ニュース

中国「ChatGPTを凌駕」、日・英・仏も参戦 …世界に「超巨大AI」拡大

アイキャッチ
目次

[AIリテラシーを育てよう ④-2] 「AI主権を守ろう」LLM保有国拡大の見通し

[編集者注]前例のないAI技術の発展がわれわれの日常を揺るがしている。社会や経済システム、さらには人類の生活そのものが変わる兆しである。不安と恐怖感も大きい。しかし、AIとの共存は避けられない現実である。結局、AIについて正確に理解し、社会的混乱と不安を減少させる必要がある。ツールとしてのAIを定義し、倫理的な活用法、人間とAIの役割を区別することも急務である。これにより、MONEYTODAYは、国民的AI理解度と活用能力を高める「AIリテラシーを育てよう」年間キャンペーンを開始する。

世界で超巨大AI言語モデル(LLM)を保有している国は、アメリカ・中国・韓国・イギリス・イスラエルの5カ国だ。このうち、商用化サービスを提供しているのは米国・中国・韓国だけだ。しかし、安心するのはまだ早い。超巨大AIに否定的だったヨーロッパも「AI軍拡競争」に積極的に参加しているからだ。

30日、ルモンドによると、フランスのマクロン大統領は先月14日、欧州最大のスタートアップイベント「VIVA TECH(ビバテック)」で、OpenAI(オープンエーアイ)のGPT-4、Google(グーグル)のPaLM(パルム)に匹敵するチャンピオンを作らなければならないと強調した。独自のLLM構築に5億ユーロ(約788億円)を投資することにしたのだ。超巨大AIに消極的だったフランスも、規制にこだわらずAI主権の確保に乗り出したのだ。

マクロン大統領は「フランス語のデータベースを作る必要がある。そうしないと、アングロサクソン(英米圏)の偏見を受け継いだAIモデルを使うことになる」と強調した。AIでフランス語を使うのは主権の問題であり、ソフトパワー(文化的影響力)を示す事例だという説明だ。彼は「最悪のシナリオは、米中より少ない投資をしながら規制から作ることだ」と警告した。

Google子会社のDeepMind(ディープマインド)が、超巨大AI研究を主導していたイギリスも、独自の「Brit(ブリット)GPT」構築に乗り出した。超巨大AIモデルの訓練とエクサスケール規模のスーパーコンピュータの構築に、それぞれ1億ポンド(約183億円)、9億ポンド(約1651億円)を投資する方針だ。これに野党である労働党は100億ポンド(約1兆8300億円)をさらに投資すべきだと主張している。OpenAIがロンドンに初の海外事務所を開設するなど、米国企業の浸透が加速するという危機感からだ。

日本でも超巨大AI時代を迎え、新しい国家戦略を策定すべきだという声が高まっている。昨年4月に与党である自民党が発表した「AI白書」は、「短期間に日本国内の資源だけで競争力のある独自の基盤モデルを開発することは容易ではない」としながらも、「応用研究と共に、基盤モデルに対する基礎技術開発能力を持続的に構築・強化することが重要」とアドバイスした。

イスラエルのスタートアップAI21 Labsも3月、次世代LLM「Jurassic-2」を発表した。2021年のGPT-3よりパラメータ数が多く注目された「Jurassic-1-Jumbo」(1780億個)を高度化したものだ。「 スタートアップの天国」と呼ばれるイスラエルには、AI関連のスタートアップだけ1200社以上あると言われている。これに対し政府は、2021年AI部門に5年間15億ドル(約2166億円)を投資し、エコシステムを育成すると明らかにした。


AI先頭争いは中国、反撃に出る


/사진=대외경제정책연구원/写真=対外経済政策研究院グローバルグローバル超巨大AI市場でGoogleとOpenAIを前面に出した米国の独走体制が続き、中国の反撃にも関心が集まる。(国家別人工知能特許出願比重(Stanford AI Index,2023)


スタンフォード大学人間中心人工知能研究所(HAI))が発刊するAIインデックスレポートによると、2021年世界AI特許の52%が、中国で出願されたためだ。2位の米国は17%に過ぎない。論文の質的レベルを参考にできるAIジャーナルの引用比率も中国30%で、米国(15%)の2倍だ。中国のAI研究力が、米国を追い抜いたという評価が出る理由だ。

このような中、中国最大のポータルサイトである百度(バイドゥ)は最近、官営中国科学報が行った実験で、自社のLLM「Ernie3.5」が、OpenAIのGPT-3.5を上回ったと発表した。一部の中国語機能はGPT-4を上回ったという説明だ。百度は中国版チChatGPTと呼ばれる「文心一言(アーニー・ボット)」もリリースした。その他、Alibaba(アリババ)・Huawei(ファーウェイ)・Tencent(テンセント)・ByteDance(バイトダンス)など、現地のビッグテックが超巨大AI研究に拍車をかけている。

ソフトウェア政策研究所AI政策研究室ボン・ガンホ上級研究院は「韓国のAI技術レベルは、まだ米国や中国、ヨーロッパなどに比べてやや不十分だが脅威のレベルに達した」とし「主要先進国がリードするAI競争局面で確固たる地位を構築するには、国家レベルの投資拡大と新しい法・制度および政策案の発掘、長期的なAI国家戦略の確立などが必要だ」と分析した。


原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023063016031199807

/media/UNICORN FACTORY
記事を書いた人
UNICORN FACTORY

2021年に発足したUNICORN FACTORY(ユニコーンファクトリー)は、MONEY TODAY(マネートゥデイ)が韓国の総合誌で初めてスタートさせたスタートアップ専門のメディアプラットフォームです。 溢れるニュースの中でスタートアップ生態系に必要なニュースだけを厳選し深く伝えます。

  • ホーム
  • ニュース
  • 中国「ChatGPTを凌駕」、日・英・仏も参戦 …世界に「超巨大AI」拡大