ニュース

さらに深まる「死の谷」…昨年業歴3~7年目のスタートアップへの投資が激減

アイキャッチ
目次

さらに深まる「死の谷」…昨年業歴3~7年目のスタートアップへの投資が激減

昨年ベンチャー投資10.9兆ウォン、2年連続で減少…政府「ファンド・オブ・ファンズなどで早期に資金投入」

昨年のベンチャー投資額が10兆9,133億ウォン(約1兆2,265億円)で、前年(2022年)比12.4%減少したことが分かった。2021年以降、2年連続で減少傾向にある。投資件数と新しく組成されたベンチャーファンドもそれぞれ2年連続で減少した。政府は、ベンチャーファンドに対する政策金融の支援を早期に行うなど、今年の投資財源を早急に確保すると明らかにした。

中小ベンチャー企業部は20日、「2023年韓国内におけるベンチャー投資およびファンド設立動向」を通じてこのような方針を公開した。昨年のベンチャー投資額10兆9,133億ウォンは、中小ベンチャー企業部管轄のベンチャー投資会社と、金融委員会所管の新技術金融事業者の投資実績を合算した結果だ。ベンチャー投資会社は5兆3,977億ウォン(約6,066億円)、新技術金融事業者は5兆5,156億ウォン(約6,199億円)を占める。ベンチャー投資会社は前年の6兆740億ウォン(約6,826億円)に比べて1兆3,663億ウォン({約1,536万円}20%)、新技術金融事業者は前年の5兆7,066億ウォン(約6,413億円)に比べて1,910億ウォン({約215億円}3.3%)減少した。

昨年の投資件数は7,116件で、前年の7,470件より4.7%減少した。1件当たりの平均投資額は、16億7,000万ウォン(1億9,000万円)から15億3,000万ウォン(約1億7,000万円)に減少した。ただし、投資を受けた企業数は4,002社(2022年)から4,026社(2023年)に若干増加した。


投資額・件数ともに2年連続で減少、被投資企業はわずかに増加

業種別では、AI・半導体・ロボットなどのディープテック分野が主な投資対象として浮上した。非対面・バイオなど、2021~2022年当時人気だった新型コロナウイルス関連業種への投資が減ったと推測される。「ICT製造」と「電気・機械・装備」業種の投資額は前年比それぞれ 63%、40%増加した一方、「ICTサービス」と「流通・サービス」業種の投資額はそれぞれ36%、43%減少した。

投資を受けた企業の業歴別でみると、「業歴7年を超えた後期スタートアップ」への投資額は、前年比6.9%増の5兆1,616億ウォン(約5,801億円)だった。一方、業歴3年以下の初期スタートアップへの投資は前年比20%減の2兆6,808億ウォン(約3,013億円)、業歴3~7年の中期スタートアップについては28.3%減の3兆709億ウォン(約3,451億円)という結果だった。

過去5年間のベンチャー投資は、2019~2021年に増加傾向を示していたが、2021年以降2年連続で減少している。2019年7兆5,278億ウォン(約8,460億円)だった投資額は、2021年15兆9371億ウォン(約1兆7,911億円)に大幅に増加した。しかし、2022年は12兆4,706億ウォン(約1兆4,015億円)と、前年比21.7%(3兆4,665億ウォン{約3,896億円})減少した。昨年も減少傾向が続いていたが、前年比の減少率は10%台にとどまった。昨年第1四半期に1兆7,822億ウォン(約2,003億円)だったベンチャー投資額は、第2四半期に2兆7,091億ウォン(約3,045億円)、第3四半期に3兆1,961億ウォン(約3,592億円)、第4四半期に3兆2,259億ウォン(約3,626億円)と着実に増加した。

오영주 중소벤처기업부 장관이 15일 서울 중구 명동1가 은행연합회에서 진행된 금융당국, 맞춤형 기업금융 지원방안 간담회- 중견기업 전용펀드 조성을 위한 업무협약에 참석, 발언을 하고 있다. /사진=임한별(머니S)

中小ベンチャー企業部のオ・ヨンジュ長官が15日、ソウル市中区の明洞1街銀行連合会で行われた金融当局の「企業金融支援策懇談会」、「中堅企業専用ファンド組成のための業務協約」に出席し、発言している様子。/写真=イム・ハンビョル(MoneyS)

「ファンド・オブ・ファンズの全額を第1四半期に出資、政策総動員」

政府は、ベンチャー投資市場の中長期的な成長をしっかりと後押しするため、ベンチャーファンドに対する政策資金を早期に投入し、官民共同ファンドの組成、新規出資資金の発掘など、多角的に投資資金を拡充すると明らかにした。中小ベンチャー企業部はこのため、今年のファンド・オブ・ファンズの出資規模9,100億ウォン(約1,023億円)全額を第1四半期内に出資する。官民が連携して組成する「スタートアップコリアファンド」についても、民間出資者の意見収集などを早急に進める方針だ。

また、ファンド・オブ・ファンズのグローバルファンド出資事業において、海外ベンチャーキャピタル(VC)と共同運用する子ファンド(ベビーファンド)の割合を拡大する。韓国のVCが海外出資者を集めるために必要な投資経歴を積むことができるようにするためだ。

オ・ヨンジュ長官は「2024年の投資計画を前年に比べて増やすなど、今後の市場状況はさらに良くなるだろうという現場の意見が多い」とし、「良い雰囲気を維持できるよう、適切な政策手段を総動員する計画」と明らかにした。



</画像=イ・ジヘデザイン記者>

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2024021917052190776




/media/UNICORN FACTORY
記事を書いた人
UNICORN FACTORY

2021年に発足したUNICORN FACTORY(ユニコーンファクトリー)は、MONEY TODAY(マネートゥデイ)が韓国の総合誌で初めてスタートさせたスタートアップ専門のメディアプラットフォームです。 溢れるニュースの中でスタートアップ生態系に必要なニュースだけを厳選し深く伝えます。

  • ホーム
  • ニュース
  • さらに深まる「死の谷」…昨年業歴3~7年目のスタートアップへの投資が激減