ファソン、ヨンイン、ピョンテクを結ぶ首都圏南部産業ベルトの核心、トンタン産業団地。今月3日、同団地内にあるSyswin Robotics(シスウィンロボティクス)を訪れると、ロボットをテストする社員たちが忙しく動き回っていた。

Syswin Roboticsは自律走行ロボット(AMR)を製造する企業だ。2004年に設立され、従業員は100人余りと、一見小さな「中小」企業に見えるが、一歩踏み込んでみると内実の伴った「強小」企業であることが分かる。

「AMR メイド・イン・コリア」

AMRは「Autonomous Mobile Robot」の略で、自ら周囲を認識して移動するロボットのことだ。あらかじめ決められた経路やパターンではなく、カメラやセンサー、アルゴリズムなどを通じて自ら最適な経路を見つけて移動する。

AMRは搬送・物流分野で需要が爆発的に増えている。宅配便のように急増する物量に対し、人手を減らせる効果的な手段として注目されているためだ。

市場調査会社のGlobalMarketStatistics(グローバルマーケットスタティスティクス)によると、世界のAMR市場は2026年に約39億8,500万ドル(約6,312億円)規模から、2035年には398億ドル(約6兆3,069億円)へと10倍以上の成長が見込まれる。

実際にAmazonやクーパンなどがAMRを大々的に導入しており、AMRは急速な拡散スピードを見せている。

Syswin RoboticsはAMR市場では珍しい韓国内企業だ。中国や米国企業が強いAMR分野で、Syswinは半導体・ディスプレイからバイオまで先端産業現場に特化した製品を供給し、独自の領域を開拓している。

フロア間を移動して荷物を運ぶロボットをケムトロニクスとLGイノテックに、ディスプレイパネル搬送用AMRをサムスンディスプレイに供給したのを皮切りに、サムスン電子の半導体部門、KCC、Hyundai Mobis、Samsung BioLogicsなどへ供給先を拡大した。

ロボットの種類も、単純な搬送からリフト、搭乗型、自律走行塗装など複合機能を備えた製品へと進化・発展している。

核心は「内製化」と「オーダーメイド」

Syswin Roboticsがロボットの供給を始めたのは5年前の2021年からだ。スタートが早かったわけではないが、韓国内の大手企業に供給できたのは、20年余り半導体工場の自動化事業を手がけて蓄積した技術とノウハウのおかげだ。Syswinは製造現場が必要とする組み込みシステムや制御ソフトウェア、ファームウェアなどを製作・供給してきた。

同社関係者は「韓国内でハードウェアを設計・製作し、ソフトウェアはもちろん設置や保守までトータルソリューションを提供している点がアピールできたようだ」とした上で、「製造工場はそれぞれ異なるためカスタマイズが不可欠だが、これに対応できるのは韓国内でSyswinだけだ」と語った。

社内に若い社員が目立ったのは、自律走行の核心となるソフトウェア技術まで自社で開発しているためだった。Syswin Roboticsはソフトウェア専門性の強化のため、Syswin Mobility(シスウィンモビリティ)という別法人も設立した。自律走行ロボットの核心は自ら最適な経路を見つけ出すことにあり、ソフトウェア専門家なしにロボットに知能を持たせることは不可能だからだ。

ユ・ワノク代表は「ソフトウェア専門の子会社を作り、大企業やIT専門企業に劣らない待遇を整えた」とした上で、「それがSyswinの核心的な競争力だ」と述べた。

Syswin Robotics社員が産業用ロボットに搭載される部品をスクリーニングしている。

フィジカルAI先導国への貢献

現在に至るまで順風満帆だったわけではない。浮き沈みがあり、特に優秀な人材の流出は痛手だった。ユ代表は「大企業による人材の引き抜きだったが、二度と繰り返さないという思いで、その後業界最高水準まで労働環境を再編した」と語った。

Syswin Roboticsに関心が集まっているのは、AI(人工知能)と結びついて加速するAMR市場で重要な役割を担うと見込まれるためだ。現在、韓国内の家庭や産業現場には中国産ロボットが押し寄せている。家庭にはロボット掃除機が、産業界には搬送・溶接・協働ロボットが導入されつつある。

経済メディアの中国経済網によると、今年第1四半期に中国企業は148カ国を対象にロボットを輸出し、113億元を売り上げた。特に清掃用ロボットの輸出は78億元で全体の輸出の68.5%を占め、産業用ロボットの輸出は42%増の32億元に達した。

ロボットは物理的AI、すなわちフィジカルAIを実現する核心であるためその重要性は増しており、最終的には国家戦略産業とも結びついているため韓国内エコシステムの構築が重要だが、韓国はその基盤が脆弱だ。Syswin Roboticsのような企業の役割が重要である理由はここにある。

ユ・ワノク代表は「AMR事業を基盤に、製造工場を無人化する『ダークファクトリー』を作ることが目標だ」とし、「韓国の製造競争力を高めながら、韓国がフィジカルAIの先導国になることに貢献したい」と語った。

Syswin Robotics ユ・ワノク代表

原文:https://www.etnews.com/20260814000219