家の中で着ない衣類を集めて、代わりに売ってあげるビジネスをすれば、大成功するかもしれないと思ったことはありませんか?
アパートごとに設置されている洋服回収ボックスを見るたびに、または引っ越しの時に溢れんばかりの洋服ボックスを見るたびに、誰かが代わりに売ってくれればいいのにと思いませんか?

これは、誰もが一度は考えたことのあるビジネスアイデアです。軽く100万人は知っているようなビジネスモデルです。Mine is(マインイズ)の創業者であるキム・ヘソンが作った「charan(チャラン)」はそんなありふれたビジネスモデルから始まりました。

Mine isは2022年に創業しました。賑やかなスタートアップ投資バブルが終わる頃です。創業者であるキム氏は当時KTBネットワークの投資審査を担当していました。投資氷河期の始まりを誰よりも知っていた彼は、それでも起業に踏み切りました。スタートアップはアイデアより実行が重要というフレーズが思い浮かびますね。

そして、誰もが考えたことのあるアイデアが実際に現実に通用するのか、仮説検証に入りました。この検証は最も少ないリソースで進められました。仮説検証に入った販売サイトはたった5日間で用意しました。天才エンジニアが「異例のスピード」で成功したのではなく、ただの自営業者のようにCafe24を活用したのです。

「創業は2022年1月、ベンチャーキャピタル市場が冷え込み始めた頃でした。周りから本当にいろいろ言われました。こんなタイミングでなぜ急に起業するのか。それでもやるしかなかったからやったのだと思います。氷河期にスタートし、多くの会社が倒産したのを見ましたし、お金もなかなか集まりませんでした。お金がないから仮説を細かく分けて実験しました。お金がないので規模を大きくできなかったんです。仮説実験をするとき、どうすれば小規模にできるか、すごく悩みました。」

キム代表は「ある種のDNAになった。悪条件から始めたので、より切実になった。後で誰かに尋ねられたら、市場が調子が悪くなったときに始めたことが、私たちの会社にとって一番大きな幸運だったと言うだろう」と話します。

もちろん、Mine isはまだ成功したスタートアップではありません。月700万~1,000万ウォン(約75~110万円)の衣類販売額から始まり、今月は20億ウォン(約2.15億円)程まで上がったといいます。損益分岐点(BEP)は達成できませんでした。累積投資額154億ウォン(約16.7億円)のシリーズAスタートアップです。

本日のレターでは、Mine isのキム・ヘソン代表にお話しを伺っていきます。

Mine is キム・ヘソン代表 /Mine is

1.クローゼットに着ない服がたくさんあるんだけど、誰が代わりに一度に売ってくれないかな。

-Mine isは「charan」というオンラインヴィンテージファッションモールを運営するスタートアップですよね?サービスについて、起業のきっかけを教えてください。

Mine isは2015年に創業しました。

起業時に解決したかった問題は実は簡単です。クローゼットにはたくさんの服があるのですが、Danggeun Market(タングンマーケット、中古品取引ソリューション)や他のショッピングモールで売るのは面倒です。写真も撮らなければならないし、購入者と会わなければならないし、やりとりもしなければならない。みんな売ろう売ろうとして、結局面倒くさくなって捨てたり、誰かにあげてしまうんです。

実際に、自分自身でもそのような経験をいました。起業前、会社生活(KTBネットワークで審査員として勤務)を4年ほどしていました。当時、3回引っ越しをしましたが、仕事をしながら引っ越すのってすごく大変なんです。しかも引越しのたびに新しい服を買って、クローゼットには服が増えていきます。何回か繰り返しているうちに、服が1着か2着ならDanggeunに売れますが、20着、30着は到底できないし、誰かがやってくれればいいのに、そうすればかなり使いこなせそうな気がする、と思いました。

頭の中では『引っ越しの前週に売らなきゃ』と思っていたのですが、忙しくて売れませんでした。結局めんどくさくなって最終日に捨てたり友達にあげたりもしました。

問題を認識し、周りを見渡すと、知人、特に女性はみんな感じています。売りたいけど、Danggeunで20個も売れない。いい服もたくさんあってもったいないけどそのまま捨ててしまおう、と。

この問題を一度解決してみたくなりました。

charanは、出品者の方が申し込むとバックが送られてきます。その袋に衣類を入れて玄関先に置いておけば、charanが回収して代わりに売ってくれて、精算まで済ませてくれます。Danggeun Marketすら面倒な方に代わって、すべての手順をcharanがやってくれる、そんな簡便性に重点を置いたサービスです。

-ペインポイントは、「クローゼットの中にあるいらなくなった服」を捨てずに売ろうということですか?服の寿命延長プロジェクトのような感じでしょうか?

そうですね。創業時の仮説はこんな感じでした。

「誰かにとってはいらなくなった服でも他の誰にとっては買いたいと思うものがあるんじゃないんだろうか。」「これまであったプラットフォームで販売していない人たちのクローゼットにはもう必要ないけど、めんどくさくて売るところまでたどり着かなかった服。そんないい服がたくさんあるのではないか。」「こういう服を求める消費者も多いのではないか。」

そこから最初はごくごく小さなオンライン販売を始めました。少しずつ進化して、今はセカンドハンド(ヴィンテージ、中古品販売)のオンライン百貨店の形で販売しています。

-主に販売している商品は古着ですよね?ハイブランドもあるのでしょうか?価格はどのくらいなのでしょうか?

すべてのブランド品を70%安く、新品同様に購入できます。どれくらい安いかというと、アウトレット価格よりも圧倒的に安いです。

例えば、女性に人気のA社の商品は、新世界百貨店では定価で50万~60万ウォン(約5.5万円~6.5万円)程です。アウトレットでは35万~45万ウォン程(約4.0~5.0万円)で出ています。

それが、charanではほぼ10万ウォン(約1.5万円)台で購入できます。オンラインでブランド品を買うなら、charanが一番安いと思います。それに、利便性も圧倒的です。

2.charanによる古着の寿命延長プロジェクト

-charanのビジネスモデルは数万人は見つけたであろう、よくあるペインポイントですよね。20~30代の女性なら、大抵の人は、引っ越しの時に「誰か代わりに売ってくれないかな」と思ったはずですから。そんなビジネスをなぜ実行できたのでしょうか?

以前、大学在学中に起業したことがあるんです。」(※キム・ヘソン代表は2010~2014年にシカゴ大学経済学部を卒業。2012年、大学在学中にFreenersというスタートアップを立ち上げた経験を持つ。)

その時に実行を早くする方法論を学びました。

当時、解決しようとした問題は「印刷が高すぎる。でも大学生には印刷しないといけないものが多すぎる」というものでした。お金もないのに、印刷に数万円も使わなければいけないのはどうなんだということです。印刷をタダで提供し、その下に小さな広告を入れるのはどうだろうか。学校周辺の商店街から広告をもらって、載せる。そんな事業を始めました。

-印刷スタートアップは失敗? 

結果、長い間やったんですが事業はうまくいきませんでした。しかし、起業は10回打席に立ってバットを振ることであり、そのうち9回はボールが当たることはありません。ですが1回でも打って前に進むことが重要なのではないでしょうか。自分のリソースで10回目の打席に立てるかどうか。そのためには、製品をできるだけ早く作る必要があります。10回失敗することを想定して製品を作らないといけませんから。

アイデアがあるとき、本当に自分が検証したいものを、素早く、そして鋭く掴んで、製品化し、実験する方法、それを最初のビジネスで学びました。事業の結果は失敗に終わりましたが、その方法論をよく分かっていたので、今回もこのような問題があったときに、すぐに実験できるような手段を準備していました。

-「古着販売プラットフォームはうまくいく」という確信は、単なる頭の中の思い込みだったのでしょうか?創業前はどのような準備をしたのでしょうか?

うまくいくという確信もありました。市場に対する圧倒的な信念があったんです。

まず、コマースが成長する方程式をたくさん勉強しました。20年前は学校の周りに文房具屋さんやスーパーがたくさんありました。少し時間が経つとコンビニが出てきて、次に大型コンビニが登場しました。そして、小さなディスカウントマートが、さらにその後大型ディスカウントマートが登場し、2010年初中盤にオンラインマートのcoupang(クーパン)が登場し、すべての市場を制しました。これは約20年間の中で起きた革命です。

チェーンのない文房具店から最大手のオンライン百貨店、オンラインディスカウントマートの登場まで、たったの20年。成長過程を観察しながら、「中古品市場で考えると、今私たちはどこにいるんだろう」と考えていました。中古品市場は今、完全に文房具屋が登場した段階なのです。なぜなら今、ひとりでやっているセラーが、TikTokやオンラインショップで個人として自分が着ていた服を売っているじゃないですか。そしてオンラインではヴィンテージショップが細分化されています。

オフラインでもヴィンテージショップはたくさんありますよね。昔の文房具のそれに似ています。ショップが乱立しているわけです。こう見ると韓国のセカンドハンドは文房具屋登場の時代。一方日本は中古品市場が発達していて、オフラインのセカンドハンドチェーンが勢力を伸ばしています。

未だ文房具屋登場時代に留まっている韓国の中古市場は果たして今後進化するのか?この問いに対しては圧倒的に進化すると思います。時間の問題であり、どう進むかの問題です。人々はセカンドハンドを求め始めるでしょう。進化を遂げたら、最終的なエンドゲームは果たしてどういったものになるのか。coupangのようにオンラインが勝つのです。

結局、私たちはオンライン中古百貨店に早く移行しなければならない。
途中にあるコンビニ、ディスカウントマートなどのオフライン過程はスキップしましょう。オンライン店舗を持てばイノベーションの余地は非常に大きく、大きく飛躍できます。我々で市場を独占できるかもしれないと思いました。

3.セカンドハンド市場はまだ文房具店の段階。coupangのようにセカンドハンド市場の独占も可能だと思う。

-charanを「C2Cセカンドハンドオンラインショッピングモール」というコンセプトで定義するとして、2022年以前に海外に類似のビジネスはなかったのでしょうか?

ありました。アメリカにも上場会社が2社、イギリスにもプレイヤーがいます。もちろん彼らから学びましたが、運用仮説は少し違います。、我々は、いわばcoupangの中古ショッピング版を作るわけですよね。なので、coupangが軌道に乗るまでにどれだけのお金がかかったのか、セカンドハンドはまたどれだけのお金がかかるのかが重要でした。そのため、海外の事例からはアイデア程度しか学びを得られず、実際は自分で実験して解いていかなければならない部分が大きかったです。

まず、coupangとAmazonを比較するため上場レポートを見ました。coupangが上場した時点で、coupangとAmazonの客単価がどれくらい違うのか。

アメリカはの方がはるかに規模が大きいと思っていました。アメリカの中産階級の方が裕福ですし、Eコマースも古い歴史がありますし。ですが、想像していたような圧倒的な差ではなかったんです。30~40%の差でした。アメリカの中産階級が10万ウォン(約1.5万円)使うとき、韓国は7万ウォン(約7,500円)使うけです。もちろんアメリカの方が大きいですが、思ったより韓国の中産階級がEコマースに費やす費用は非常に高い。最初に驚いたポイントでした。

さらに驚いたのは、インフラコストです。オンラインショッピングのインフラコストのうち一番大きいのは人件費と物流費です。coupangとAmazonを比較すると、韓国のインフラコストの方が圧倒的に安いのです。物流がしっかり整備されているおかげで、通常、韓国での送料は3,000ウォン(約350円)程度です。ですがアメリカはAmazonPrimeに入ってない場合送料は20ドル(約3,200円)程度と、かなり高額でした。人件費を比べてみても韓国の方が安かったのです。

そこで仮説が立ちました。同じように3万個売れば、韓国ではもっと早く収益性を上げられるだろう。韓国はコマースを作るのにとても良い国だということです。charanもそうですね。インフラコストが高いアメリカで事業を行ったら、果たして(韓国のように)同じ結果が得られただろうか?ほぼ高い確率で無理だったと思います。はるかに高い客単価とはるかに大きな規模の経済が必要だったでしょう。

-coupangとAmazonの比較で創業の確信を得たんですね。

Amazon、coupangの事例はもちろん、大学時代に多くのケーススタディを経験したのも生きています。証券取引所に勉強する資料があることは知っていたので、仕事をしながら週末に読んでいました。退社する2ヶ月前に法人を設立しました。

-徹底的な分析と確信を持った上での起業、その後は予想通りに進んだのですか?

全く予想通りではなかったです。とても大変でした。なぜなら、リソースが限られているからです。1人で起業したので共同創業者がいなかったんです。エンジニアチームには仕事中に何度も別れを告げ、プロジェクトのリリーススケジュールも大幅に遅れました。

元々、8~9ヶ月以内に正式な製品をリリースしたかったのですが、当然ながら無理でした。起業して1年でベータ版をリリースしたので、4~5ヶ月遅れましたね。それでも前に進めたのは、ビジネス検証の方法論をきちんとやったおかげだと思います。

charanを運営するMine isの社員たち/Mine is

4.BM検証する販売サイトは5日間で作り、他人の在庫でとりあえず売ってみた。

-BM検証、つまり「他人のクローゼットの中の服を買おうとする消費者がいるかどうか」を確認するプロセスですか?

古着を買う人がいないと、売っても意味がないですよね。検証を大きくしっかりしすぎないようにしました。自分で古着を確保して売ればいいのですが、それでは商売がヘビーになりすぎるので、オンラインのヴィンテージショップの商品画像だけを持ってきました。オンラインでヴィンテージショップをやっている人は多いんですよ。

-古着の在庫もない状態で、「消費者がいるのか」を確認したのでしょうか?

画像をざっくりとかき集めれば、2日で在庫があるふりをすることができます。バナーは外注で作り、販売サイトCsfe24で作りました。Cafe24は1~2日で作れます。ウェブサイトでの消費者ニーズ検証は5日間で準備できます。そして、広告を貼ってみたんです。人が入ってくるのか。広告を貼ってみると、人が入ってきて購入し始めます。もちろん、このときから先の見えない無駄な苦労の連続でしたが。

-どんなに検証しても、実際に消費者が購入したら、商品を確保して送る必要がありますよね。赤字でも。

1日に2回、注文明細を見て、注文が来たら元のサイトにアクセスして購入して発送していました。けれど、その間に売れてしまうものもあります。中古は在庫が1つしかないから売れてしまったら手に入らないじゃないですか。いやぁ、大変な状況の連続でした。それでも要点は、「人はこういうものを買う」という仮説を検証できたことです。在庫倉庫なしに、他人の在庫だけでテストをしました。その中で価格施策も変えながら、必要な消費者調査を行いました。

-できたばかりのスタートアップがたった5日間で作ったショッピングモールで、消費者の需要調査まで行ったと? 

はい。広告費として1万ウォン(約1,500円)使い、注文が3万ウォン(約3,500円)分来たら需要があるということです。物流費も計算できますしね。在庫がない状況ですが、価格を変動させながら、消費者のニーズの強さも確認しました。買い手調査もしました。なぜ買うのか?答えは、価格がとても安い、そして、ユニークであるということでした。

-検証はもう一つ、「クローゼットの中の服を売ろうとする一般人セラー候補」はいるのかですよね。

「果たして、人々は私たちにこんな服を渡してもらえるだろうか?」そんな不安を抱えながら聖水洞(ソンスドン)に60坪の工場を一つ借りました。オンラインにブランド服の販売窓口を置いて、購入希望者が呼び込みました。いざそのページにアクセスしたら、『服を売るのって面倒くさいですよね?代わりに売ってあげます、販売金額の70%を差し上げます』という広告を出すようにしました。

-ファッションブランドに敏感な人は当然、クローゼットの中にブランドの服が多いはずなので、この人たちが「代わりに売ってあげる」というメッセージに反応するかどうかを検証したのですね?

実はそんなに洗練されたものでもないんです。ただ、クローゼットの中の服に本当に困っているのであれば、人々は「代わりに売ってあげる」という文言に反応すると思ったんですよ。例えば「代わりに売ります」と言いながら、各バナーごとに手数料を変えてみたりもしました。「代わりに売って、販売金額の70%をあげる」を60%、50%にしたり。といった具合です。反応を検証するのです。60%まで下げても申し込むだろうか?ブランドによっても変えてみたりもしました。

聖水洞に倉庫を置き、夕方には私が直接回収に行きました。回収に行くとき、その方がどのような投稿を見てアクセスしたのか調べてから行きます。この人たちが私たちの手数料をどこまで許容するかを事前に把握しておくのです。そして、その手数料で買われた古着をチェックします。

実際の在庫の衣類が入ったら、また最初にCafe24で作ったオンラインショップに載せて販売しました。ここでようやく本当に在庫のある自社のものを売り始めました。

Balance Hero(バランスヒーロー)のインド現地事務所が入居している建物と現地スタッフとイ・チョルウォン代表 /Balance Hero

5.「核となる仮説を検証して見せたら…シードで51億ウォン(約5.2億円)の資金調達」

-創業は2022年1月、charanローンチは2023年8月です。 その間に「ライトなペインポイント検証作業」があるんですよね?

はい。起業して、アルファテストサービスのために販売サイト「wesell(ウィーセル)」を作りました。Cafe24で作った販売サイトです。ここを運用しながら学んだこと、そのエキスを抽出してcharanを作ったんです。wesellの試行錯誤で、charanは間違いのないサービスになりました。

途中でcharanのクローズドβサービスをオープンしました。だから、2022年4月に「wesell」で検証して、その後11月にcharanクローズドβです。クローズドβは、wesellのお客様をcharanに移す作業でした。最初の100人、1000人のお客様が最も重要なお客様です。完全にアーリーアダプターですからね。この方たちを満足させたら、この方たちが口コミを広めてくれます。

-Mine isは「charan」ローンチ(2023年8月)する前の2023年1月と7月に合計53億6000万ウォン(約5.8億円)のシード投資を受けました。正式な製品もないスタートアップにとって、シードとしては大きな金額です。

確かにかなり大きい金額でした。ただ、その時点で私の仮説はすべて検証されていました。買い手と売り手が存在し、根強い顧客となる。

当時、投資家には「核となる仮説は検証された」と話しました。それを投資家が信じてくれたんです。シード投資家名簿を見ると皆さん驚かれるかもしれません。Goodwater CapitalGoodwater Capital(グッドウォーターキャピタル)、CJ Logistics Corporation(CJ大韓通運)、SM CULTURE PARTNERS(SMカルチャーパートナーズ)、TINVESTMENT(Tインベストメント)、Schmidt(シュミット)、SparkLabs(スパークラボ)、WOORI Venture Partners(ウリベンチャーパートナーズ)他、KRAFTON(クラフトン)キム・チャンハン代表、Radish(ラディッシュ)イ・スンユン前代表、PET FRIENDS(ペットフレンズ)キム・チャンウォン前代表など多数のエンジェル投資家が名を連ねます。

-charanはcoupangやKurly(カーリー)のようなスケールアップはできないでしょう。投資金でマーケティングを行って、赤字を覚悟して規模を大きくする方法は選択肢の1つではないですよね。投資氷河期ですからね。

もちろんそうはしません。収益性とコストの問題です。ただ、中古品ビジネスというのは魅力的ですね。一般的なコマースとは少しBMが違います。実はcharanは委託なんですよ。委託なので、コストをかけずに洋服を確保することができます。原価なしで服を受け取って、売れたら売り手と分け合う仕組みです。服が全部タダで手に入るのが中古品ビジネスの最大の魅力なんです。

coupangでもKurlyでも、結局は仕入れ費用が発生するわけで、ある種の原価がかかるわけですが、charanは違います。もちろん物流費などのコストはかかりますが。事実上、マージン構造が従来のコマースよりも圧倒的に優れています。

-中古衣料品販売のネックである「偽物問題」はどのように解決しましたか?

KOIBITO(コイビト)という本物・偽物を選別してくれる業者と共に解決しています。高価な商品は、KOIBITOを通じて画像で正規品かどうかを確認します。現物でも認証を受けます。KOIBITOでは正規品だと確認できない製品は、そもそも販売しません。charanで販売されるすべての高価な商品については、正規品であるとの証明書を取得した状態で販売しています。

-不況もセカンドハンドの販売には追い風になったんですね。

幸いなことに、サービスはあっという間に大きくなりました。問題を抱えていた売り手の方が、実は韓国にはとても多かったんです。同じように、セカンドハンドで、つまりブランド品を70%安く購入したい人も、多かったんだと思います。ちょうど不況が重なって、景気が悪いと中古品のようなお得なお買い物への需要が高まるじゃないですか。

6.古着委託販売の意外な強み…数千億円単位単位の取引額でも黒字を出せないKurlyとは違う。

-現在のcharanの販売実績はどの程度ですか?

charanの立ち上げ当時、月商は700万~1,000万ウォン(約75~150万円)程度でした。1年7ヶ月経った今月はだいたい20億ウォン(約2.5億円)近く売れました。自分でも随分と早く成長したなと感じています。

-損益分岐点はいつになるのでしょうか。月にどれくらい売れば、可能ですか?

1年半ぐらいで達成しようと思っています。推定の領域が多いのですが、月ベースで今の2倍レベル、35億ウォン(約4億円)から40億ウォン(約4.5億円)程度になれば、BEP(損益分岐点)を超えると見ています。

-coupangとKurlyは数千億円単位がBEPですが、charanは月40億ウォン売ってもBEPを上回りますか?

coupang、Kurlyは数千億単位を売ってもBEPを超えられなかったのに、1,000億ウォン(約150億円)もない規模でBEPをのですから、とても良いことです。もちろん、現実的には試行錯誤のコストというものが確実に存在するでしょうけど。

安定的には今の3倍くらい、60億ウォン(約6.5億円)程あれば可能だと思います。試行錯誤の費用も含めて。1年半、2年後にはそのような規模まで成長できるでしょう。

-現在はレディース服が中心ですが、「中古のオンライン百貨店」を目指しているので、今後はメンズ服や幼児、ラグジュアリーも参入するのですね?

Mine isは今、レディース服と雑貨をやっているんですよ。最終的にはメンズも、キッズ用品もやります。また、今は高級品にはあまり積極的に取り組んでいないのですが、中古の高級品についてももう少し力を入れようと思っています。

charanに来たら、メンズ、レディース、キッズ、NikeからDior、Louis Vuittonまで、すべてのブランド製品を70%安く、新品とほぼ同じ品質で購入できる。そんな韓国最大のオンラインセカンドハンド百貨店を目指していきます。

-既存のハイブランド中古品オンラインショップとの競争に勝てるのでしょうか。

結局はプラットフォームパワーだと思います。マスマーケットがあるじゃないですか。中古マス市場は当社しかいないので、ここで圧倒的な顧客信頼と圧倒的な出品者を確保しています。

例えば、オフラインにも多くのショップがある中で、なぜ人は百貨店に足を運び購入するのか。それは百貨店には何でも揃っているからなんです。ブランド品だけでなく、百貨店の1階、2階、3階には様々なものが売っていますよね。それがプラットフォームパワーだと思います。

ハイブランドショップはそれぞれ独自の色を持って存在していますが、結局は誰もマスを持っていないんです。そういう意味では勝算があるのではないかと思っています。まだまだ勉強しなければならないことがたくさんありますが…

7.市場の調子が悪くなった時に起業したことが、一番大きな幸運

-潜在的な競争相手はC2CのDanggeun Market(タングンマーケット)ですか?Danggeunで売っているいろんなものをcharanが代わりに売ってくれるようになるのでしょうか?

そう捉えることもできますが、見方の違いでしょう。

Danggeun Market(タングンマーケット)とcharanは共存していくと思います。Danggeunを使う人は価値を重視する人です。時間がかかっても、適正な価値を無条件に受け取るという消費者の方がいます。charanのお客様は、通常、時間が重要だと思っている方です。20個アップする時間と手間を考えると、手数料を払ってもcharanに任せるというわけです。

ニーズはどちらにも存在し、明白に二分化されているので、charanとDanggeunはこれからも両方存在しなければならないプラットフォームなんです。

-直接的な競争相手は今のところいないということですね?では、現在越えなければならない壁は何でしょうか?

業者として見ると、実はライバルがいない状態ですが、それよりも本当に競合しているのは、「セカンドハンドに対する世間の偏見」です。セカンドハンドがコストパフォーマンスの良い買い物であり、賢い消費であるという認識の変化をもたらす必要があります。会社のビジョンは、セカンドハンドファッションの普及です。

-セカンドハンドを絶対に買わないという消費者も少なくないですね。

他人の手に渡ったもの、使ったものは使わないという人もいますからね。ですが、charanを見てみると、中古の衣類を買ったことのなかった人がcharanを知って中古品を買うようになったという人もいらっしゃいます。ユーザーの20~25%は、中古を初めて利用するです。

さらに、10人中2.5人くらいは継続的に利用してくださっています。様々な偏見によりこれまで中古品を購入しなかった方が、周りの紹介やプロモーションで初めて体験し、その体験にとても満足し、また継続的に購入されるということです。

-charanは基本的に韓国国内のみですか?海外進出の可能性は?

台湾と日本に進出しようと思っています。なぜなら、中産階級がEコマースに使う金額が大きく、同時にインフラコストが安い国は、アジアでは日本、台湾、韓国です。そのため、運用仮説が似ています。

韓国で良いモデルを作っておけば、日本と台湾の市場が類似している場合、そしてセカンドハンドがまだ発展の初期段階であり、まだ大きくなっていないのであれば、私が入ってすぐに実行できる余地は非常に大きいと思います。

-現在の加入者は何人でしょうか?

70万人程です。サービスが正式にスタートしてから、毎月約33%ずつ着実に成長しています。

-加入者70万人に月販売20億ウォン(約2.5億円)なら少ないのでは?

加入者は70万人ですが、その中に売り手と買い手が混在しているんです。購入者MAUだけを見ると20万人ちょっとです。現在のMAUレベルを見ると、25万~27万くらいでしょう。売り手の方が5万に近いレベルです。

-まだまだ投資氷河期は続いています。氷河期の創業を振り返ると良い点と悪い点は何があったでしょうか。

創業は2022年1月、ベンチャーキャピタル市場が冷え込み始めた頃でした。周りから本当にいろいろ言われました。こんなタイミングでなぜ急に起業するのか。それでもやるしかなかったからやったのだと思います。氷河期にスタートし、多くの会社が倒産したのを見ましたし、お金もなかなか集まりませんでした。お金がないから仮説を細かく分けて実験しました。お金がないので規模を大きくできなかったんです。仮説実験をするとき、どうすれば小規模にできるか、すごく悩みました。

お金があふれるバブル期だったら、直接倉庫を借りて、いちいち在庫を全部確保して、古着の検証を大きな規模で行っていたかもしれません。でもそれではうまくいかなかったかもしれません。

悪条件からのスタートだったのが一種のDNAになっています。むしろ切実になりました。あとで誰かに聞かれたら、市場の調子が悪かったときに始めたことが、うちの会社にとって一番大きな幸運だったと話すと思います。

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