方式であったのに対し、ウルルはAIデータに基づいて旅行先と予算に合わせたカスタマイズキュレーションを提供する計画だ。

ウルル概要/グラフィック=イ·ジヘ

75万人のYoutuberがCCOとして参加···テーマ商品差別化

ウルルはデータベースのOTA連携ソリューションを高度化すると同時に、クリエイターとの協業を通じて初期売上の拡大と事業拡大にスピードを付けている。有名な旅行Youtuber(ユーチューバー)「チェコジェ(Channel Korean Jay、本名パク・ジェイル)」がCCO(最高クリエイティブ責任者)として参加したことも注目を集めている。

リュ代表は「知人を通じてチャコジェと初めて縁を結び、事業の方向性についての見解がマッチした」と述べ、「旅行ユーチューバーとして積み重ねたさまざまな経験が初期のサービス企画やマーケティング戦略の策定に大いに役立った」と語った。

これは、従来のパッケージ旅行の欠点を補完した「クリエイター同行型」のカスタマイズテーマ旅行商品を次々に展開し、差別化を図った背景となっている。「キムトゥル」と共に行う日本静岡キャンプ、「ノゾクボ」と共に行うバンコクテニス大会への参加、「Junfield」と出かける日本バイクライディングツアーなどが代表的だ。単なる観光にとどまらず、似た趣味を持つ人々と交流できる体験型の旅行である点が特徴だ。

「ウルル・コネクト」というクリエイターコミュニティも構築した。クリエイターが日本の小都市旅行やグローバルフェスティバルなど、各テーマに合わせた現地情報を自主的に共有し、旅行を提案できる仕組みだ。

創業2年目のウルルは、初期ゲーム業界のエンジェル投資家から4億5,000万ウォン(約4,706万円)規模のシード資金を調達した。現在、TIPS運用会社を中心に追加投資の獲得を進めている。今後は国内向けアウトバウンド市場だけでなく、Kコンテンツブームに合わせて韓国を訪れる外国人観光客(インバウンド)市場や日本市場への進出も計画している。

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2026052913463421610