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iPhoneのホーム画面に独自の検索機能が登場…韓国政府は未だにNAVER・Kakaoを規制

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iPhoneのホーム画面に独自の検索機能が登場…韓国政府は未だにNAVER・Kakaoを規制


  • AppleがiPhoneのホーム画面に「Spotlight」を配置
  • Google Chromeの代わりにSafari検索…業界では「独自サービスの構築」と評価


# 30代会社員のAさんは、簡単な検索をする場合iPhoneで行うという。ホーム画面の下部にある「検索」ボタンをタッチして検索語を入力すると、関連するウェブページのリストがすぐに表示されるからだ。実際、ロシアで武装反乱を起こした「エフゲニー・プリゴジン」を検索すると、関連ニュースやブログ記事が「Siriから提案されたウェブサイト」として表示される。関連する検索語も「Siriからの提案」として挙げられる。Aさんはこれについて、「ポータルアプリを開かなくても、ホーム画面ですぐに検索できるのは便利だ」と話す。

これはAppleの「Spotlight」機能のことだ。iPhoneのアプリ・写真・ファイル・連絡先・メッセージだけでなく、ウェブ検索も可能な「便利機能」だが、アクセス性が低く、認知度はゼロに近い。しかし、昨年9月、AppleはiOS16をリリースし、Spotlightをホーム画面下部に再配置した。これについて韓国内外のIT業界では、Appleが独自の検索サービス構築に乗り出したと解釈している。

すでに海外ではAppleをGoolgleの潜在的なライバルとして見ている。Appleは、2018年にGoogle検索およびAIの責任者だったジョン・ジャナンドレア氏をスカウトしたのに続き、Googleの検索エンジニア3人が設立したLaserlike(レーザーライク)を買収するなど、検索能力の確保に取り組んでいるのだ。特に、Laserlike創業者のうち一人であるスリニバサン・ベンカタチャリ氏は、200人余りで構成された検索チームのシニアディレクターとして、SpotlightとSiriの検索提案技術を開発したことで知られている。


「SpotlightがGoogleを模倣」…激化する検索競争

Spotlightで検索語を入力すると、関連するウェブページがSiriからの提案として表示され、関連する検索語も提案してくれる。ユン・ソンニョル大統領のように有名人を検索した場合、SNSとウェブ画像を含む人物情報まで提供される。/画像=iPhoneのキャプチャ画面


Appleは、Spotlightの検索領域をどんどん広げてきた。2021年のiOS15では、Spotlightでウェブ上の画像を検索できるようにしたが、これについてCoywolfの創業者であるジョン・ヘンショウ氏は、「Googleの検索結果をそのまま模倣した」とし「AppleがGoogleのクエリ(検索語入力)を徐々に代替し、Googleの市場シェアと広告収入が減少する可能性がある」と分析した。

Spotlightによる検索時には、Google ChromeではなくApple Safariで検索結果が表示される。Spotlightと類似しているSamsung Galaxyの「Finder(ファインダー)」で検索語を入力すると、「Googleで検索」のボタンが表示され、Chromeにつながるのとは対照的だ。ただし、AppleはまだGoogleを基本検索エンジンとして使っている。IT専門メディアのThe Information(ザ・インフォメーション)は、Appleが独自の検索エンジンをリリースするまで、少なくとも4年以上かかると予想している。

しかし、今後ビッグテックの検索覇権競争がさらに激化するというのが業界の見通しだ。超巨大AIの登場でデータの重要性がさらに高まったからだ。

韓国のIT業界関係者は、「独自の検索エンジンがなくても、AppleはSpotlightを利用してiOSユーザーの検索パターンやSafariの利用記録などのデータを収集することができる」とし「独自の端末とオペレーティングシステムを備えたAppleが、Googleの検索シェアの一部を獲得できれば、生態系の高度化はもちろん、ビジネス的にもより多様な戦略を立てることができるため、検索ビジネスは非常に魅力的な分野だ」と述べた。


米中が自国プラットフォームに力を入れる中、韓国だけがNAVER・Kakaoを規制

画像=MONEYTODAY DB


問題は、Appleも検索市場への進出を打診するほどグローバル競争が激化する中で、韓国政府は「ポータルサイト叩き」のための法案作りに没頭しているという点だ。韓国版デジタル市場法(DMA)と呼ばれる公正取引委員会のオンラインプラットフォーム独占規制が代表的だ。問題発生時のみ制裁する現行法とは異なり、対象企業をあらかじめ決めて義務を課す事前規制方式が有力だが、業界では経営に大きな制約を与えると懸念されている。

韓国インターネット企業協会によると、この他にも17件のオンラインプラットフォーム規制法案が国会で審議されている。米国の場合、中国とのAI覇権競争が激化したため、上下院で審議されていたビッグテック規制6つのうち5つを廃棄し、TikTok・Pinduoduo(ピンドゥオドゥオ)などの中国企業を圧迫している。元々のDMAも、欧州が米国のビッグテックをけん制し、自国プラットフォームを育成するために用意した規制だという点から、韓国だけがグローバルトレンドに逆行しているという指摘が出ている。

韓国インターネット企業協会は、「自国のプラットフォーム企業の力が弱くなると、米中企業がその空白を埋め、国家経済成長率は低下するだろう」とし「今、政府と国会はオンラインプラットフォーム規制を議論する時期ではなく、韓国企業がグローバルビッグテックとして位置づけられるよう、国家が支援できる手段を模索するべき時だ」と強調した。


トップ画像:iPhoneホーム画面の「Spotlight」検索機能/=iPhoneのキャプチャ画面

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023062721034289091

/media/UNICORN FACTORY
記事を書いた人
UNICORN FACTORY

2021年に発足したUNICORN FACTORY(ユニコーンファクトリー)は、MONEY TODAY(マネートゥデイ)が韓国の総合誌で初めてスタートさせたスタートアップ専門のメディアプラットフォームです。 溢れるニュースの中でスタートアップ生態系に必要なニュースだけを厳選し深く伝えます。

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