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【対談】「韓国企業の面接、ここ見ています。」

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「韓国企業の面接、ここ見ています。」

韓国現地に居住しながらスタートアップで働く、Spoon Radioのジャパンカントリーマネージャー川村絵美香さんDanggeun Market Inc.で日本事業を担当する佐々木祐衣さんの対談企画です!2回に渡ってお届けしていきます。

第1弾の「韓国語×社内コミュニケーション」では、実際のビジネスの場で使われている韓国語や、コミュニケーションにまつわる会社での実体験について共有していただきました!詳しい記事はこちら(【対談】韓国スタートアップの「韓国語×社内コミュニケーション」

第2弾は、「韓国就職」、「韓国企業の面接」についてです。実際に韓国企業で採用にも携わっているお二人のお話なので、これから韓国で就職を考えている方、日韓の面接の違いを知りたい方は必見です!!


韓国企業の面接、何が見られている?

えみか:まず、基本的なところでは「韓国企業ならどこでもいいのか」、「うちで働きたいのか」があいまいな方が結構いるのでうちで働きたい理由をめちゃくちゃ聞いています。「韓国に関われたらいい」という趣旨の内容や、これはうちにも言えるけど他の企業にも言えるよねという理由を話す方は結構いますね。その中でもなんでうちかという部分を明確に話せる方は入社後も活躍している方が多いです。

ゆうい:そうですね。私は、「積極的に話せるか」というところを特に見ていますね。日本人は韓国人に比べると控え目なところがあるじゃないですか。韓国人の輪に入ったときに積極的に意見を言えるのかを見たいです。同調する人じゃなくて発言できる人なのか、ですね。

私が実際に韓国企業の面接で聞かれたことですが、面接官に「韓国人は、(意見が)はっきりしていると思いますが、それでも反対意見を出せますか?」とストレートに聞かれました。

私がインターンの方も含めて、面接でよく聞くのは「あなたは集団の中で聞き手ですか、話し手ですか」ですね。仮の状況を説明して、「こういうシチュエーションで、どうやって反対意見出しますか?」は必ず聞いてますね。

えみか:その質問で見分けるポイントってどんな感じなんですか?

ゆうい:一緒に働くのが難しいのかなと思うのは「皆の意見を尊重したいので、合わせます」という趣旨の話が一番に出てきた場合ですね。スタートアップという変化の早い環境かつ、韓国人と働くとなると厳しいなという印象を持ちます。外国語で意見を発さなければならないので度胸と、積極性がないと会話ができないと思いますね。

えみか:私の会社は、日本法人と韓国法人が分かれて働いているので、日韓をつないでオンラインで業務をすることが多いのですが、「オンラインでどう協業できるのか」や、「離れている人とコミュニケーションをしながら仕事ができるか」も聞いてますね。


TOPIKは何級が必要?

えみか:私自身が韓国で入社したときはTOPIK4級レベルだったので、こんなこと言うのもちょっと気が引けますが…。まず、韓国本社での採用は韓国語必須ですね。日本採用の場合は、業務にもよりますが、韓国本社メンバーとやりとりが多いポジションはTOPIK6級や、韓国語である程度のビジネス会話ができる方を求めています。日本のユーザーさんと向き合っていて、本社との連絡は他の方がカバーできるというポジションの場合は一切見ていない場合もあります。

ゆうい:私の会社もポジションによって求めるレベルは様々ですが、日本国内での正社員採用の場合は、これまでの経歴を重視しており、韓国語能力を問わない場合が多いですが、インターンの場合、翻訳業務がメインとなり、韓国メンバーとの意思疎通が必要なので語学能力も採用基準として見ています。

ただ、韓国語初級で入社した場合、本人が一番つらいと思います。社内でのSlackなども韓国語ですし、他のチームと協業するときに韓国語ができたほうがいいというのは間違いないですね。

採用時にTOPIKが何級かを確認しているかについて、えみかさんとも話題になったことありましたよね!語学だけが必要な要素ではないものの「TOPIK何級か、やはり見てしまうよね」という話をしました。条件として必須でない場合もあるんですが、韓国企業なので、一つの大事な要素として見ています。


就活実体験@韓国

えみか:翻訳、通訳などの語学の専門的な仕事をしないのであれば、正直語学はツールでしかないと思っています。私の場合は、これまで日本でやってきた韓国語以外のことが、そのまま韓国でも通用するのかということを考えていました。私は日本でIT業界で働いていたので、韓国のIT業界でも通用するのかなといった感じで自然と業界が決まりました。

ゆうい:私は韓国語を使って働くというよりは、日本語を活用した仕事で、日本語ネイティブを必要としているところで就職しようと思っていました。一社目は日系企業に入社しましたが、そこでは日本語ができれば誰でもできる業務で、日本語ができる韓国人もできる業務でした。やりがいを感じられず、私が居る必要はないと思ったんです。

その中で見つけたのが現在の会社です。業務内容が「韓国のアプリを一から日本語翻訳すること」や、「日本のマーケットリサーチ業務」だったので、日本語ネイティブかつ日本で生まれ育った自分だからこそできる仕事で、韓国人の中でも活躍できるのではないかと思ったのがきっかけです。実際に入社してみて、かなりやりがいを感じています。

えみか:その視点は本当に大切ですね!日本語ができる韓国人の方はたくさんいるんですけど、日本に住んでいた経験はあまりなくて、文化的なことは分からないという場合も結構あります。すると、業務上でも、日本において良いのか悪いのかという判断ができなかったり、ずれが生じたりするんです。そういう意味では日本語ネイティブだからこそできることはやりがいにもなるし、活躍できるポイントだなと思いますね。

ゆうい:私たちが当たり前に思っていることでも知らないことっていっぱいあるんですよね。軽く話した内容でもすごい興味を持ってくれたり、関心されたりすることが多いので、社内で意識的に日本のことを発信していかなければと思いますね。


韓国就職、準備できることは?

ゆうい:私は用意周到なタイプではなかったんですけど、準備期間があるのならば、先ほども話した通りTOPIK6級はあった方が有利になると思います。

えみか:私は入社したとき6級を取っていなくて苦労したタイプなので、間違いないと思います!

ゆうい:面接に関しては、日本と韓国で聞かれることが違う気がします。就職準備を始めた当初は、韓国の「面接質問集」を買いました。やっぱり日本と違う部分が多くて、一つひとつ答えを考えて面接練習したことは役に立ちましたね。

えみか:それいいですね!たとえばどんな違いがありますか?

ゆうい:求められている回答が違うのかなと思います。たとえば志望動機を聞かれた際、日本の新卒の就活に多いパターンかもしれないですが、会社の企業理念や方針と、自分のビジョンがどう合っているかという趣旨の回答することってあると思うんですけど、韓国は一貫して「今あなたができることは何か」を聞かれることが多いですね。「何をしてきて、この会社に入ったら何をしてくれるのか」を求める質問が多いなと感じます。

えみか:シンプルに即戦力になるかを見ていますよね!

ゆうい:スタートアップだからと思われがちですが、非スタートアップの韓国企業でも同様の趣旨の質問が多かったです。

えみか:他に日本と差があるのは「ポートフォリオ」ですね。文系の方でもしっかり作ってる印象があります。インターンの経験や、自分ができること、やってきたことをかなりきれいに整理してくる方が多いですね。当時私は作っていなかったんですが、面接で言葉が出てこなくても、見せられるものがあるといいのかなと思うので準備してみてもいいかもしれません。

ゆうい:そうですね!日本の一般的な履歴書よりは、PPTなどできれいに作成してあるとやはり「お!」って目に留まります。また、服装も大きな違いかなと。日本ではリクルートスーツで髪の毛もピシッと整えるという場合が多いですが、スタートアップだと私服で髪の毛も縛らずに面接にきても、私服での証明写真も全然OKです!ラフな社風の場合、固すぎる服装や証明写真だと逆に合わないかなと思われてしまうかもしれません。


最後に∼韓国就職を目指す方へ∼

ゆうい:韓国語については、初期段階で「発音をしっかり学ぶこと」をおすすめします!私の実体験ですが、大学時代の韓国語の先生がとても発音に厳しくて、「書けなくてもいいから発音の仕方を覚えて」と言われていました。「最終的に韓国人が聞き取れるかはあなたの発音次第だから」と。それが今すごく助かっています。一度覚えた発音をを修正するのはかなり難しいので…。

また、「積極性」は本当に大事です。日本にいた頃の自分のままでは、韓国で表現が足りず伝わらないという場面が結構あります。韓国の積極的な文化を理解して、日本での習慣を意識的に変えて、積極的な姿勢を持ったり、自分を表現することを意識してみてください。

えみか:私は自分の得意な分野で戦うことをおすすめしたいですね。韓国にいると韓国語はツールとなり武器にならなくなります。正確な韓国語が必要な場面では韓国人にチェックをしてもらうことができるので、自分が輝けるところで戦うという意識は大事だと思います。例えば日本人の感覚で日本のSNS事情を理解しているなどは絶対に勝てる部分です。就職活動をするときも、韓国人を募集しているポジションよりは日本担当や、日本進出を予定している会社の方が有利になると思います。

それから「とにかく行動すること」ですね。韓国は行動したもの勝ちの文化があるので、自分で自分の限界を決めたり、控えめだとなかなか自分のチャンスは回ってこないのかなと思います。いきなり韓国に行けなくても、今できることをまずやってみてください。韓国語で履歴書や、ポートフォリオ作ってみたり、日本にいながら働けるところを探すことだったり、今できることが絶対にあると思います!



▼第1弾「韓国語×社内コミュニケーション」


【対談】韓国スタートアップの「韓国語×社内コミュニケーション」|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

韓国現地に居住しながらスタートアップで働く、Spoon Radioのジャパンカントリーマネージャー川村絵美香さん、Danggeun Market Inc.で日本事業を担当する佐々木祐衣さんの対談企画です!2回に渡ってお届けしていきます。 韓国就職を希望する方や、韓国のスタートアップが気になっている方、必見の内容になっています! 第1弾は「韓国語×社内コミュニケーション」です。現地韓国で働くお二人の「韓国語」にまつわるお話、そして「社内でのコミュニケーションここが難しい…!」をざっくばらんにお話していただきました!

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▼インタビュー


韓国ITスタートアップ企業で働く日本人‐Spoon Radioジャパンカントリーマネージャー川村絵美香さん|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

早稲田大学社会科学部卒業。2014年ヤフー株式会社に新卒で入社。アプリ運営や新規事業の立ち上げに携わった後、留学のため渡韓。渡韓中の2018年にSpoon Radio Inc.に日本人第一号社員として入社。Spoon日本サービスの立ち上げから携わり、現在はSpoon Radio ジャパンカントリーマネージャーを務める。

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韓国・ユニコーン企業で働く日本人「近所の人と“安心安全に”中古取引を」|Danggeun Market Inc. グローバルプロダクトチーム 佐々木祐衣さん|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

現在、勤務している「Danggeun Market Inc. 」は韓国のスタートアップで、韓国国内で初めて地域コミュニティのオン·オフライン連結を実現した「ハイパーローカル(hyperlocal、地域密着)」企業です。 グローバルサービスとして世界の主要都市で「地域と人をつなぐコミュニティ」サービスを提供しており、現代社会で過疎化しつつある”ご近所さんとのつながり”をオンライン化し、活性化させることを目標としています。

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▼連載記事

📢現在連載中


【Vol.1】韓国ユニコーン企業で働くとは?|韓国在住ユウイの韓国ユニコーンの話|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

Danggeun Market Inc.で日本事業担当として働くユウイと申します。 本日から連載をさせていただくことになりました。 連載記事では、韓国スタートアップで働くということ、日本事業担当者の仕事内容などについてお伝えしていきたいと思っています。 これから韓国語を勉強するという方や、韓国企業での就職を目指しているという方にもお役に立てるような内容を発信していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします!

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過去の連載記事はこちら


#1 韓国スタートアップで働くとは|韓国在住エミカの韓国スタートアップレポート|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

#1 韓国スタートアップで働くとははじめまして。韓国のITスタートアップで働くエミカです。日本の大企業に通う社会人の生活を飛び出し、韓国で生...

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【01】カントリーマネージャーって何をしているの?| 韓国在住エミカの「ちょっとまじめな」韓国スタートアップの話|韓国のIT&スタートアップ業界専門メディア「KORIT」

私は今、Spoonという音声配信アプリを運営している韓国のITスタートアップでジャパンカントリーマネージャーというポジションで働いています。一言でカンマネと言っても会社によってその定義は様々だと思うので、「こんなパターンもあるんだな〜」と参考程度に読んでいただければ幸いです。

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/media/KORIT編集部
記事を書いた人
KORIT編集部

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