個人情報管理SaaS「CATCHSECU」で九州の製造業を狙うO.NE PEOPLE

O.NE PEOPLE のチョ・アヨン代表は、日本の個人情報保護市場でCATCHSECUが解決できる課題を確認している。個人情報管理業務を自動化するSaaS「CATCHSECU」を紹介すると、日本企業から繰り返し聞かれる質問がある。

「こうしたソリューションが必要なのは分かるが、まだ大きな問題が起きたり罰金を科された事例も見たことがないのに、お金をかけてまで導入する必要があるのか」、と。

創業初期の韓国市場でも似たような質問を多く受けてきました。ですが、規制が強化され、実際の管理負担が大きくなるにつれ市場の認識も徐々に変わっていきました

O.NE PEOPLEは2018年3月に設立された個人情報保護専門企業だ。チョ代表は創業前、情報セキュリティや個人情報保護に関する企業で働きながら、企業が規制を遵守する方式の非効率性を目にしたという。多額の費用をかけて外部コンサルティングを受けても、点検のために用意された一回限りのもので終わってしまい、プロジェクトが終わればまた手作業による管理に戻る構造だったというのだ。

CATCHSECUは、こういったプロセスをシステムに置き換えたサービス型ソフトウェア(SaaS)だ。同社によると、コマースプラットフォーム、フィンテック、公共機関など2,500社以上が利用しており、ソリューション売り上げは年平均75%程度のペースで成長してきた。ISMS-P、CSAPなど韓国内の情報保護認証と、ISO国際標準認証4種も取得している。

製品は個人情報の収集から破棄までの全過程を管理する。規制要件に合った収集フォームと同意書を自動で作成し、定められた保管期間が過ぎるとデータを破棄し、アクセス記録を管理する。大多数の企業がエクセルと手作業で処理していた業務だ。

「私たちのサービスは、個人情報を収集するフォームを作成すると同意書が自動で生成され、自動で破棄されます。これが一つのサイクルです。顧客企業の方々がこれを毎日利用していると考えていただければ良いです」

絶えず変わり続ける規制にどう対応するのか。社内の個人情報保護チームが立法予告の段階から改正内容を監視し、施行日に合わせて変更事項を反映するというのが同代表の説明だ。

日本を選んだ根拠も規制環境にある。同社によると、日本は改正個人情報保護法(APPI)の施行により、企業の管理責任と違反時の制裁が大きく強化された。一方で実際の現場では外部コンサルティングや手作業に依存する企業も少なくなく、規制対応を日常的な業務プロセスの中で管理しようとする需要が大きくなり得ると見た。チョ代表は最近の展示会で、こうした変化の兆しを実感していると話した。

「以前はサービスの説明を聞いて関心を示す程度だったのが、最近は実際の自社事例をもとに『こういう場合、ソリューションでどう予防・対応できるのか?』と具体的に質問してくださる方が増えました。市場の意識が変わってきていると感じています」

日本企業が実際に導入を検討するきっかけとして、チョ代表は専門人材の不足を挙げた。

「韓国でも日本でも、この分野の専門家は不足しているのに規制は強化され続けています。ですが、それに対応できる人がいない。さらに、実際に必要になったタイミングから人材を育成して、対応するには膨大な時間がかかります。すでに出来上がっていて他の企業で使われているソリューションであれば、導入を検討しようという需要があると見ています」

営業方式も現地市場に合わせている。チョ代表は、日本のB2B市場では直接営業だけでアプローチするより、現地のチャネルパートナーを通じた導入構造が重要だと説明した。企業ごとにソリューションの検討・導入プロセスが異なるため、現地で顧客との接点を持つパートナーの役割が大きいというのだ。O.NE PEOPLEも最近、パートナーシップを基盤にした営業体制の構築を始め、展示会を回りながら協力会社を増やしている。

同社は2025年半ばから日本市場を本格的に開拓し始め、製品のローカライズという課題にも向き合ってきた。日本進出当初、CATCHSECUはGDPRを基盤に設計されているため、日本でも既存製品をそのまま適用できると判断していた。しかし、日本企業とPoCを進める中で、実際には法規対応と同水準で既存の業務フローを維持することが重要だという点を確認した。

「現地企業とPoCを進めてみると、既存の業務画面やプロセスを維持しながら個人情報保護機能を強化したいという要求がはっきりしていました。製品の機能だけでなく、実際の業務フローに合わせるローカライズが重要だということを確認しました。」

この要求は新製品の開発につながった。顧客が使ってきた画面やフォーマットはそのままにして、バックエンドで個人情報の流れだけを追跡・制御するエンジンだ。同社によると、8月中に最小機能製品(MVP)をリリース、9月頃に基本的な販売形態を整えるのが目標だ。チョ代表は「規模の大きい企業ほど、フロント領域はまったく変えずにバックエンドのセキュリティ管理が強化される方向を望んでいる」とし、「現地市場に行ったからこそ知ることができた」と話した。

福岡を選んだ理由は九州の製造業基盤にある。同社によると、九州は自動車、半導体、食品・流通など製造業が密集した地域であり、製造業は部品供給会社や流通会社など外部の受託会社とのデータのやり取りが多いため、同意書や受託会社の管理を自動化しようとする需要が大きい。O.NE PEOPLEの日本拠点は東京にあるながらも、九州に力を入れる理由について、日本事業を担当するナム・ジョンヒョ理事は以下のように説明した。

「九州地方には製造業を行う会社が多く集まっており、製造分野で私どものソリューションに対する需要があることを確認できました。スタートアップ支援政策にも多くの予算が投じられているところも一つの理由です。また、地域内で十分な規模の企業市場が形成されており、九州地方の企業だけを対象にしても意味のある事業機会があると見ています。」

日本での短期目標は新エンジンの検証だ。まずは現地企業3社を対象にPoCを進めることが目標である。これとは別に、グローバルクラウドマーケットプレイスへの登録を通じて現地企業が既存のクラウドクレジットや現地通貨で決済できるようにし、年内に有料顧客企業も増やしていく計画だ。

「今開発しているものについて、3社程度でPoCをやってみようというのが直近の目標です。3社程に利用いただければ、その後の展開についての感触も得られると思います。私たちがべったり張り付いて何かをしなくても、パートナーのエンジニアたちが対応できるプロセスを整えるということです。そうなればジョイントベンチャーや次のステップが可能になるものと考えています。」

<画像=チョ・アヨンO.NE PEOPLE代表。ONE PEOPLEは個人情報管理SaaS「CATCHSECU」で、九州製造業市場を攻略している。©O.NE PEOPLE>

原文:https://platum.kr/archives/292902