ウェブトゥーン業界の競争構図と聞くと、どんなものを思い描きますか?伝統的な業界競争構図のみを考える中で、世界中で子供たちに愛されるゲーム企業「ROBLOX(ロブロックス)」を競争モデルとするウェブトゥーンプラットフォーム企業があります。固定されたところから果敢に脱け出した回答です。この回答の主人公はまさに今回のリーダーストーリー企業である「Trulight Korea(トゥルライトコリア)」です。
彼らは、コンテンツを通じて様々な国、全年齢層に通用する価値をプレゼントするという抱負を明かしました。刺激的なコンテンツに簡単に接することができる環境の中で「クーリーンウェブトゥーンプラットフォーム」を提供するという目標を設定し、多国籍のチームメンバーと協業しながら、AIベースの自動翻訳および編集システムを通じてグローバルローカライゼーションの専門性を高め、クリエイター中心の公正なエコシステムを構築する企業です。
続くインタビューで、Trulight Koreaのハン・ジョンユン代表が描き出す会社の目標とビジョンについて詳しく見ていこうと思います。
目次
- 1.簡単な自己紹介と起業以前のキャリアを教えてください。
- 2.起業を決意した理由は何ですか?
- 3.会社の主な事業領域とコアサービスを簡単に説明してください。
- 4.会社の目的、ビジョン、ミッションを簡単に教えてください。
- 5.これまで成し遂げた主な成果は何ですか?
- 6.Truelight Koreaが解決しようとしている顧客の主な問題は何でしょうか?
- 7.Truelight Koreaが提供するサービスが提供する主なイノベーションポイントは何ですか?
- 8.サービスの継続的な成長の可能性はどのように保証しているのでしょうか?
- 9.サービスカテゴリの主要な競合他社はどこでしょうか?
- 10.主な目標顧客層は誰ですか?
- 11.市場の規模と成長の可能性をどのように見ていらっしゃいますか?
- 12.会社の競争優位ポイントは何でしょうか、また、どのように維持していく予定ですか?
- 13.会社の収益モデルは何ですか?
- 14.新規顧客誘致戦略としては何があるでしょうか?
- 15.会社の組織文化とチーム構成について教えてください。
- 16.Truelight Koreaもこれまで成長痛を経験したことがありますか?どうやって克服したのかと一緒に話してください。
- 17.Truelight Koreaの3〜5年後はどんな姿だと思いますか?
- 18.初期投資で資金調達する過程で投資家にアピールしたメッセージは何でしょうか?
- 19.追加資金調達をするなら、注力したい分野は?
- インタビューを終えて
1.簡単な自己紹介と起業以前のキャリアを教えてください。
出典:Mark&Company
こんにちは、Trulight Korea代表のハン・ジョンユンです。
大学時代、教授から「10年は働いてこそ専門家になれる」と言われました。その言葉が本当に印象的でした。それ以来、コンテンツ産業で15年以上のキャリアを築いてきました。Kakao Entertainment(カカオエンターテインメント)でDaum(ダウム)ウェブトゥーン映像化事業を担当し、海外戦略チームとしてシンガポールオフィスで勤務した経験があります。この頃「梨泰院クラス」、「ナビレラ」など様々な作品の映像化契約を実現しました。
起業の夢を叶えるため、2018年シンガポールで個人企業として最初の一歩を踏み出しましたが、コロナによりシンガポールでの事業拡大に苦労しました。これをきっかけに韓国に戻り、2020年、Trulight Koreaを設立することになりました。現在は韓国を拠点としていますが、シンガポール法人もそのまま維持しており、東南アジア市場進出の橋頭梁として活用しています。さらに、日本とアルゼンチンに現地事務所を置いてコンテンツのグローバル化に取り組んでいます。
当社は韓国のウェブトゥーンとウェブ小説を全世界に広めることを目指し、翻訳から制作、流通、プラットフォーム開発までコンテンツのあらゆる領域を網羅しています。特に、自社開発したグローバルウェブトゥーンプラットフォーム「pentacomix(ペンタコミックス)」は現在177カ国でスペイン語でサービスされており、引き続き言語圏を拡張しています。
2.起業を決意した理由は何ですか?
毎週日曜日に家族と一緒に見た映画、中学生の時にマンガルームで過ごした時間が自然にコンテンツへの愛情につながりました。私の兄が映画科の教授をしているのですが、同じように私も自然にコンテンツの道を進むことになりました。大学時代には「遊び大魔王」というニックネームをつけられるほど多様な試みと想像を楽しむ性格でした。いつも「どうやれば面白いだろう?」という考えでいっぱいでした。
そのため、大学時代からは次第に韓国の良いコンテンツを海外に紹介したいと考え出しました。徐々に韓国コンテンツが世界的に注目され始めているのを見て、より多くの韓国コンテンツがグローバルの消費者に出会い、幸せを伝えてほしいという夢を膨らませました。その後、Kakao Entertainmentで働く中で、「梨泰院クラス」、「ナビレラ」などのウェブトゥーン映像化作業を行いました。HBOとの共同制作提案も受けました。しかし、大きな組織では意思決定と実行までにかかる時間が長く、もう待つよりも直接飛び込み、夢見ていたことをやってみたいと思うようになりました。
3.会社の主な事業領域とコアサービスを簡単に説明してください。
Truelight Koreaの中核事業は、大きく3つの分野に分けられます。
まずウェブトゥーンローカライゼーション事業です。Truelight Koreaの売上高の最大の部分を占める事業です。人気ウェブトゥーンを8カ国語に翻訳してローカライズし、Kakao(カカオ)、Amazon(アマゾン)、ピッコマ、NAVER(ネイバー)などの多様なグローバルプラットフォームに供給しています。特に、当社は韓国で唯一有名なウェブトゥーンプラットフォームとは別に独立的にローカライズパートナーシップを結んでいます。
他にもIP制作事業を展開しています。現在8本のウェブトゥーンを自社制作しています。このうち4編は小説コンテンツのウェブトゥーン化(ノーベルコミックス)、残り4編は企画から映像、ドラマなどを考慮したオリジナル作品です。
最後に「pentacomix」プラットフォーム事業に注力しています。現在、スペイン語でAndroidとiOSアプリを運営しています。来年はWebサービスを立ち上げる予定です。 「pentacomix」という名前は聖書のペンテコステからインスピレーションを受けており、通訳がなくてもお互いを理解できるという意味を込めています。
来年5月までに韓国語、英語、日本語、スペイン語、中国語などにサービスを拡張する計画であり、自社開発した高性能翻訳システムを通じてChatGPT 4より優れた翻訳品質を提供する予定です。また、作家が直接作品の価格設定と収益モデルを選択できる機能も提供する予定です。
pentacomix – グローバルウェブトゥーンプラットフォーム
4.会社の目的、ビジョン、ミッションを簡単に教えてください。
当社の主な目的は、韓国のクリエイターのコンテンツが言語の障壁にぶつからないようにすること、韓国を越えて世界中の読者と出会うのをサポートすることです。技術とプラットフォームを通じて、作家にはより広いステージを、読者にはより豊かなコンテンツを提供したいと思っています。 「これまで世界になかったグローバルウェブトゥーンプラットフォームを通じて、言語障壁を崩し、韓国コンテンツを世界につなぐこと」が当社のビジョンです。
Truelight Koreaのミッションは「BTS」という3文字にまとめられています。
Be Humble 「謙遜せよ」 :Kakaoを退社する頃、長年知人として過ごしていたある先輩PDから「あなたはとても傲ってるよ」と言われました。柔らかい口調でしたが、私には大きな悟りを与える言葉でした。その時をターニングポイントにして会社がいくら成長しても謙虚な姿勢を失わないよう努力しています。GOWOONSESANG COSMETICS(コウンセサンコスメティック)のイ・ジュホ代表がSebasi(セバシ、韓国版TED)の講演で仰っていた言葉のように「自分にスポットライトを当てると倒れる」ことを常に頭に置いています。
Take Care of the Weak 「弱者をケアする」:内部的なものとしては、メンバーお互いの弱点を補完し、外部的なものとしては作家が言語の障壁なしにグローバル読者に出会うことをサポートしています。2年半の間、1人で会社を運営する中で経験した孤独を通して、一緒に進んで行くことの重要性を悟りました。
Share the Values and Profits 「価値と収益を共有する」:当社が生み出す価値と収益を株主、スタッフ、そして社会と共に共有したいと思っています。実際、昨年までの売上の2%を寄付するなど、社会的価値の実現にも力を入れています。
これらのBTSミッションは、単なるスローガンではなく、当社のDNAとして位置付けられています。今後もこれらの価値を守り、持続可能な成長を続けていきたいと思っています。
Truelight Koreaの企業哲学(出典:Mark&Company)
5.これまで成し遂げた主な成果は何ですか?
Truelight Koreaは2021年の設立以来、着実な成長を見せてきました。設立初年から安定的な売上を達成しました。続く2年間、売上は絶えず成長しました。現在、主要パートナーの買収合併過程により一時的な調整期を経験していますが、Amazonとの協力強化を通じて再び上昇傾向に転換しています。設立初期から収益を出す会社として、健全な財務構造を維持しているという事実を誇りに思っています。
技術的成果としては、ウェブトゥーン業界で翻訳とローカライゼーション分野のトップランナーとしての地位を固めました。特にpentacomixプラットフォームは、3年間で12億ウォン(約1.3億円)の支援を受けて開発され、「俺だけレベルアップな件」など優れた作品を確保することに成功しました。グローバル展開の観点からは、米国、日本、アルゼンチンに進出し、現地の人材を確保しました。特に日本には100%子会社を設立し、4人の現地職員、アルゼンチンでは8人の人材と共に仕事をしています。
今後5年以内の目標としては、600億ウォン(約64.1億円)の売上達成とpentacomixユーザー200万人確保、を設定しました。特に有料加入者比率25%を達成した場合、月50億ウォン(約5.3億円)のサブスク売上が予想されます。他にも現在グローバルトップティアIP会社とキッズウェブトゥーン流通の契約を進めています。5つの言語に翻訳し、世界中の市場に拡大するモデルを用意しています。月額サブスクリプションモデルに基づいており、ウェブトゥーンやオーディオブックなど様々なフォーマットでコンテンツを提供する予定です。
これらの成果は、当社の強みである「良い人が集まっている」という点から始まりました。優しくて暖かいメンバーたちが共に成し遂げた結果だと自負しています。
Truelight Koreaの主な成果(出典:Mark&Company)
6.Truelight Koreaが解決しようとしている顧客の主な問題は何でしょうか?
Truelight Koreaは現在、ウェブトゥーン業界が直面している主な問題を解決しようとしています。一番簡単に思い浮かべられる問題としては、言語の障壁があります。グローバルの読者は優れた韓国ウェブトゥーンに触れたくても言語のために楽しむことができず、作家たちは海外進出を望んでいても高い翻訳費用と時間という壁にぶつかるのです。これを解決するために、当社は自社開発したウェブトゥーン自動翻訳および編集プラットフォームを通じて、迅速かつ効率的な翻訳サービスを提供しています。
次にローカライゼーション過程に非効率性が発生するという点もあります。従来の手作業中心のローカライゼーションでは、品質が均一ではなく、時間とコストが過剰になっていました。当社はAI技術を活用してテキスト翻訳から視覚的な編集まで自動化することで、この問題を解決しています。
たまにクリエイターたちがグローバル進出に限界を感じることもあります。特に、韓国市場がレッドオーシャン化する状況の中で、作家たちは海外進出を望んでいつつも、ネットワークや資源の不足から困難を経験することもあります。これを解決するために「pentacomix」はオープンマーケットの形で運営しており、作家が直接進出国を選択し、読者と出会えるプラットフォームを提供しています。
有害コンテンツの問題も最近話題です。特に、小学校の低学年の子供を持つ保護者たちは、子供が不適切なコンテンツにさらされることを心配しています。当社では、昔の家族が皆で一緒に映画や漫画を楽しんだように、全年齢層が安心して見ることができる「クリーンプラットフォーム」を目指しています。
最後に、市場アクセシビリティ不足の問題を解決したいと考えています。これまで北南米、日本、ヨーロッパなどの海外読者が韓国コンテンツにアクセスできるプラットフォームは制限的なものでしたが、現在「pentacomix」は177カ国でサービスされており、継続的にサービス国を拡大してより多くの読者が韓国コンテンツに容易に接することができるようにしています。
7.Truelight Koreaが提供するサービスが提供する主なイノベーションポイントは何ですか?
当社のプラットフォームは、プロの作家だけでなく、才能のある若いクリエイターも参加できるオープンスペースを提供しています。包括的なクリエイター環境を提供しています。作家さんのお子さん達を含め、絵を描きたい若い人にも、作家として活動する機会を提供しています。
また、多くのプラットフォームが刺激的で選定的なコンテンツでマーケティングを行っているのとは異なり、当社は「クリーンコンテンツ」を通じて社会の温かい面を示したいと思っています。 「応答せよ1988」や「梨泰院クラス」のように感動と暖かみのあるコンテンツを目指しており、現在は13歳以上をメインターゲットとしていますが、今後は7~10歳も見られるコンテンツにまで拡張し、暖かな価値を追求したいと思っています。
長期的には、ユーザーが当社のプラットフォームに費やす費用が意味のあるところに使われることを認識できるようにしています。今後は飢餓問題など、より根本的な社会問題解決にも貢献したいと思っています。単純なエンターテイメントを超えて、消費がすぐに分かれる善循環構造をつくりながら社会的価値を実現したいと考えています。
8.サービスの継続的な成長の可能性はどのように保証しているのでしょうか?
私の個人的なモットーとして、「ダメならできるまでやる」というのがあるのですが、これがそのまま会社の文化として位置づいています。あきらめない根性です。どんな難しい状況が訪れても、諦めない粘りこそスタートアップの成長を導く核心動力だと信じています。
Truelight Koreaの言語、デザイン、ストーリー制作能力も継続的な成長の可能性を裏付けています。ありがたいことに、業界では最高水準と認めて頂いています。グローバルビジネスの基本はコミュニケーション能力だと思います。当社はこの部分に大きな強みを持っています。フロントエンド、iOS関連韓国開発者からパキスタン、ベトナム開発者、アルゼンチン翻訳者など多様な国籍の人材たちと共同作業を行っています。
もちろん業界に争うプレイヤーも多いです。それでも当社は「特殊部隊」や「別動隊」のように機敏に動くという差別点があります。ミスがあってもすぐに補完し、安住せずに絶えず新しい挑戦を試みます。これらの要素に基づいて、Trulight Koreaはグローバルコンテンツ市場で継続的な成長を続けていこうと考えています。
9.サービスカテゴリの主要な競合他社はどこでしょうか?
当社は伝統的なウェブトゥーン業界の競争構図とは異なる方向性を持っています。Trulite Koreaが真の競争モデルとしているのは、「Roblox」のように子供たちが自然に滞在したいプラットフォームです。ウェブトゥーンサービスをキッズエリアまで拡張しながら、どうすれば子どもたちが自発的に訪れて楽しく滞在できる空間を作れるか深く悩んでいます。
当社の最大の特徴は、年齢を超えたコンテンツを提供することです。例として私の事例を申し上げます。5年生の息子が好きな漫画エッセイ「JOGUMAN(ジョグマン)存在」は「私たちはちいさな存在だ。小さいけれど、それは重要ではないということではない」というメッセージで始まります。300万年の間、地球の端で生きてきたブラキオサウルスのキャラクターを通して日常の中の奥深いストーリーを聞くことができます。夫婦喧嘩をした日、息子が「お母さんがつらいときに読んでほしいな」と渡してくれたこの本から私は大きな慰めを得ました。
このように良いコンテンツは年齢を超え、普遍的な感動を与えることができるというのが当社の核心哲学です。おとぎ話や漫画も教訓をくれますが、子供たちは結局大人も共感できるコンテンツを通じてより大きな感動と成長を経験します。この点で、両親の信頼を得ることが重要だと考えています。
小学校1、2年生の子どもを持つ多くの保護者が、既存のウェブトゥーンプラットフォームで不適切なコンテンツにさらされることを懸念しています。当社はこのような悩みを解決し、保護者が安心してお子様に勧めることができるプラットフォームを作りたいと思っています。Truelight Koreaは、単なるウェブトゥーンプラットフォームではなく、前世代が一緒に交わる文化空間として認識されることを目指しています。

Truelight Koreaの主な事業分野
10.主な目標顧客層は誰ですか?
Truelight Koreaの目標顧客層は大きく3つのグループに分けられます。まずウェブトゥーン作家、ウェブ小説作家などコンテンツ制作者です。グローバル進出を望んでいるのに、言語とローカライゼーションの問題に苦しんでいるクリエイターに、自動翻訳と編集プラットフォームを通じて効率的な解決策を提供します。
逆に北南米、ヨーロッパ、日本など世界各国のグローバル読者の方々も当社の目標顧客層です。韓国コンテンツに関心のある方に成人向けコンテンツや有害コンテンツが排除された「クリーンプラットフォーム」を提供することで、全年齢層、特に家族単位の読者が安心して利用できるように支援しています。最後に、海外ウェブトゥーンプラットフォーム、OTTサービスなどグローバルコンテンツパートナー会社も当社の顧客層です。AIベースのローカライズ技術とグローバルネットワークを活用して、効率的なコンテンツ流通と協力機会を提供できるよう努めています。
11.市場の規模と成長の可能性をどのように見ていらっしゃいますか?
世界のウェブトゥーン市場は毎年36.8%という驚くべき成長率を見せています。さらに、2030年までに80兆ウォン(約8.5兆円)規模に成長すると見込まれます。現在、日本が4.5兆ウォン(約4800億円)で最大の市場を形成しており、韓国と米国、中国(1.5兆ウォン(約1600億円))などを含め、市場全体で約9兆ウォン(約960億円)規模と予測されています。
ウェブトゥーンの成長可能性は二次著作物への拡張性とK-POPファンダムとの類似性、大きく2つの側面で確認されます。まず「梨泰院クラス」、「社内お見合い」、「女神降臨」など多くのウェブトゥーンがドラマ化され成功を収め、西洋圏ではむしろドラマに先に接した後、原作ウェブトゥーンを探して目にすることが多いです。二次著作物としての拡張性が十分に証明されたわけです。ここでウェブトゥーンとウェブ小説消費者の消費行動がK-POPファンと似たパターンを見せるという点を考慮すると、強力なファンダムと購買力につながる大きな潜在力を保有したと判断できます。
12.会社の競争優位ポイントは何でしょうか、また、どのように維持していく予定ですか?
Truelight Koreaは、AI技術ベースのウェブトゥーン自動翻訳および編集プラットフォームという独自の技術を持っています。翻訳、編集、配布のプロセスは自動化によって行われます。これにより、時間と費用を大幅に節約できます。今後も継続的なR&D投資とグローバルAI企業との協力を通じて、この技術的優位をさらに強化していく計画です。
また、英語、スペイン語、ドイツ語、日本語など多様な言語でコンテンツをローカライズできるチームと技術を保有しています。アルゼンチンや日本など、現地拠点を通じて地域のオーダーメイドコンテンツを制作しており、現地専門家チームを追加的に強化して競争力をさらに拡大する予定です。最後に、当社はクリエイターとの公正な契約と収益配分構造を通じて信頼関係を構築しています。会社の核心価値「BTS(謙虚、弱者をケアする、価値と収益の共有)」を継続的に思い出し、公正で透明なプラットフォームとしての持続性を着実に掲げていく予定です。
13.会社の収益モデルは何ですか?
当社の中核的な売上は、韓国語のコンテンツをさまざまな言語に翻訳してローカライズすることで起こります。作業する物量に比例して売上が発生する仕組みです。予測が可能で安定した収益です。また、プラットフォーム「pentacomix」を通じても収益が発生しています。サブスクリプション料とコンテンツ販売を通じて収益を生み出しています。 現在は初期段階ですが、プラットフォーム言語の拡張とともに徐々に売上も増加すると期待しています。
他にもウェブトゥーン制作からドラマ制作まで進めており、様々なコンテンツ制作を通じて収益を創出しています。現在、孤児院自立青少年の物語を扱うNAVERウェブトゥーン「家族のようなXX」のドラマプロジェクトも進行しています。
14.新規顧客誘致戦略としては何があるでしょうか?
顧客タイプに合わせて多角的に接近しています。新規クリエイターを誘致するために初期費用負担なく作品を制作して流通する機会を提供しています。クリエイターコンテストとメンタリングプログラムを通じて、新しい人材を発掘します。グローバル読者を誘致するために、現地のトレンドに合ったコンテンツキュレーションや読者参加型イベントも行っています。
さらに、グローバルパートナーを引き付けるために、AIベースのウェブトゥーン翻訳および編集プラットフォームの技術力を基に、グローバルOTTとウェブトゥーンプラットフォームとの協力を拡大しています。各地域の現地パートナーと協力して、ローカルコンテンツの制作と流通を強化しています。
panta comixのクリエイター用画面
15.会社の組織文化とチーム構成について教えてください。
Truelight Koreaの組織構成を見ると、海外事業チームとデザインチームが最大の割合を占めています。特に海外事業チームには、英語、フランス語、日本語、中国語など2~3ヶ国語が可能なスタッフが配置され、グローバル事業が円滑に進められています。デザインチームはウェブトゥーンからプラットフォーム、グッズ、印刷物、マーケットブースまで様々な領域のデザインを担当しています。プラットフォーム事業チームは、韓国人員と世界でスペイン語を2番目に多く使用する地域である南米地域のスタッフが共にグローバルサービスを運営しています。
このようにTrulight Koreaには、日本、フランス、マレーシア、パラグアイ、アルゼンチン、アメリカ、ベトナム、パキスタンなど多様な国籍のスタッフが共にしているため、多国籍文化を目指しています。時代から続いた英語名の使用などを通じてグローバルなコミュニケーション文化を作っています。また、働いているお母さんへのフレンドリーな政策を通じて子育てと仕事を並行できる環境を提供します。IT業界でも見づらい特別な強みを提供するだけに、家族に優しい雰囲気を作り出しています。
他にも誕生日有給休暇制度や年末クロージング(クリスマスから年末まで年次とは別に休暇提供)など一緒にしてくれるスタッフの生活の質を高めるために様々な制度を運営しています。これらの多様性と包括性、従業員中心の文化に基づいて、企業が継続的に成長できるように努めています。
16.Truelight Koreaもこれまで成長痛を経験したことがありますか?どうやって克服したのかと一緒に話してください。
設立初期から顧客の方々から愛されていた私たちも危機を迎えたことがあります。特に2023年に経験したエピソードが一番記憶に残ります。 ネイバーウェブトゥーンのスペイン語ローカライズ入札に参加しましたが、当社のチームの実力は認められましたが、価格条件で脱落しました。しかし運命のようにまさにその日、韓国コンテンツ振興院で「漫画海外プラットフォーム」事業公告を発見しました。一晩事業計画書を作成して提出し、これが今のペンタコミックスを始めるきっかけとなりました。このような経験により、危機を機会に変えることがでようになりました。
現在、当社は2回目の挑戦的な瞬間を迎えています。投資環境が難しい状況ですが、私たちはこれを新たな機会にしたいと思っています。韓国市場はレッドオーシャンと呼ばれていますが、当社はキッズから全年齢が楽しめる漫画の無限の可能性を信じており、これを証明していきたいと思っています。このような挑戦と克服の経験は、当社にとってより大きな成長の足場となり、今後どんな危機が来てもこれを機会に転換できるという自信の源となりました。
17.Truelight Koreaの3〜5年後はどんな姿だと思いますか?
2つの観点から見ることになります。現在、会社が難しい状況でも3.5年間一緒にやってきたチームメンバーがいます。彼らと共に今後も世界を変えていく旅を続けたいと思っています。私たちが夢見る「クリーンコンテンツ」を通じて、より良い世界を作っていく過程を今の仲間たちが共にできるのなら、それが最大の成功の姿になるでしょう。人と価値の両面で。
ビジネス面では、昨年20億ウォン(約2.1億円)の売上から5年で600億ウォン(約64.1億円)達成という目標を立てました。業界VCの方々も認めていただいたように、30倍の成長が可能な可能性を持つ会社だと信じています。 「クリーンコンテンツ」という差別化されたポジショニングにより、この目標は十分に達成可能だと思っています。全体的に、当社の目標は単なる数字の成長としてのみ規定していません。長期的にはチームメンバーたちと共に成長しながら意味のあるコンテンツを通じて世界に肯定的な影響を与えることを望んでいます。
18.初期投資で資金調達する過程で投資家にアピールしたメッセージは何でしょうか?
グローバル市場での明確な成長の可能性をアピールしました。グローバルウェブトゥーン市場が年平均10%以上の成長率を見せている中で、2023年50億ドルから2030年100億ドル以上に拡大すると見込まれました。当社はスペイン語圏をはじめ、すでに北南米18カ国でpentacomixプラットフォームを成功裏に運営しており、達成した実績を提示しました。
さらに、AIベースのウェブトゥーンの自動翻訳および編集プラットフォームは、コンテンツのローカライゼーションの過程で時間とコストを50%以上削減することを強調しました。これをもとにクリエイター中心の公正な収益配分構造を通じてクリエイターにはより多くの機会を提供し、利用者には全年齢層が楽しめる「クリーンプラットフォーム」として位置づけ、コンテンツエコシステムを構築するという目標を伝えました。
出典:Mark&Company
19.追加資金調達をするなら、注力したい分野は?
現在ウェブトゥーン IPを直接制作しています。追加資金調達が叶えば、毎年10個以上の新規IPを開発し、これを映画、ドラマ、ミュージカルなど多様なフォーマットに拡張したいと考えています。特にグローバル読者の好みを反映したトレンディなIP企画に注力する計画です。さらに、現在スペイン語でサービスされているpentacomixを日本語、英語、韓国語などに拡大したいです。全世界50カ国以上でサービスしたいと思っています。 iOSとWebプラットフォームのローンチを通じてユーザーのアクセシビリティを高め、OTTプラットフォームとの連携も推進する計画です。
マーケティングや収益化戦略にも力を入れたいです。特に「クリーンプラットフォーム」という差別化されたポジショニングを強化し、広告と購読モデルを最適化し、最終的に年間ユーザー1,000万人以上を確保することに注力したいと思います。B2B技術販売を通じて新しい収益源も発掘します。さらに投資することで、Trulight Koreaはグローバルコンテンツ市場でより強力な立場を築くことができると期待しています。
インタビューを終えて
Truelight Koreaのハン・ジョンユン代表とのインタビューは、韓国のコンテンツへの真心と愛情が感じられる時間でした。コンテンツを通じて単に楽しさを伝えることにとどまらず、全年齢層が共有できる価値を見つめる様子からTrulight Koreaの未来が明確に描かれていました。彼らの企業哲学BTS(Be Humble、Take Care of the Weak、Share Values)の下、グローバルコンテンツ市場で意味のある変化が実現されることを願って、Trulight Koreaの歩みを心から応援します。
原文:https://www.innoforest.co.kr/report/NS00000344
革新の森:https://www.innoforest.co.kr/
マークアンドカンパニー:https://markncompany.co.kr/
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