本コンテンツは、「わかりやすくて面白いITニュースプラットフォーム」の「Outstanding(アウトスタンディング)」とともに企画したテーマであり、記事の作成は「Outstanding」が担当しています。
前回に引き続き、スタートアップ成長プラットフォーム「革新の森」のデータをもとに、2025年に500億ウォン(約53億円)以上の資金を調達したスタートアップをご紹介します。
10社目までのご紹介はこちら👇
目次
11.Upstage

– 投資時点:2025年8月19日
– 投資額:620億ウォン(約66億円)
11社目は、Upstage(アップステージ) です。Upstageは、韓国を代表するLLM(大規模言語モデル)開発企業の一つです。現在、国家AIコンソーシアムの主幹企業も務めています。
同社の売上は、2023年の46億ウォン(約5億円)から2024年には139億ウォン(約15億円)へと成長しました。しかし、当期純損失は2023年がマイナス182億ウォン(約19億円)、2024年がマイナス363億ウォン(約39億円)となっています。LLMの開発には莫大な投資が必要であるため、赤字規模も大きくなっている状況です。こうした資金需要を背景に、同社は現在、上場を推進していると報じられています。
(参照 – Upstage、シリーズBで620億ウォンのブリッジ投資…Amazon・AMDが参加)
(参照 – Upstageに関するデータ)
12.NEX-I

– 投資時点:2025年8月12日
– 投資額:610億ウォン(約65億円)
12社目は、NEX-I(ネックスアイ) です。NEX-Iは、免疫抗がん剤の開発を専門とするバイオ企業です。免疫抗がん剤の効果を阻害する不応因子を標的とした研究を進めています。
同社は長らく売上がありませんでしたが、2024年に141億ウォン(約15億円)の売上を計上しました。一方、当期純利益は2022年マイナス55億ウォン(約6億円)、2023年マイナス136億ウォン(約14億円)、2024年マイナス91億ウォン(約10億円)となっています。関連報道によれば、技術移転の成果や後続パイプラインへの期待が評価され、想定以上の投資を受けたとされています。
(参考 – 免疫抗がん剤開発のNEX-I、累積投資額880億ウォン)
(参照 – NEX-Iに関するデータ)
13.Mediquitous

– 投資時点:2025年3月18日
– 投資額:600億ウォン(約64億円)
13社目は、Mediquitous(メディクォータス)です。Mediquitousは、ファッションコマースプラットフォーム 「NUGU(ヌグ)」 の運営会社であり、美容やヘルス分野のサービスも展開しているファッションブランドプラットフォーム企業です。
同社の売上は、2023年に1,190億ウォン(約127億円)でしたが、2024年には1,232億ウォン(約131億円)へと増加しました。一方で、当期純利益は2023年のマイナス87億ウォン(約9億円)から、2024年にはマイナス95億ウォン(約10億円)へと悪化しています。
業績自体は好調とは言い難い状況ですが、関連報道によると、海外売上の成長が高く評価され、今回の投資につながったとみられています。
(参照 – Mediquitous、600億ウォンの資金調達に成功…事業拡大へ)
(参照 – Mediquitousに関するデータ)
14.BENOW

– 投資時点:2025年4月22日
– 投資額:600億ウォン(約64億円)
14社目は、BENOW(ビーナウ) です。BENOWは美容分野のスタートアップで、スキンケアブランド 「numbuzin(ナンバーズイン)」 や 「FLASKIN(フラスキン)」、メイクアップブランド 「fwee(フィー)」、ヘアブランド 「RIAH(ライア)」、ビューティーブランド「Knock(ノック)」などを展開しています。
売上は2023年の1,144億ウォン(約122億円)から、2024年には2,658億ウォン(約283億円)へと急増しました。また、当期純利益も2023年の246億ウォン(約26億円)から、2024年には700億ウォン(約74億円)へと大きく伸びています。
関連報道によると、十分な手元資金を保有していたにもかかわらず投資を受けた理由は、創業者の持ち株を高い評価額で現金化するためとされています。
(参照 – 資金に余裕があるBENOWが、それでもプレIPOに踏み切った背景)
(参照 – BENOWに関するデータ)
15.reco

– 投資時点:2025年3月31日
– 投資額:585億ウォン(約62億円)
15社目は、reco(リコ)です。recoは、事業所向けの廃棄物回収サービス 「UpBox(アップボックス)」を運営しています。
同社の売上は、2022年に85億ウォン(約9億円)を記録しましたが、2023年は48億ウォン(約5億円)、2024年は27億ウォン(約3億円)と減少しました。当期純利益も2022年がマイナス70億ウォン(約7億円)、2023年がマイナス84億ウォン(約9億円)、2024年がマイナス75億ウォン(約8億円)となっています。
関連報道によると、こうした厳しい業績にもかかわらず資金を調達できた背景には、廃棄物市場そのものの成長性やrecoの将来性、差別化されたサービスと高い顧客満足度、さらに環境面での明確なインパクトが評価されたことが挙げられています。
(参考 – サッカー場35面を埋める廃棄物が「金の卵」に)
(参照 – recoに関するデータ)
16.Illimis therapeutics

– 投資時点:2025年7月2日
– 投資額:580億ウォン(約62億円)
16社目は、Illimis therapeutics(イリミス セラピューティクス)です。Illimis therapeuticsは、アルツハイマー病の治療薬開発を手がけるバイオ企業です。
長年にわたり売上を計上できておらず、当期純利益は2022年がマイナス50億ウォン(約5億円)、2023年がマイナス61億ウォン(約6億円)、2024年がマイナス72億ウォン(約8億円)となっています。
こうした状況の中でも、同社は今回580億ウォンの投資を確保しました。関連報道によると、商業化された抗体型の認知症治療薬を保有するEli Lilly(イーライリリー) が、Illimis therapeuticsを共同研究開発パートナーに選定したことが、同社の技術力への期待を 高める要因になったとみられています。
(参照 – バイオ投資低迷でも600億ウォン調達、Illimis therapeuticsの強み)
(参照 – Illimis therapeuticsに関するデータ)
17.CellArkBio

– 投資時点:2025年3月7日
– 投資額:540億ウォン(約57億円)
17社目は、CellArkBio(セルラックバイオ) です。CellArkBioは、コラーゲン再生フィラーの開発・製造を手がけるスタートアップです。
フィラーとは、しわの改善や顔の輪郭補正を目的に使用される医療用の注射剤です。このうちコラーゲン再生フィラーは、人工的に外見を変えるのではなく、皮膚のコラーゲン生成を促すことで自然な再生を目指す点が特徴です。そのため、世界的に広がるアンチエイジングのトレンドにも合致する製品といえます。
関連報道によると、2024年5月に設立されたばかりのCellArkBioが多額の投資を受けた背景には、経営陣に対する高い信頼があります。同社の経営陣には、2001年に設立され、現在は売上2,690億ウォン(約286億円)、営業利益935億ウォン(約100億円)を記録しているHUGEL(ヒュージェル)を成長させてきたメンバーが集まっています。
(参照 – 「次世代エステティック強者」CellArkBio、創業2年で581億ウォンの資金調達に成功)
(参照 – CellArkBioに関するデータ)
18.AIMEDBIO

– 投資時点:2025年6月2日
– 投資額:510億ウォン(約54億円)
18社目は、AIMEDBIO(エイムドバイオ)です。AIMEDBIOは、抗体・薬物複合体(ADC:Antibody Drug Conjugate)を専門とするバイオ企業です。
ADCは標的型の抗がん薬で、抗体が薬物を運び、特定のがん細胞を狙って攻撃する仕組みを持っています。一方、先ほど紹介したOrum Therapeutics(オルム・セラピューティクス)のDACは、抗体に薬物ではなく標的タンパク質分解剤を結合させ、がん細胞のタンパク質を攻撃するという点で違いがあります。
AIMEDBIOは2018年に設立されましたが、長らく売上はほとんどありませんでした。しかし2024年には117億ウォン(約12億円)の売上を記録しています。この売上は技術移転による収益であり、2024年の実績が評価され、2025年に投資を受けることができたとみられます。
(参考 – AIMEDBIO、511億ウォン規模のプレIPO投資を獲得…「年内に追加の技術移転を予定」)
(参考 – ENZYCHEM生命科学、ADC・DAC専門Target Link Therapeuticsに出資)
(参照 – AIMEDBIOに関するデータ)
19.KONG STUDIOS KOREA

– 投資時点:2025年7月18日
– 投資額:500億ウォン(約53億円)
19社目は、KONG STUDIOS KOREA(コンスタジオコリア)です。KONG STUDIOS KOREAはゲーム開発会社で、「Guardian Tales(ガーディアンテイルズ)」を運営しています。
2023年に売上370億ウォン(約39億円)を記録し、2024年には483億ウォン(約51億円)へと成長しました。また、当期純利益も24億ウォン(約3億円)から81億ウォン(約9億円)へと増加しており、安定した経営を続けています。
関連記事によると、複数のVCがKONG STUDIOS KOREAの新作ゲームの開発力を高く評価しました。その結果、ゲーム市場への投資を敬遠する雰囲気がある中でも、大きな規模の投資を受けることができたといいます。
(参照 – VCがゲーム投資を避ける中でも「Guardian Tales」は別格…KONG STUDIOS、500億ウォンの投資)
(参照 – KONG STUDIOSに関するデータ)
20.Law&Company

– 投資時点:2025年7月15日
– 投資額:500億ウォン(約53億円)
20社目は、Law&Company(ローアンドカンパニー)です。Law&Companyはリーガルテックのスタートアップで、法律総合ポータル「LawTalk(ロートーク)」や、法律特化型AIサービス「SuperLawyer(スーパーロイヤー)」など、さまざまな法律ソリューションを提供しています。
同社の売上は、2023年の58億ウォン(約6億円)から2024年には94億ウォン(約10億円)へと増加しました。また、当期純損失も2023年の65億ウォン(約7億円)から2024年には44億ウォン(約5億円)へと縮小しています。
関連記事によると、Law&Companyはリーガルテックサービスの中でも最も多くの弁護士会員を抱えているとされています。さらに、2025年上半期には黒字を達成するなど収益性も改善しており、その点が評価されて大きな投資につながったとみられます。
リーガルテック市場は、最終的には一つのプラットフォームが市場を主導する可能性が高いと考えられています。その中で、多くのスタートアップが存在するものの、Law&Companyが市場を主導する可能性が高いと判断されたというわけです。
(参照 – Law&Company、500億ウォン規模のシリーズC-2投資ラウンド完了…業界最大規模)
(参照 – Law&Companyに関するデータ)
まとめ
ここまで、2025年に500億ウォン以上の投資を受けたスタートアップ20社を紹介してきました。
最も多かったのはバイオ分野のスタートアップです。「Orum Therapeutics 」、「OliX」、「NEX-I」、「Illimis therapeutics」、「CellArkBio」、「AIMEDBIO」など、合計6社でした。バイオ産業は、新薬開発に多額の資金が必要となるため、投資規模も自然と大きくなる傾向があります。同様に、半導体分野の「Rebellions」、「Furiosa AI」、「ESOL」と二次電池企業の「Innox lithium」も、巨額の研究開発費が必要となる領域です。
また、2025年に大きな注目を集めたAI分野からも、多くの投資を受けたスタートアップが存在しました。「Wrtn Technologies」、「MARQVISION KOREA」、「Upstage」、「Law&Company」など4社でした。
このほか、ファッション・美容分野の「MEDIQUITOUS」と「BENOW」、廃棄物分野の「reco」、ピンテック分野の「Afinit」、エンターテインメント分野の「GALAXY CORPORATION」、ゲーム分野の「KONG STUDIOS KOREA」といった企業も名を連ねました。このうち、Rebellions、Furiosa AI、BENOW、GALAXY CORPORATIONの4社は、すでに企業価値1兆ウォン以上のユニコーン企業として高い注目を集めています。また、その他の企業についても、今回の投資を足がかりに成長を続ければ、将来的にユニコーンとなる可能性が十分にあると言えるでしょう。
ただし、高い企業価値が必ずしも成功を保証するわけではないことも、 過去の多くの事例が示しています。今回紹介した20社のスタートアップが、2026年にどのような動きを見せるのか。
引き続きその動向を追っていきます。
原文:https://www.innoforest.co.kr/report/NS00000447
革新の森:https://www.innoforest.co.kr/
マークアンドカンパニー:https://markncompany.co.kr/
