毎年世界中の農作物10個のうち最大3個が捨てられています。単に綺麗ではないという理由で。

形の悪い農産物であっても、いざ直接食べれば、一般農産物と比べて味と鮮度に遜色はありません。

慶尚南道河洞(キョンサンナムドドン)で生まれ育ち、農業に親しんでいたCABBAGE(キャベッジ)のチェ・ヒョンジュ代表は、収穫、流通の段階でこんなにも多くの農産物を捨てなければならないという事実に大きな衝撃を受けました。単に農業だけの問題ではなく、サプライヤーと消費者、環境まで誰もが損をしている非合理的な構造に問題意識を感じました。そうして、Uglyus(アグリーアス)とCABBAGEチームが誕生したのです。

現在CABBAGEは定期配送サービスだけでなく、オンデマンド方式の「singsingmarket(シンシンマーケット)」を運営しており、顧客の多様なニーズを満たしています。ただ、形の悪い農産物を買って売るのを超え、今後はより一層健やかな生産が行われることを、余すことなく消費するグローリーマーケットの夢を描くCABBAGEチームにお会いしました。

続くインタビューでチェ・ヒョンジュ代表と共にCABBAGEチームとUglyusについて深く話し合います。

目次

1.簡単な自己紹介と起業以前のキャリアをご説明ください。

チェ・ヒョンジュ代表/CABBAGE

こんにちは、CABBAGEの代表チェ・ヒョンジュです。現在、環境にやさしい農産物定期配送サービス「Uglyus」を運営しています。私が大学で政治外交学を専攻していました。社会に役立つことをしたいという気持ちは常にありました。私の行動によって、社会やコミュニティが正しい方向に進むことができるような影響を与えたいと思っていました。そんな決意をもとに、最初は公企業に入社しました。しかし、働く中でも、満たされない感じがあり、ずっと惜しい気持ちがありました。

そうして、最初の起業に挑戦することにしました。 普段問題意識を持っていた分野でクリエイターたちが自分の作品を広報し、売ることができる「クリエイターマーケットプレイス」を作りました。本当に一生懸命取り組みましたが、最終的には需要を作ることができず、畳むことになりました。今振り返ってみると、その時間が今の事業を導くのに重要な経験となりました。Zero to one の過程で市場をどのように定義し発掘すべきか、どうすれば持続可能なビジネスを作れるかを、骨身にしみて、吸収し、学びました。
 

その後は他のスタートアップで2年間PMとして、働き経験を積みました。10人もいないチームがAラウンドを経て成長していく過程を共に経験しました。そんな経験を総合して、2021年にCABBAGEを創業することになりました。環境にやさしい形の悪い農産物の価値を再発見し、持続可能な農業エコシステムを作っていく「Uglyus」を始めることになりました。

2.起業を決意した理由は何ですか?

最初から農産物流通にバックグラウンドがあったわけではありません。偶然「形の悪い農産物」の廃棄問題を知ったのですが、この問題は思ったよりはるかに深刻でした。世界的に全体の農産物生産量の10~30%が、単に形がきれいではないという理由で捨てられていました。


まず私の背景をお話しするのですが、私は「慶尚南道河東(キョンサンナムドハドン)」という農村で育ち、私にとって農業は馴染みのある分野でした。そのため、収穫 – 流通段階でこのように多くの農産物が捨てられるという事実には、大きな衝撃を受けました。単に農業だけの問題ではありません。農家は販売する場所がなくて損をし、消費者はむしろ高い値段を出さなければならなくなるのです。そして、環境的にも膨大な資源が無駄になるという悪循環が続いていました。
 

誰もが損害を受けるこの構造があまりにも合理的ではないと感じました。そのため、直接農家に電話もかけ、オープンマーケットでできなかった形の悪い農産物がどのように流通しているのかを調べ、消費もしてみました。このような農産物を体系的に集めて販売する市場自体がほとんどない状況だといいます。この問題を自分が解決できるという確信が生じたときに本格的に起業を行いました。

3.起業初期の経験談を教えてほしいです。

本当に小さな実験から始めました。直接自分で形の悪い農産物を購入して使ってみると、消費者にどんな不便さがあるのか把握しました。それから面白い点を見つけました。人々は価格が安いものを欲しがってはいるのですが、大量にまとめて販売される方式のため、購入を躊躇していました。いざ食べてみると一般農産物と味や鮮度はほぼ同じなんです。

これをもとに少量包装された「訳アリ農産物ランダムボックス」を企画しました。玉ねぎ、無し、トマトのように適量で構成されたボックスに料理レシピまで入れました。まるでミールキットのように楽しめるようにしたのです。もちろん農家を説得するのは本当に簡単ではありませんでした。4~5ヶ月の間、一人で全国の農家を訪ねながら、一人一人会って話を交わしました。少しずつ事業モデルを整えていきました。

そうしているうちに、本当に予想外のことが起こりました。コミュニティで自発的に口コミが出始めたんです。週に数十個売れていたのが、突然1日に1,000件以上の注文が入ってきました。嬉しかった一方、怖さも本当にありました。注文を処理するインフラがまったくなかったのです。しかし、この時、顧客の反応と注文、再注文が入ってくるのを見ながら「あ、自分は今この事業を変えることができるんだ!」という気がしました。

4.会社のコアサービスを簡単に説明してください。

まず、最も代表的なサービスは「訳アリ農産物の定期配送」です。周期を1週間から3週間の間で選択すれば、毎回7~10種の季節の訳アリ農産物を少量ずつお送りします。定期配送はお客様のライフスタイルに応じて2つのテーマでご用意しています。料理に使いやすい野菜で構成された「おうちごはんボックス」とすぐに食べられる生野菜中心の「サラダボックス」があります。各テーマに合ったレシピも一緒に提供しています。

2つ目に「singsingmarket」をサービスしています。定期配送と違い、欲しい訳アリ農産物を、欲しい時に自由に購入できるオンデマンド方式のサービスです。全国各地の農家から出てくる様々な旬の農産物に出会うことができます。


当社は単に農産物を売ることに留まりません。訳アリ農産物に対する認識を改善していきます。環境にやさしい農産物消費の価値をより多くの方々と分かち合うために、様々なストーリーやコンテンツも一緒に作っています。消費者が当社の農産物や環境にもっと親しみやすくなるようにサポートしています。

訳アリ農産物を消費者とつなぐ定期配送サービス

5.会社名とサービス名が独特です。会社名をCABBAGE、そしてサービス名をUglyusにしたきっかけが気になります。

社名、そしてサービス名には特別な意味が込められています。まずサービス名である「Uglyus」は「ぶさいくたち(Ugly us)」という形の悪い農産物を可愛く指す意味を持ちながら「傷ついている地球(Ugly Earth)」という重義的な意味を込めています。環境を汚染するシステムと文化を変えるというブランドの中核的なミッションを込めているのです。


法人名の「CABBAGE(キャベジ)」は、初期サービスを立ち上げた後、チームみんなで考えてつけた名前です。当時、農産物を配送しながら、いくつかの試行錯誤を経験していました。キャベツは配送事故が全くありませんでした。硬くてよく傷つかない特性のためです。それで私たちもキャベツのようにしっかりした、信頼できる会社になるという意味を込めて「CABBAGE」という名前を選びました。心配をかけることなく、黙々と持続可能な成長を続ける会社になろう、と。

6.CABBAGEのミッションとビジョンは何でしょうか?

実のところ、当社が夢見ているのは「訳アリ農産物」という言葉自体が必要ない状況です。味と栄養に問題がないにも関わらず、見た目が美しくないからと捨てられる農産物がなくなることを願っています。農産物の「自然さ」がそのまま受け入れられることを願っているのです。その点で、当社のミッションは「人と環境のためのより健康的な生産、そして余りない消費の実現」です。

ビジョンは「Next Generation No.1 Grocery Brand」です。当社はCABBAGEとUglyusを単に「訳アリ農産物」だけを集めて安く売る会社にならないようにしよう。訳アリ野菜が無駄なく流通されるよう、より本質的なシステム改善を目指しています。そのためには、当社が作る流通構造に特別な価値を感じる消費者と安定した需要が必須です。この需要は既存のオンラインスーパーチャネルに不便さを感じていた30代の1人、2人世帯から始めて拡大していく予定です。

最終的に今後の世代には、環境にやさしい消費が最も自然な日常になることを願っています。それがUglyusが考える未来であり、ビジョンです。

7.これまでCABBAGEが成し遂げた主な成果は何ですか?

最も際立っているのは起業3年で成し遂げた成長です。累積購読者10万人を突破し、累積売上は240億ウォン(約25.3億円)を記録しました。その中でも当社が最も誇りに思っているのは87%以上の再購入率です。単に外形的な成長だけではなく、消費者の満足に基づいて質的な成長をしたということを意味しているので。
 

また、当社が誇りに思っているのは、協力農家が500カ所以上に増えたということです。農家から農産物を調達する過程を「救出」と呼んでいます。当初は販路のない訳アリ農産物だけを別に集める方式でしたが、現在はA級とB級を区別せずに余すことなく新鮮な農産物を提供する、供給してもらう方式に発展しました。
 

生産者の方々から感謝のメッセージをよく頂きます。生産だけに集中でき、また選別作業と流通コストを削減し、より多くの所得を手に入れることができてありがたい、おかげで農業を続ける力が沸く、と。これが最大の成果です。こういうメッセージを頂く時が一番嬉しく、使命感が強くなる瞬間です。 

8.CABBAGEが解決しようとしている主な顧客の問題は何でしょうか?

Uglyusの主な客層は30代1人~2人世帯です。当社全体の顧客の50%以上を占めるほどのコア顧客層であり、ファン層です。彼らの生活について見てみると、出前市場が大きくなっている一方、健康的な食事をしたいというニーズも増えています。住宅ローン、低速老化、スイッチオン、デトックスなど、食事のトレンドが多様になりました。野菜をたくさん食べるのが健康に良いということは誰もが知っています。そうしたいと思っています。

しかし、現実的には難しいことが多いですよね。まず野菜を1つ1つ選んで買うのも面倒です。今何を食べなければならないのか、何が旬なのか、値段が安いかもよく分からないですし。買うにしても毎回似たような野菜だけ買うことになり、一度買うと量が多すぎて結局捨てることになります。テンジャンチゲを食べたい時に、玉ねぎを一袋買わなければならない。当社はこの問題を解決しています。まず、一度で消費できる量を梱包した超少量パッケージを提供しています。気軽に様々な野菜を購入できるのです。

2つ目に「おうちごはんボックス」や「サラダボックス」のようなテーマ別キュレーションボックスを提供しています。時期ごとに何を食べるべきなのか、という悩みを減らします。新しい野菜にも触れることができ、高い満足度を記録しています。また、気を配っていることの1つが、保管法やレシピなど実用的なコンテンツです。まだ家事に慣れていない30代の少人数世帯に合わせたコンテンツとサービスを提供します。救出した農産物が家庭でも捨てられないようにしているのです。

9.既存のサービスのどんな欠点が企業の動機になったのでしょうか。

これまでも訳アリ農産物を販売しようという試みはありました。農業をしている方がオープンマーケットで直接販売することもあります。共販場でB級品として取引されたりもしました。しかし、このような方法には明らかに限界がありました。
 

最大の問題は消費者の信頼度でした。品質が一定ではなく、説明も足りていなかったため、消費者の立場からすると果たしてこの農産物を信頼して、買うことができるのか悩まざるを得ませんでした。しかも訳アリ農産物は自然物です。市場の基準から生まれた相対的な概念なので、供給量を約束することができませんでした。体系的な管理や消費者向けのカスタマイズされたサービスを、見つけるのは難しいのが実情でした。

何よりも訳アリ農産物は価格が安すぎたため、生産者の立場からすると「むしろ廃棄する方がマシ」という判断をせざるを得ませんでした。このような背景をもとに、当社は低価格だけを打ち出す従来の方法では問題を解決することができないと見ました。消費者には、品質が保障された農産物を信頼して購入できる仕組みが、サプライヤーには継続的に供給できる価格構造が、市場形成において最も重要だと考えました。

このため生産される方々と生産段階から共に悩みました。どのような基準で農産物を選別するか、どうすれば消費者の満足と信頼を得ることができるかを深く悩みました。そのため、Uglyusだけの独自の品質基準を作成しました。供給を持続できる合理的な基準と価格ラインも作りました。サプライヤーは「売るほうがいい」という選択をし、消費者は常に信頼して買うことができる持続可能な供給-消費構造を作ること。これが既存のサービスとの最大の差であり、市場を作る上で最も重要なポイントでした。

10.サービスの継続的な成長の可能性はどのように保証しているのでしょうか?

正直に言えば、私は持続的な成長を100%まで保障することはできないと思います。世界は急速に変わっていっているじゃないですか。しかし、1つ確信していることがあります。顧客中心のサービスを作ることが成長の核心だということです。 「顧客の問題にどれだけ深く注力し、さらに執着するのか」が成長の鍵だと信じています。

今、当社が最も力を入れている部分は「パーソナライゼーション」です。1人、2人の少人数世帯の暮らしを見てみると、生計を維持し、生活して、と忙しいです。しかし、運動も頑張って、健康的な食べ物を食べたいという欲求は常にあります。こういう方々が時間とエネルギーの無駄なく購入、管理できるようにするのです。

一例を挙げてみますね。料理はしないけれど、野菜は食べたいというお客様のためにサラダボックスカスタムキュレーションを提供しています。  「マイ冷蔵庫」サービスを通じて各自の配送品目の保管法とレシピを提供します。受け取るお客様別に野菜の賞味期限をチェックして「きゅうりが2日しか残っていないので早くお召し上がりください!」ナッジスタイルのアラームをお送りします。カスタムショッピングを行い、効率的に消費できるようにサポートしています。
 

11.サービスカテゴリの主要な競合他社は誰ですか?

特に特定のサービスを競合他社として見てはいません。もちろん、同じ市場で見るとcoupang(クーパン)、Market Kurly(マーケット・カーリー)などのオンラインコマースプラットフォームはありますが、当社とは進む方向が異なっています。従来のオンラインコマースの多くは、数万個に及ぶような、できるだけ多くのアイテムを掲載しておき、顧客が直接アイテムを検索して選べるようにする方法をとっています。

Uglyusは数十の季節の野菜や食材で事前にキュレーションを行っています。毎週受ける「何を買うか?」というストレス、それから解放されるのです。顧客に合わせて選択肢を提案するので、その中でより楽しく買い物をすることができます。どんな料理をすればいいのかレシピも一緒にお届けしています。
 

価格形成構造も異なります。現在、当社は環境にやさしい農産物を中心に流通しています。本来有機農産物は供給量も少なく価格も高いのですが、Uglyusでは最大30%まで安く購入できます。当社だけの流通基準で中間流通プロセスなしに、直接取引を通じて直接包装/流通しています。環境にやさしい農産物以外にもアイテムを拡大し、より多くの顧客が価格の恩恵を受けることができます。

結局のところ、当社は単に多くの品目を売ろうとしているのではありません。顧客がより簡単で楽しく健康的な食生活を続けることができるよう、より積極的に支援できるサービスを目指しています。毎回電話しておかずを送り、レシピを教えてくれる親のように。

Uglyusが提供する主なサービス機能

12.主な目標顧客層は誰ですか?

当社の主な目標顧客層は30対1人または2人の世帯です。特に30代前半のお客様が多いですね。特にこの年齢層をターゲットにした理由があります。まず料理経験の多い主婦層は野菜の活用に慣れています。しかし、1人暮らしを始めたばかりの方は違います。どんな野菜を買うべきか、どのように調理するべきなのか、分からないのです。当社はまさにこのような方が野菜により簡単で楽しく触れることができるようにサポートしたいと考えています。

多くの方々が当社を「訳アリ農産物を販売するエコブランド」と考えています。しかし、それよりも大きな目標があります。それがまさに、顧客が自然に健康な食生活を続けることができるようにサポートすること、です。通常、環境にやさしいブランドからは「環境のためには不快感を耐えなければならない」というメッセージを感じます。当社は違います。むしろ、より便利で合理的な方法で持続可能な消費を実践するのをサポートしています。

最初は主に環境に関心のある方が使用してくださっていました。しかし、現在は「野菜をもう少し食べなければならない」と思う方々が自然にアクセスしてこられます。このような変化を見て方向性に確信が沸きました。

13.会社の競争優位ポイントは何でしょうか、また、どのように維持する計画ですか?

当社のコア競争力は大きく分けて3つです。繊細なパーソナライゼーションサービス、コンテンツ競争力、そして運用能力。当社は、農産物の購入から消費まで、全過程を管理できるパーソナライゼーションサービスを目指しています。ユーザーの「食経験」はかなり長い呼吸で行われます。すべてのプロセスに集中して問題を解決するチームは、当社が唯一です。

コンテンツの競争力も保有しました。当社は単に商品を販売するだけではありません。 「なぜこの野菜が訳アリになったのか?」、「どのように保管すれば長く新鮮に保てるか?」、「どんな料理をすればいいのか?」こうした有用な情報を一緒に提供します。このようなコンテンツが積み重なることで、顧客がUglyusをより信頼でき、利用することに価値を感じます。最後に運用能力は欠かせません。農家から始まる選別から包装、配送まで体系的なシステムを備えています。当社だけの基準で新鮮な農産物を選んで最適な状態で出荷しています。

このサービスが進入障壁が低いように見える見方もありますが絶対そうではありません。当社をベンチマークした類似サービスが4~5つほどありましたが、結局皆撤収しました。なぜなら、この事業はウェブでは単純に見えますが、運営部分には数多くの管理ポイントがあります。農家との協力、物流運営ノウハウ、消費者経験管理がすべて有機的によく噛みあっていなければなりません。

14.会社の収益モデルは何ですか?

当社の収益モデルの中核はD2C(Direct-to-Consumer)方式です。農家から直接農産物を買い取り、当社が独自に梱包して販売しています。中間流通段階を減らし、リーズナブルな価格で新鮮な農産物を提供できるのが利点です。

主な収益は定期購読サービスから出ています。顧客が1週間から3週間の期間を選ぶと、それに合わせて訳アリ農産物を配送する方法です。好きな品目や嫌いな品目も設定でき、パーソナライズされています。おかげで、再購入率87%に上るほど高い顧客満足度を記録しています。

もちろん、すべての人が定期購読を望んでいるわけではありません。料理を頻繁にしなかったり、野菜の消費が不規則な方は「私がうまく活用できるか?」と悩まれている場合が多いです。そのためレシピベースのショッピングサービスも始めました。これは「今日何を作って食べよう?」という悩みを解決してくれるサービスです。まずレシピを推薦し、その料理に必要な農産物を一度に詰めて注文できるサービスです。定期配送負担はなく、必要なときにのみ快適にご利用いただけます。

15.新規顧客誘致戦略としては何があるでしょうか?

これまでは主にオンライン広告に集中していましたが、今ではインフルエンサーチャンネルやオフラインにも領域を広げようとしています。特に当社の主要顧客層である30~40代の会社員が消費するポッドキャストやYouTubeなどを通じてUglyusを広報しようと試みています。

昨年からはブランドコラボレーションも広がっています。まず、オフラインレストランとのコラボレーションも行いました。デザートコースという新しい試みをするシェフの方とコラボして、訳アリ農産物で特別なコースを作り、訳アリ農産物のストーリーを知らせる時間が創りました。これにより、ブランド価値を広めることができました。このように単にオンライン広告にとどまらず、顧客が直接Uglyusの製品やブランドを体験する様々な機会を作ろうとしています。直接見て、触って、味わいながら。

Uglyusの顧客がアクセスするサービス画面

16.会社の組織文化とチーム構成について教えてください。

現在CABBAGEは24人のチームメンバーで動いています。製品、マーケティング、ソーシング、顧客体験(CX)、物流チームに分かれていますが、単に各自の領域だけにとどまりません。私たちは「ワンチーム」という概念で一緒に仕事しています。開発者がマーケティングの意見を出したり、物流チームがソーシング提案をしたりしています。それぞれの役割を超えて、より良い顧客体験のために共に悩んでいくのが自然な形ですよね。

一度やってみようというのが当社のモットーです。顧客からのフィードバックから生まれたアイデアがあれば、在庫を検討するよりも、迅速に小さな実験をしてみるタイプですね。そうして反応が良ければ、さらに分析してサーチして発展させます。こうした素早い実行力が今の成長を生み出したと感じます。

最後に卓越性を追求する文化です。 「これくらいでいい」ではなく、顧客が真に満足できるか絶えず考えています。毎月OKRレビューも行っています。「Good to Greatセッション」を通じてお互いのフィードバックもシェアしています。顧客懇談会や経験セミナーを開き、直接顧客の意見も聞いています。現在の市場では、少しの違いが差を生み出すので、さまざまな視点を持つチームメンバーが新しい試みをたくさん行うことで、初めて優位性が生まれると思っています。

17.起業チームの主要メンバーについて簡単に紹介してください。

当社もいつのまにか法人設立4年目を迎えました。初年度に合流した最初の12人のメンバーのうち10人が依然としてCABBAGEで働いてくれています。起業メンバー全員を含めて。私にとってとても大切なメンバーです。このように初期メンバーが長く一緒働けているのは、単なる雇用を超え、当社のサービスのビジョンとミッションに対する心からの共感があるためです。 「私たちは本当に変えてみよう」 結然とした意志で頭を突き合わせ、肩を組んでいます。

当社はこの市場を本当に変えることができると信じています。顧客がUglyusのアプリをつけて、ショッピング、管理するのが自然な日常になるでしょう。環境にやさしい消費も当然のものになって。ESGミッションを持つ企業の良い成功事例として先例を残したいです。

18.会社の成長過程で経験した主な挑戦とそれを成功させた方法について教えてください。

最大の課題は農家を説得する過程でした。最初は本当に容易ではありませんでした。農産物を流通している方々は、新しい方法を提案する当社を深く信頼してはくれなかったのです。その方々の立場からすると、「また新しい流通業者が来たんだ」と思っていたようです。当社のサービスが実際に可能かどうかについての疑問も大きくなりました。

私たちが選んだ方法は、粘り強く近づくことでした。あきらめずに連絡をとり、直接探し、説明し、説得する過程を繰り返しました。 「こうすれば農家にもきっと役に立つ」ということを心から込めて申し上げました。そのように1~2年間、着実に信頼を積んでいくと、次第に「アグリアスは何か違うかもしれない」という認識を持ってくれました。

この過程で私たちの調達チームは本当に苦労しました。全国を歩き回って農家を一つ一つ直接会って説得しました。単に供給先を確保するのではなく、私たちと一緒にできなかったこの農産物の新しい価値を生み出すパートナーとして農家を祀るのに大きな役割を果たしました。今考えてみると、その時の努力があったので今日のアグリアスがあったと思います。

19.初期投資を誘致する過程で投資家にアピールしたメッセージは?

最も強調したのは、将来の消費は価格だけでなく価値も重要に考えられるというメッセージでした。単に貧しい農産物を安く売るのではなく、より健康で持続可能な消費を可能にするプラットフォームを作っていることをアピールしました。ソーシャルインパクト投資家と話をするときは、3つの側面からアプローチしました。農家、消費者、そして環境でした。他のプラットフォームが単に消費者の利便性に集中しているならば、私たちはさらに一歩進み、消費者の本当の問題を解決していることを強調しました。

「誰でも簡単にアクセスして持続できるソリューション」という点も強調しました。環境にやさしいために何かをあきらめたり犠牲にする必要もありません。自然に、より良い選択をするのを助ける構造であることを示しました。投資家が最も注目したのは「この市場で本物の顧客の問題を解決しているのか」でした。私たちは実際の顧客データを見せて信頼を得ることができました。

20.予備の創業者にどんなアドバイスをしたいですか?

創業をしながら私が最も大きく悟ったのは「直接検証すること」の重要性です。顧客の反応であれ実際の実行結果であれ、データを通じて直接確認してみる過程が本当に重要でした。

創業したら本当にたくさんの方がアドバイスやアイデアをください。経験豊富な投資家の方も成功した創業家の方も周辺の知人たちも。しかし、そのアドバイスが今私たちの状況に合う正解かどうかは、直接検証してみなければなりません。過去に成功した方式が今も通じるという保証がないからです。

「たくさん聞いて吸収しますが、結局問題を直接解いて主導しなければならないのは創業者とチーム」ということを忘れないでください。創業者が揺れずに会社のミッションとビジョンを中心に置いて動かなければならないそうです。創業者の息子が強すぎても問題です。耳が薄すぎて主観がなくても問題です。永遠の綱渡りだと思います。今でも解放しようとしている問題について質問し、勉強し続けます。突っ込んで直接検証しながら正解を求めていく過程、それが創業の本質だと思います。

インタビューを終えて

個人が直接問題意識を感じて没入するようになったことが社会に肯定的な影響を及ぼすなら、それより意味のあることはないでしょう。

チェ・ヒョンジュ代表とのインタビューを終えてからアグリアスを再び見ることになりました。単に農産物を販売するブランドではありませんでした。これからの農産物流通のパラダイムを変えるために革新を試みる企業でした。貧困は農産物から始まり、将来はサプライヤーと消費者が持続可能な消費に参加できるように描かれている人々の歩みが印象的でした。

新しいグロリー市場を開拓し、環境にやさしい消費をより簡単かつ魅力的にするキャビッジの歩みが期待されます。キャビッジとアグリアスの前日を心から応援します。

原文:http://innoforest.co.kr/report/NS00000358/

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