サムスン・NAVERも先を争い投資… 企業価値8,000億ウォンに跳ね上がったhyperithm

「日本で創業して4年で運用資産20倍。

仮想資産業界の次期ユニコーンになる」

大学時代に匿名コミュニティ「竹林」立ち上げ

日本で秘書として働き、4回起業

企業価値8,000億ウォン…サムスンも投資

グローバル暗号通貨市場が大きくなり、関連企業も大きく成長している。ユニコーン企業（企業価値1兆ウォン＝1,000億円以上の非上場企業）も相次いで誕生している。韓国内では暗号通貨の取引所を運営するDunam（デュナム）とBithnmb（ビッサム）がユニコーン企業に上り詰めた。仮想資産業界で次のユニコーンとして挙げられている韓国スタートアップの一つがhyperithm（ハイパーリズム）だ。仮想資産の運営会社であるhyperithmは、最大8,000億ウォン（約833億7,500万円）水準の企業価値を認められたことがわかった。

サムスン・NAVER・Kakaoが先を争い投資

hyperithmのイ・ウォンジュ共同代表は4日、「現在200社以上の企業と機関を対象に、1,000億ウォン（約104億2,100万円）以上の暗号通貨の投資信託を運用している」と説明した。2018年に日本で設立したhyperithmは韓国に支社を置いている。

取引先がhyperithmに関心を示すのは投資の専門性のためだ。イ代表は「暗号通貨の安全な保管、効率的な売買などもhyperithmの競争力」と説明した。現在、運用資産規模は設立初期の2018年より20倍以上増加した。hyperithmが運用するファンドの年間平均収益率は20％を超える。

ベンチャーキャピタル(VC)業界は、hyperithmの成長を早期に調べた。2019年、hyperithmが設立してから2年も経たぬ時期に、NAVER（ネイバー）とKakao（カカオ）の投資専門系列会社であるSpring Camp（スプリングキャンプ）、Kakaoインベストメントがhyperithmに投資した。昨年はサムスン電子の投資専門子会社であるSamsung Next（サムスンネクスト）、GSグループのベンチャー投資会社GSフューチャーズ、ゲーム会社WEMADE（ウィーメイド）などもhyperithmの株主となった。今年上半期には米国の暗号通貨取引所Coinbase（コインベース）から追加投資を受けた。

第四事業に乗り出した「連鎖創業者」

イ代表は1993年生まれで、今回が4回目の起業だ。高校在学時代に初めて創業した。大学在学中の2013年には、韓国内の大学街に広がった匿名コミュニティ「竹林」の始まりである「ソウル大学竹林」を作った。大学卒業直前の2016年にはソウルの店の価格情報を提供する企業「ソウルプライス」を立ち上げた。しかし創業1年で廃業した。

2017年に知人の紹介で日本の中堅企業の所有主の随行秘書として就職した。イ代表は「当時、日本で受け取った月給を韓国に送る過程で、日本の銀行の手数料負担が大きすぎて代案を探すうちに暗号通貨の可能性を感じた」と話した。イ代表は翌年、モルガン・スタンレー出身のオ・サンノク共同代表と、ソウル大学出身で数学・物理・情報オリンピアードのメダリストである開発者たちを主軸に、hyperithmを設立した。

hyperithmは今年投資を拡大する計画だ。最近1,000億ウォン規模の「Web3.0エコシステム」の活性化のためのファンドをつくった。Web3.0はFacebookのように特定企業が管理する中央・集中化されたサービスではなく、脱中央化の分散サービスを意味する。ブロックチェーン技術が最も効率的に使われる部分に挙げられる。

hyperithmは「仮想資産業界のゴールドマンサックス」になることが目標だ。イ代表は「ソフトバンクの孫正義会長が金融と情報技術(IT)を組み合わせてソフトバンクを育てたように、我々も金融とブロックチェーン分野で勝負をかけたい」と話した。

キム・ジュワン記者 kjwan@hankyung.com

原文：https://www.hankyung.com/it/article/2022070454971