韓国、2027年にデータ市場58兆ウォン達成へ 医療など「国民体感」分野から段階的に拡大
韓国、2027年にデータ市場58兆ウォン達成へ 医療など「国民体感」分野から段階的に拡大
韓国政府がマイデータの活性化を通じて2027年までにデータ市場規模を58兆ウォン(約6兆3,022億2,900万円)以上に拡大するという青写真を描いた。制度の受容性向上のため、保健医療、福祉、教育など国民が実感できる効果が大きい分野でマイデータ事業を優先的に実施し、段階的に拡大していく。
個人情報保護委員会のチェ・ジャンヒョク副委員長は17日午前、政府ソウル庁舎で記者会見を行い、このような内容を盛り込んだ「国家マイデータ革新推進戦略」を発表した。
マイデータは、情報主体が自分の好きな場所に個人情報を移動させ、本人が望むサービスに活用できるようにする制度だ。
先月発足した汎政府マイデータ推進団を中心に、今年中に個人情報保護法の下位法令案を設けるとともに、2025年から制度を本格的に施行する計画だ。
政府はマイデータを通じてデジタル大転換時代をリードするというビジョンを立てた。2027年までに△マイデータを通じたデータ市場規模20%以上の追加成長をはじめ、△国民が実感できる先導サービスを30個指定△新技術・サービス分野のスタートアップなどマイデータ企業500社の創出といった具体的な目標も提示した。
<マイデータのロードマップ>
まずは国民の実感効果が高い分野からマイデータ制度を施行し、産業別の特性や企業の負担などを考慮して段階的に分野を広げていく計画だ。保健医療、福祉、通信・インターネットサービス、エネルギー、雇用労働、不動産、教育、流通、交通、レジャーなど10の重点分野を選定した。これらの分野でも送信情報の範囲や送信義務者対象などの基準を段階的に拡大する。
現在制度が施行されている金融・公共分野は、データ融合を通じてシナジーを出す計画だ。金融部門は非金融データとの連携を推進し、公共部門は民間データと連携して公共サービスを高度化する。
チェ副委員長は「制度施行に先立ち、マイデータ普及の触媒となる国民体感先導サービスを2024年から発掘・支援する」とし、「有益との認識を広めたい」と話した。
<マイデータのプライバシー保護対策>
政府はマイデータ定着のための前提条件として、プライバシー保護に対する国民の信頼を挙げた。このため、セキュリティ・識別などの個人情報保護のメカニズムを強化する。ダークパターンなど不当な送信誘導行為に対する防止対策を設け、送信段階別のデータ流出・露出防止のための送信セキュリティガイドラインも策定する。異種分野間で安全にデータを連携するための識別・認証システムも用意する。
併せて、プライバシー侵害申告センターを運営する一方、個人情報保護義務違反行為は課徴金・是正命令・罰金・罰則などを通じて厳格に対処する方針だ。
チェ委員長は「国民が自らマイデータの権利を行使できるよう支援するプラットフォームも構築する」とし、「プラットフォームを通じて本人のすべての個人情報の送信履歴を確認することができ、望まない送信を直ちに中断したり、既存の送信データの破棄も要請できる」と説明した。
市場活性化のための対策もある。データ経済の革新動力を阻害しないよう、個人情報の安全な処理に必要な施設・技術要件は綿密に設定するが、データ経済の革新動力を阻害しないよう、参入規制は最小限にとどめる計画だ。ただ、医療など、敏感な情報を大規模に取り扱い、十分な公的保護が必要な領域は例外的に許可制で運営する。また、分野別の特性に応じて送信費用、データの性格などを考慮して課金体系を策定し、設備投資に対する各種支援策も用意する。
特に中継専門機関の導入が目立つ。中継専門機関は、情報提供者からデータを受け取り、標準化された形に変換して受信者に送信するなど、送信要求権の行使を支援するインフラ機関だ。
<マイデータの体系図>
全分野のマイデータをうまく定着させるために汎政府の協力体制が稼働する。
汎政府マイデータ推進団は、マイデータ法制度の樹立、標準化の推進、プラットフォームの運営、インフラ整備、先導サービスの発掘など、実務政策を執行する。また、個人情報委員会の主管で学界、産業界、市民団体、関係部署が参加する官民合同マイデータ協議会も今年9月に発足させる。
チェ副委員長は「今回の戦略を皮切りに、汎政府の協力体系を通じて制度的・技術的なインフラを整える」とし、「国民が信頼するマイデータ時代が開けるように努力する」と話した。
<画像=個人情報保護委員会のチェ・ジャンヒョク副委員長が17日午前、ソウル市鍾路区にある政府庁舎の合同会見ルームで国家マイデータ革新推進戦略について説明している(個人情報保護委員会提供)>
原文:https://www.etnews.com/20230817000161
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