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自社に合わせたチームと役職を導入するスタートアップ

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自社に合わせたチームと役職を導入するスタートアップ

  • HGRMチーム、CMDチーム、UXリサーチパート、グリフィンドールチームなど、異色のチームが続々登場。
  • 革新的なサービスのため、定型化された枠組みから脱却して企業に合った組織と職群を導入

革新的なサービスづくりのために、定型化された枠組みから脱却し、自社に合った組織と職群を導入するスタートアップが増えている。スタートアップは、一つのビジネスが企業の中心になることが多い。一般的な組織は、商品やサービスよりも企業運営の効率に焦点を当てているからだ。

特に、少ない人数で市場状況を迅速に反映して業務を実行しなければならないスタートアップの特性上、組織と個人の目標・役割を具体化することが重要である。このため、多くのスタートアップが企業の核心価値に合わせて、チーム名と役職名をカスタマイジング(Customizing)することに力を入れている。


宿泊キュレーションプラットフォーム STAYFOLIO - HGRMチーム

宿泊キュレーションプラットフォームSTAYFOLIO(ステイフォリオ)のHGRMチームは、「Host Guest Relationship Manager」の略で、既存の宿泊業界に存在しなかったSTAYFOLIO独自サービスのために考案された組織である。

HGRMチームは、STAYFOLIOを通じて行われる予約からサイト利用、ホスティング、宿泊に至るまでのすべての段階で、ホストとゲスト間の円滑なコミュニケーションを支援している。顧客と最も緊密にコミュニケーションを行うポジションで、他のポジションより早く市場状況や顧客のフィードバックを反映する必要がある。STAYFOLIOならではの、質の高いサービスを提供する部署なのだ。

STAYFOLIOは、差別化された宿泊体験を提供しながら様々なサービスを展開し、毎年成長を続けている。2022年12月基準、月間ユーザー数(MAU)50万人、月間取引額30億ウォン(約3億円)などを達成し、前年(2021年)同期比50%以上増加した。


コミュニティベースの住居サービスブランドmangrove - CMDチーム

mangrove(マングローブ)のCMDチームは「Community Development」の略で、mangroveの入居者が快適で安定的なコリビング(Co-living)体験ができるように支援する部署だ。他ブランドのコミュニティチームの場合、施設運営の方に集中しているが、mangroveは独自のコミュニティプログラムに集中しているのが特徴だ。

mangroveのCMDチームは、マングローブの各支店のコミュニティが円滑に運営されるように、運営企画や生活マニュアルの整理などを行いながら、入居者と直接コミュニケーションする役割を担っている。本社に勤務するコミュニティマネージャーは、mangroveで入居者が有意義なコミュニティを形成できるようにプログラムを作り、提携会社と協力して商品やサービスなどを顧客に提供している。

mangroveは1人世帯を対象に空間、コミュニティ、サービスを提供しており、様々な住居ソリューションを企画・開発・運営している。2020年マングローブ崇仁(スンイン)店のオープンを皮切りに、新設(シンソル)、東大門(トンデムン)、新村(シンチョン)店を運営している。


電気自動車の充電インフラプラットフォームEV Infraの運営会社softberry - UXリサーチパート

電気自動車の充電インフラプラットフォームEV Infra(EVインフラ)を運営するsoftberry(ソフトベリー)のUXリサーチパートは、アプリ上の膨大な充電インフラデータをユーザー体験に合った質の高い情報として提供するのが特徴だ。

主に、ユーザーがアプリを通じてどのように情報を取得するかを調べ、その様相とニーズを基にサービスを高度化する役割を担っている。softberryは、電気自動車充電施設の状況などをユーザー同士で共有できるコミュニティを持っているため、UXリサーチパートはアプリを通じてユーザーがどのように情報を共有し、つながっているかを把握し支援することができる。アプリのデータに基づいてユーザーをモデリングした定量的なデータだけでなく、ユーザーとのインタビューやアンケートによる定性的なデータも活用する。

softberryは、エコモビリティプラットフォームをリードする業界1位の電気自動車充電情報アプリ「EV Infra」を中核サービスとして運営している。EV Infraサービスでは、韓国各地の電気自動車充電所の位置と状態などをリアルタイムで確認でき、充電料金を簡単に決済できるように支援している。


税理士法人Heum- グリフィンドールチーム

税理士法人Heum(ヘウム)には、映画ハリーポッターの寮の名前である「グリフィンドール」と呼ばれるチームがある。全員在宅勤務であるこのチームは、結婚や出産などでキャリアが途切れた税務職員で構成されている。

税理士業は小規模で運営されているところが多いため、ITシステムを開発することが容易でなく、比較的デジタル化が遅れているため、在宅勤務が容易ではない業種の一つだった。また、専門性と長年の経験を持つベテラン職員は多いが、出産や育児でキャリアが途切れるケースが多かった。

これに対し、Heumは税務IT研究所であるHeum labsを通じて、税務職員の在宅勤務が可能になるようクラウドや遠隔接続システムなどを開発し、ITベースの業務環境を構築した。顧客とのコミュニケーションはリアルタイムのチャットサービスを活用し、ほとんどの業務は紙の文書ではなく電子文書とデータ基盤で行えるようにした。

独自のITシステムにより、業界では異例の100%在宅勤務のチームを構成したのだ。グリフィンドールというチーム名も、空想のチームを具現化したことからアイデアを得た。グリフィンドールチームが担当する企業顧客のサービス満足度も非常に高く、今後もITベースの勤務環境でメンバーのキャリア中断を最小限に抑え、このような形のチームを増やし続けることを目指している。Heumはこのように、顧客と職員、双方を満足させる税務の生態系環境と、仕事と家庭の両立を支援する文化づくりに努めている。


原文:https://mirakle.mk.co.kr/view.php?sc=51800012&year=2023&no=160129

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