*本コンテンツは、「わかりやすくて面白いITニュースプラットフォーム」の「Outstanding(アウトスタンディング)」とともに企画したテーマであり、記事の作成は「Outstanding」が担当しています。
スタートアップの成長可能性を評価する方法は数多くありますが、その中でも欠かせない指標が「投資金額」です。基本的に、多くの投資を受けているということは、投資家がそのスタートアップの成長可能性を高く評価していることを意味するからです。さらに、2020年と2021年の好況期が終わった後、投資のトレンドは「収益性を重視する方向」へと変化しました。そのため、最近になって大規模な投資を獲得したスタートアップは、投資家が将来的に高い投資収益率を得られると確信している企業だと言えるでしょう。
そこで今回は、スタートアップ成長プラットフォーム「革新の森」のデータをもとに、2025年に多額の投資を受けたスタートアップを調べてみました。その結果、500億ウォン(約53億円)以上の資金を調達したスタートアップが合計20社にのぼりました。2025年の韓国スタートアップ界で大きな話題となった企業から、静かに成長を続けてきた企業まで、さまざまな企業が含まれています。それぞれのスタートアップがどのような製品やサービスを展開しているのか、そして現在どのような状況にあるのかを見ていきます。
本記事では10社目までをご紹介します。
目次
1.Rebellions

– 投資時点:2025年9月30日
– 投資額:3,400億ウォン(約362億円)
最初に紹介する企業はRebellions(リベリオン) です。Rebellionsは、AI半導体を開発するスタートアップであり、ユニコーン企業としても知られています。特に、推論処理に特化したAI半導体の開発を行っている企業です。同社はAI半導体企業SAPEON(サピオン)との合併でも大きな話題を集めました。
今回の3,400億ウォンという投資額は非常に大きな規模ですが、決して余裕のある状況とは言えません。Rebellionsの売上は2023年の27億ウォン(約3億円)から2024年には103億ウォン(約11億円)へと拡大しましたが、当期純損失は2023年にマイナス1,232億ウォン(約131億円)、2024年にはマイナス2,338億ウォン(約249億円)に達しているためです。
(参照:AI半導体Rebellions、3,400億ウォン調達…企業価値1.9兆ウォン)
(参照:Rebellionsに関するデータ)
2.Innox lithium

– 投資時点:2025年7月14日
– 投資額:1,719億ウォン(約183億円)
2社目は、Innox lithium(イノックス リチウム) です。Innox lithiumは、水酸化リチウムの製造・販売を手がける二次電池材料メーカーです。水酸化リチウムは、電気自動車(EV)向けの高性能二次電池に欠かせない重要な素材であり、バッテリー性能を高めるうえで重要な役割を担っています。
同社はまだ本格的な売上を計上しておらず、2023年はマイナス42億9,000万ウォン(約5億円)、2024年はマイナス85億7,000万ウォン(約9億円)の当期純損失を記録しています。しかし、今回の投資額はこれまでの当期純損失を大きく上回る規模となっており、今後数年間の事業継続に必要な資金は確保されたとみられます。
(参照 – 「1次クロージング」Innox lithium、今週1,719億ウォンを追加調達)
(参照 – Innox lithiumに関するデータ)
3.Furiosa AI

– 投資時点:2025年7月31日
– 投資額:1,700億ウォン(約181億円)
3社目は、Furiosa AI(フュリオサ AI)です。Furiosa AIも、先に紹介した Rebellions と同様に、AI半導体分野のスタートアップであり、ユニコーン企業の一つです。同社はAI推論型半導体の設計を手がけており、Rebellionsとは競合関係にある企業と見ることもできます。今回1,700億ウォンの資金を調達しましたが、同社にとっては決して十分な金額とは言えません。
同社の売上は2022年3億1,000万ウォン(約3,000万円)、2023年36億2,000万ウォン(約4億円)、2024年29億6,000万ウォンでしたが(約3億円)、当期純損失は2022年マイナス512億ウォン(約55億円)、
2023年マイナス637億ウォン(約68億円)、2024年マイナス1,521億ウォン(約162億円)となっています。Rebellionsと同様に、FuriosaAIも調達した資金が尽きる前に、事業面で明確な成果を出す必要がある状況と言えるでしょう。
(参照 – 「企業価値すでに1兆ウォン」…Furiosa AI、1,700億ウォン調達でユニコーンに)
(参照 – Furiosa AIに関するデータ)
4.Orum Therapeutics

– 投資時点:2025年12月19日
– 投資額:1,450億ウォン(約155億円)
4社目は、Orum Therapeutics(オルム セラピューティクス) です。同社は、DAC を基盤とした新薬開発企業です。DACとは「抗体・分解薬物複合体」を意味し、薬物の代わりに標的タンパク質分解剤を抗体に結合させることで、がん細胞内の特定のタンパク質のみを攻撃する抗がん剤技術を指します。
同社は現在、有意義な技術移転の成果を上げており、売上も発生しています。売上は2022年の7,000万ウォン(約746万円)から2023年には1,354億ウォン(約144億円)へと急成長しましたが、2024年には209億ウォン(約22億円)へと減少しました。
当期純利益は、2022年にはマイナス662億ウォン(約71億円)の純損失でしたが、2023年には700億ウォン(約75億円)の純利益へと大きく改善しました。しかし、2024年にはマイナス65億ウォン(約7億円)の純損失となり、再び赤字に転じています。
(参照 – 「現金1,500億ウォン保有」…Orum Therapeuticsが1,450億ウォンを調達した理由)
(参照 – Orum Therapeuticsに関するデータ)
5.OliX

– 投資時点:2025年8月19日
– 投資額:1,150億ウォン(約123億円)
5社目は、OliX(オリックス)です。OliXは、遺伝子治療薬を開発するバイオ企業です。人間の体では、特定のタンパク質が多すぎても少なすぎても病気が発生します。同社は、タンパク質の生成に関与する物質であるRNAを研究することで、こうした病気を治療することを目指しています。治療薬の開発に成功すれば大きな成長が期待できますが、最近の業績を見る限り、現状はまだ不確実性が高い状況です。
売上は2022年95億ウォン(約10億円)、2023年165億ウォン(約18億円)、2024年56億ウォン(約6億円)でした。当期純利益については、2022年マイナス199億ウォン(約21億円)、2023年マイナス198億ウォン、2024年マイナス410億ウォン(約44億円)となっており、 投資資金を継続的に消費している状況です。
(参照 – OliX、1,150億ウォン規模の転換優先株投資を調達…「新たな成長エンジン確保」)
(参照 – OliXに関するデータ)
6.Afinit

– 投資時点:2025年12月22日
– 投資額:1,100億ウォン(約117億円)
6社目は 、Afinit(アフィニット) です。Afinitは、インドを中心にオンライン小口信用ローンなどの金融サービスを提供するフィンテック企業です。あまり聞き慣れない社名かもしれませんが、同社は以前、Balance Hero(バランスヒーロー) という社名で知られていました。2025年10月に現在の社名へと変更しています。
同社の売上は2023年の852億ウォン(約91億円)から2024年には1,460億ウォン(約156億円)へと成長しました。また、当期純損失は2023年のマイナス132億ウォン(約14億円)から2024年にはマイナス81億ウォン(約9億円)へと縮小しています。若年人口が非常に多いインド市場で好調な業績を上げていることが、今回の大規模な投資を調達できた背景と見られます。
(参照 – Afinit、米インパクト投資会社から1,100億ウォン規模のローン型投資)
(参照 – Afinitに関するデータ)
7.GALAXY CORPORATION

– 投資時点:2025年12月9日
– 投資額:1,000億ウォン(約107億円)
7社目は、GALAXY CORPORATION(ギャラクシーコーポレーション) です。GALAXY CORPORATIONは、AI技術とエンターテインメントを融合させた「エンターテック企業」で、 メディア、知的財産(IP)、コマース、テクノロジーという4つのビジネスモデルを軸に事業を展開しています。
同社の売上は、2023年が424億ウォン(約45億円)、2024年が415億ウォン(約44億円)でした。また、当期純利益は2023年がマイナス413億ウォン(約44億円)、2024年がマイナス189億ウォン(約20億円)となっています。
このように直近の業績は必ずしも好調とは言えないエンターテインメント系スタートアップですが、大規模な投資を受けることができた理由は、2025年に大きな業績改善が見込まれているためです。関連報道によると、2025年は上半期だけで2024年の年間実績を大きく上回る業績を記録したとされています。
(参照 – GALAXY CORPORATION、上半期売上1,260億ウォン・当期純利益130億ウォンで「黒字転換」)(参照 – GALAXY CORPORATIONに関するデータ)
8.Wrtn Technologies

– 投資時点:2025年3月31日
– 投資額:830億ウォン(約88億円)
8社目は、Wrtn Technologies(リートンテクノロジーズ)です。Wrtn Technologiesは、 AIサービスを提供するスタートアップ企業です。生成AIそのものの開発を行うというよりも、人々がAIをより便利に活用できるようにするサービスの開発に重点を置いています。
同社は2024年に売上30億ウォン(約3億円)を記録しましたが、当期純利益はマイナス296億ウォン(約32億円)でした。一方で、2025年にはMAUが大きく増加していることから、2024年を上回る売上成長が期待されています。
(参照 – Wrtn、830億ウォンの投資調達「累積投資1,000億ウォンを突破した初のAIエージェント」)
(参照 – Wrtn Technologiesに関するデータ)
9.ESOL

– 投資時点:2025年7月6日
– 投資額:740億ウォン(約79億円)
9社目は、ESOL(イソル)です。ESOLは、半導体の素材・部品・装置分野の企業で、半導体回路をウェーハ上に描くEUV関連の超精密プリンター装置を開発しています。
同社は長年にわたり赤字が続いてきましたが、技術力の高さを評価され、資金調達に成功しました。現在、同社は韓国で唯一、世界でも4社目のEUV装置企業と評価されています。
業績は、2023年売上180億ウォン(約19億円)、当期純利益マイナス100億ウォン(約11億円)でした。しかし2024年には売上6億6,000万ウォン(約7,000万円)、当期純利益マイナス183億ウォンと大きく落ち込んでいます。
(参照 – ESOL、次世代EUV装置の商用化で740億ウォンの資金を調達…「ASML独占体制」に亀裂)
(参照 – ESOLに関するデータ)
10.MARQVISION KOREA

– 投資時点:2025年9月16日
– 投資額:700億ウォン(約75億円)
10社目は、MARQVISION KOREA(マークビジョンコリア) です。MARQVISION KOREAは、AIを基盤としたIP(知的財産)管理の統合ソリューションを提供するスタートアップです。自社開発のLLMを活用し、知的財産権侵害の事例を検知・分析するサービスを展開しています。多くのAI企業が赤字を計上している中で、同社は継続して黒字を維持している企業でもあります。こうした実績によって技術力を証明している点が、今回の投資につながったとみられます。
業績を見ると、2023年の売上は109億ウォン(約12億円)、2024年は151億ウォン(約16億円)でした。また、当期純利益は2023年が2億2,000万ウォン(約2,300万円)、2024年が8億5,000万ウォン(約9,000万円)となっています。
(参照 – 「AIで偽造品を摘発」MARQVISION、シリーズBで700億ウォンを調達)
(参照 – MARQVISION KOREAに関するデータ)
原文:https://www.innoforest.co.kr/report/NS00000447
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