韓国・科学技術情報通信部(省)のリュ・ジェミョン第2次官が、政府の人工知能(AI)政策の方向性と国際競争の構図を説明し、「AIはもはや選択ではなく、国家生存の問題だ」と強調した。「AI G3跳躍」を主導する政府の組織改編作業も、国家AI戦略委員会の発足や省庁内のAI政策室の新設など、仕上げの段階に入った。

リュ次官は18日、韓国プレスセンターで開かれた北東アジア共同体ICTフォーラム(ソク・ホイク会長)の朝餐懇談会で「国家AI戦略委員会に10 の省庁長官と34人の民間委員が参加したほか、分科委員会も構成し、ようやく枠組みができた」とし、「国家AI戦略委員会の支援団長は室長級(1級)が担う予定だ」と話した。

副総理級の省庁に格総上げする科学技術情報通信部もAI総括省庁の役割を担うため、細かな職制作業を進めている。リュ次官は「省庁内にAI政策室を新設し、総括・調整業務を担う予定だ」とし、「科学技術副総理業務を補佐するための直属組織として、科学技術・AI政策協力官を置くことにした」と説明した。

科学技術・AI政策協力官は関連する政策分野の省庁と韓国内外の協力を総括する役割を担う。科学技術AI長官会議の実務支援任務も遂行する予定だ。

リュ次官は「AIと関連して政府内に室長級2つと局長級2つの職位が新たに生じる非常に大規模な組織体系の変化だ」とし、「陣営が整ったので、国家的AX大転換にスピード感を持って積極的に進めていく」と強調した。

18日、ソウル中区の韓国プレスセンターで開かれた北東アジア共同体ICTフォーラム朝餐懇談会の参加者が記念写真を撮影している。

政府は「AI 3大強国」跳躍のためのAI高速道路の構築とコア人材の確保、次世代技術の開発を政策課題に掲げた。特にグラフィック処理装置(GPU)の確保を国家的課題とした。

リュ次官は「韓国のGPU保有量は2万枚レベルに過ぎないが、Meta(メタ)は35万枚以上を有している」とし、「5万枚を5年以内に追加確保することにしたが、競争スピードに比べると非常に不足している。少なくとも20万枚を持ってこそ、韓国企業と研究者らが十分に活用できるだろう」と強調した。

その上で、「DeepSeek(ディープシーク)が低コストAIの新たな可能性を見せたが、依然としてコンピューティング資源が多いほど有利なスケーリング法則が有効だ」と付け加えた。コア人材の確保問題についても「韓国のAI分野の人材力は世界的に相当なレベルと評価されているが、GPUを十分に使えない制約のため、研究分野で日の目を見ることができない」と述べた。

リュ次官は、AI技術の主導権確保のためのグローバルAI覇権競争が、さらに大きくなっていると強調した。実際、米国は同盟国を中心にAIフルスタック主導権を強化しており、中国はAI行動計画の施行指針を通じてAI応用分野と基礎力をリードするための具体的な青写真を描いている。イギリスも技術依存から脱皮するためのソブリンAI専担組織(ユニット)を新設した。

最後に、リュ次官は「産業から国防・安全保障まで全ての領域にAIが活用されている状況で、ビックテック技術にのみ依存すれば、国家の生存が危うくなる」とし、「AXもファンデーションモデルなしに、バーティカル分野でのみ勝負するというのは理屈に合わない。AI技術の自立・内在化の努力を並行することが重要だ」と強調した。

<画像=第93回東北アジア共同体ICTフォーラム朝餐(ちょうさん)懇談会が18日、ソウル中区の韓国プレスセンターで開かれた。科学技術情報通信部のリュ・ジェミョン第2次官が「新政権のAI政策方向」をテーマに発表している。>

原文:https://www.etnews.com/20250918000218