ついにBTSが復帰する。メンバーの軍入隊後、家の中が少し静かになったかと思ったが、また耳が摩耗する勢いで、BTSの音楽を聴くことになるだろう。約30万人もの人が光化門(クァンファムン)の真ん中に集まると、安全に事故なくイベントを行うための準備が進められている。

通信3社も非常対応に入っている。ネットワーク容量を超えた通話に備えて移動基地局・中継機を増設し、現場人材も配置する。

2002年に数百万人に及ぶ応援団「プルグンアンマ(赤い悪魔)」が光化門広場に集まったワールドカップの時の様子が思い浮かぶ。国家的イベントだったため、政府は円滑な移動通信環境を維持しようと通信会社と協力して、準備を行った。万全の準備体制だったが、競技開始直前から急増した通話量は前半戦・競技終了時にピークに達し、通話成功率は80%以下となった。基地局は有線ネットワークに代わり、効率性を追求するための移動通信の核心設備だが、皮肉にも混雑時はボトルネックとなる。

現在の社会の飛石となったのは、2000年代前後の「先進国に遅れをとれない」という意識であり、そうして走り続けた結果、世界初の超高速インターネットを手にした。おかげで知識が民主化され、自由な意思表出の場が作られた。ベスト4進出の快挙が路上応援と合わさり、国民の自信は最高潮となった。応援団にコミュニケーションの手段を提供したのは、他ならぬインターネットだった。

2010年代は文化跳躍期だった。K⁻POPは1990年代のJ⁻POPを模倣して、練習生アイドルシステムを作り上げた。2000年代には、CJ E&Mと3大芸能事務所の公演プラットフォームが形成され、狭い韓国市場を越え、世界の舞台へと飛躍した。PSY(サイ)の「江南スタイル」(2013)は、YouTube・社会関係ネットワークサービス(SNS)に乗り出して世界的に広がっていくオープンマーケティングの出発点だった。筆者が2011年にSMエンターテイメントのK-POPアイドルを歓迎するためにパリ・ド・ゴール空港を埋めつくす人波に対峙し、2016年LA CJ K-CONのトリを飾ったBTSに注がれた雷のような歓声を聞いたのは決して偶然の産物ではない。

2000年代初頭、日本でのドラマ「冬のソナタ」のヨン様ブームから始まったKコンテンツの地位は、20年余りが過ぎて初のアカデミー賞受賞作である「パラサイト-半地下の家族-」や配信ドラマ「イカゲーム」で頂点に達した。貧困や不平等、社会の不条理から教育まで、社会問題がコンテンツのテーマとして登場するようになったのは、短期間での圧縮した成長の過程で抑えつけられた人権を取り戻すべくする渇望のためだろう。考えてみると、BTSの人気も、大きくない芸能事務所出身である彼らが、自分たちが経験した困難や、世界との向き合い方から歌を作り、ファンである「ARMY(アーミー)」と絶えず疎通を行ってきたことによるものだ。

OTTは地上波が主導していた韓国内コンテンツ市場に、総合編成・ケーブルチャンネルに続き参入し、高クオリティコンテンツの激戦場にした。4G・スマートフォンの登場とともに、個人がいつでもどこでもどのデバイスでも繋がれる環境が構築され、韓国文化は世界に広がっていった。

光化門に集結するBTSのファンダムを引き寄せた触媒は、超高速インターネットとスマートフォン、そしてその上に構築された遊び場の世界だ。今後展開される人工知能(AI)も韓国文化の世界的拡散を加速させる新しい手段になることを楽しみにしている。

漢城(ハンソン)大学 イ・ネチャン経済学科教授 nclee@hansung.ac.kr

<画像=2002年6月SK telecom(SKテレコム)のワールドカップベスト4進出祝賀広告(左)と2016年7月CJ E&M K-CON LA(右)>

原文:https://m.etnews.com/20260320000055

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