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企業たちの相次ぐ「契約学科」、弁護士顔負けの「IT開発者年俸」…

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目次

企業たちの相次ぐ「契約学科」、弁護士顔負けの「IT開発者年俸」…

  • 新型コロナウイルス2年が変えた就職市場の風景
  • 行き詰まった大卒採用市場は春風
  • 出勤+在宅「ハイブリット勤務」拡散
  • Z世代の好みに合わせた愛犬福祉まで

2年余りの長い新型コロナウイルスパンデミックが終わり、就職市場も変わっている。企業は大卒公開採用を廃止し、随時採用を導入することで厳しくなった人材確保のために産学協力を強化している。新型コロナウイルス時期にプラットフォーム企業が成長し、情報技術(IT)開発者人力難は深刻化した。

新型コロナウイルスワクチンの相次ぐ導入でバイオ企業の人気が高まり、バイオ人力難も大きくなった。昨年初め、SK hynix(SKハイニックス)で打ち出された「成果級論争」は、他企業に急速に広がり、企業の賃金引き上げを招いている。ついには主要プラットフォーム企業の今年上半期の赤字が高まったのは賃金引き上げのためだという分析も提起された。

今年の新規採用市場は2年間抑圧されたせいか再び復活中だ。ただし、ロシアのウクライナ侵攻と農産物・エネルギー価格の急上昇で不透明になった経営環境が再び採用市場を押さえつけるのではないかと懸念される状況だ。MZ世代が入社し、彼らのための「特別な福祉」も優秀人材誘引策となっている。

エンデミックになったが、在宅勤務に慣れた会社員の不満があふれ、企業は「在宅+出勤」を混合したハイブリッド勤務形態を続々と導入している。 「エンデミック時代」企業の採用・勤務形態トレンドを以下にまとめた。


◆SAMUSUNG・SK・LG・POSCO「産合革命力で優秀人材を先取り」拡散

SAMSUNG(サムスン電子)、SK Hynix、LG電子などが先端産業人力難打開のために各大学と相次いで産学協力を強化している。大学に契約学科を新設して、直接優秀な人材を確保しようとする雰囲気だ。奨学金支給はもちろん、実務プロジェクト参加機会とともに卒業後の就職も保障する。IT人材確保戦が繰り広げられている。

LG電子は今年下半期、延世大に人工知能(AI)採用契約学科を運営することとした。マシンラーニングとビッグデータ、クラウド、ロボティクス、システムソフトウェアなどソフトウェア研究開発(R&D)領域全般を扱う。入学生全員は修士2年間、産学奨学金3600万ウォン(約360万円)を支給する。人工知能関連LG電子実務プロジェクトに参加し、卒業後LG電子に就職が保障される。

LG電子はすでにKAIST(韓国科学技術院)、高麗大学、漢陽大学、西江大学など4カ所に契約学科を運営している。LGディスプレイも延世大学、漢陽大学、成均館大学大学院に採用連携型ディスプレイ契約学科を設立し、修士・博士級ディスプレイ専門人材養成に乗り出す。これら3大学は2023学年度から毎年大学院別に10名の修士·博士級人材を選抜する。 LGディスプレイは、選抜学生たちに在学期間の学費全額と学費補助金、研究費などを支援し、卒業後のLGディスプレイ就職を保障することにした。

サムスン電子は成均館大学、延世大学に契約学科を設立したのに続き、最近KAIST、POSTECH(浦項工科大学)にも半導体契約学科を新設することにした。SK Hynixも昨年、高麗大学に続き、西江大学、漢陽大学などに契約学科を新設する。西江大学には電子工学科を母体学科とした「システム半導体工学科」を、漢陽大学にも工科大学内に「半導体工学科」を新設し、今年末初の新入生を募集する。

POSCO CHEMICAL(ポスコケミカル)はバッテリー素材の人材確保のため、POSTECH(浦項工科大学)とUNIST(蔚山科学技術院)に続き、漢陽大学とも人材養成業務協約(MOU)を結んだ。オーダーメイドの学位課程 e-バッテリートラックを通じて、修士・博士課程優秀人材を選抜して教育する計画だ。卒業生はPOSCO CHEMICAL研究所などに採用する。

ソウル大にも半導体契約学と新設議論が進行中だ。過去、サムスン電子と共に半導体契約学科開設を推進したが、税金で運営される国立大学とは趣旨が合わないという否定的世論にぶつかり失敗に終わった経緯がある。


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◆新規採用「春風」…企業半分「大卒採用を増やす」

新規採用市場は春風が吹いている。採用を延期してきた企業が採用に乗り出したためだ。ここにワークライフバランス(仕事と人生のバランス)を追求するMZ世代の退社が増えて、人材補充が緊急したことも一役買っている。企業は新入社員と中途社員の採用を同時に増やしている。調査機関が一斉に採用が増えていることを発表した。

今年3月29日、韓国経営者総協会(経総)によると、100人以上の企業508社を対象に行った「2022年新規採用実態調査」の結果、回答企業の72.0%が「今年新規採用計画がある」と明らかにした。 新規採用計画がない企業は17.3%、新規採用の可否をまだ決めていない企業は10.6%だった。

特に企業規模が大きいほど新規採用計画があるという回答比率も高いと調査1000人以上企業82.5%、300~999人企100~299100~299人企業68.4%の順だった。新規採用計画がある企業を対象に採用規模を調査した結果、昨年より拡大するという企業が30.6%に達し、昨年と類似しているという回答は59.6%に達した。

採用規模を縮小する企業は9.8%だった。新規採用に乗り出した企業が増えたのは、今年の経済成長率が3.0%水準と見込まれるなど、韓国経済が新型コロナウイルスの衝撃で回復傾向を見せているためだと経総は分析した。

経総だけでなく就職プラットフォーム Saraminでも採用アンケート計画を通じて、新入社員採用計画は昨年(47.3%)より18.1%ポイント増え、65.4%と調査した。経歴職も昨年55.2%の採用計画より増えた66.5%となった。特に大卒採用市場はさわやかな風が吹いている。企業半分以上が大卒新入採用に乗り出すと答えた。昨年の年初調査(47.3%)より、なんと18.1%ポイントも増えた。

採用をしないと答えた企業は5カ所のうちの1つだけだった。企業タイプ別では大企業が70.5%で採用規模が最も多い。中小企業も64.6%が採用の意志を示した。採用規模も増える見通しだ。昨年より採用規模を増やすと答えた企業は47.7%に達した。昨年水準と同様にに選ぶ企業も38.4%だった。昨年より減るという企業は8.8%に過ぎなかった。随時採用と中途採用職の採用も増えている。


◆「弁護士 羨ましくない」高騰する開発者の年俸

開発者の人力難は年々深刻になっている。新型コロナウイルスでプラットフォーム企業の成長が加速され、ゲーム企業も成長を遂げているからだ。ここに大企業も加わり、IT開発者の「年棒」も上がった。

「弁護士より稼ぐ開発者」の韓国IT・ゲーム業界での開発者迎え入れ競争は戦争だ。NAVER・KAKAOの採用競争にDanggeun Market(ニンジンマーケット、Karrot)、Toss(トス)など新興スタートアップが加わると、NEXON・KRAFTONなどゲーム会社に不動産情報会社の直方まで飛び込んだ。開発者たちの年棒は天井知らずにあがった。新入開発者に初年俸は5000万ウォン(約500万円)が基本だ。

KRAFTONは新入開発者に6000万ウォン(約600万円)を与えると宣言するなど年俸競争も加熱された。NAVERは新入開発者の公開採用を年2回定例化し、キャリアの開発者採用を毎月初めに進行することにし、自社株1000万ウォン(約100万円)分を3年間毎年職員に支給することにした。Zipbang(チッパン)は優秀開発者獲得のためにサイニングボーナス1億ウォン(約1000万円)を提示した。

NCSOFTはこれに進み、優秀人材迎え入れのために「新入社員初年俸上限制廃止」を掲げた。Danggeun Market(ニンジンマーケット)のキム・ヨンヒョン、キム・ジェヒョン共同代表は保有中の150億ウォン(約15億円)台の株式を元従業員に贈与することにした。職級、役職に関係なく、勤務月数に比例して平均5000万ウォン(約500万円)相当の株式を贈与されることになる。インターンなど非正規職員にも勤続月数に応じて、一人当たり少なくとも100万ウォン(約10万円)から最大500万ウォン(約50万円)の激励金を支給する。

過度な年俸引き上げは企業の荷物でブーメランとなっている。5月上旬第1四半期の実績を発表したKAKAO payは営業利益が赤字に転換され、当期純利益も大幅に減った。費用圧迫のためという分析だ。KAKAOpayは、営業利益が前年同期約108億(約10億8000万円)ウォンの黒字だったが、今年第1四半期約11億ウォン(約1億1000円)に赤字転換したと発表した。赤字転換の原因は営業費用の急増だ。従業員数が増え、賃金引き上げによる人件費が約31%増えたためだ。

SAMSUNGは今年、従業員賃金を平均9%引き上げることで合意した。ワークライフバランス(仕事と生活のバランス)のための有給休暇も3日新設する。平均9%引き上げは、この10年間で最大引上げ率だった昨年の7.5%より高い水準だ。今回の合意で、職員ごとに個人高課に応じて賃金が最大16.5%まで上がる。

大卒新入社員の初年度年棒も5150万ウォン(約520万円)水準に高まる。労使は賃金だけでなく休暇新設など福利厚生案にも合意した。ワークライフバランス向上のための有給休暇3日を新設し、配偶者出産休暇を既存の10日から15日に拡大した。優秀人材を奪われずに確保しようとする苦肉の策だ。


◆Z世代のための「オーダーメイド型福祉」が大勢

企業の福祉政策は、Z世代(1990年代半ば以降の出生)に合わせてカスタマイズされた。年俸よりワークライフバランス、福祉を重視する若い世代の目の高さを合わせるためだ。このような現象は板橋(パンギョ)のゲーム・テック企業を中心に広がっている。

ゲーム企業はPearl Abyssは2020年6月、「社内未婚福祉公募展」を進行し、家事清掃支援、ペット保険支援、記念日支援、誕生日支援拡大を導入した。家事清掃支援は、一人で居住する未婚職員の清掃を助けるための福祉制度で、未婚及び独立居住者を対象に、居室、寝室・寝具整理、皿洗い及び台所清掃、浴室清掃、ごみ排出など月1回支援する。

ペット保険支援の対象は、犬や猫を育てる役職員で、一人当たり最大3匹まで支援している。ペット動物の通院・入院医療費、ペット犬補償責任などを保障する。結婚記念日は本人以外の親まで拡大、誕生日は既存の本人から配偶者、親、子どもだけでなく、兄弟・姉妹、兄弟・姉妹の子供(甥)まで拡大するほどだ。

化粧品・浴室用品企業 LUSH KOREAは、非婚を宣言した職員がペットを育てる場合、毎月5万ウォン(5000円)のペットの手当を与え、ペットがなくなった場合、有給休暇を1日提供する。手工芸プラットフォームidus、不動産仲介スタートアップZIPTOSS、ペットフレンドショッピングモール PET FRIENDSはペットを育てる職員のための「動物同伴出勤制度」を施行している。人工知能(AI)スタートアップアップステージは昨年末、200人の新規採用を進めながらペットの養子縁組を福祉制度に掲げた。

ここに刺激を受けた国内大企業もZ世代のオーダーメイド型福祉を出している。GSリテールはペットを育てる従業員のためにペットの健康診断と保険加入を支援する福祉制度を先月導入した。ペットと一緒に暮らす職員が増え、非婚・低出産の流れが続くと、企業が結婚を前提に組んだ福祉制度を時代変化に合わせて変えるのだ。

GSリテール職員はスタートアップ「21グラム」が運営するUZUZU(ウチュッツ)ケアセンター メンバーシップ費用(年間36万5000ウォン/約3600円)の半分を支援される。メンバーシップには、ペットの健康診断と予防接種、ペットの保険、ペットのホテル宿泊券などが含まれている。

GSリテール関係者は「制度導入を控えて社内アンケートをしてみると、回答者の40%程度がペットを育てていたし、このうち相当数がペットの福祉導入を望んだと答えた」と話した。年末までに100人程度の職員を対象に試験運営してみて、制度を補完・拡大するという計画だ。


◆エンデミック時代、出勤+在宅「ハイブリッド」勤務

エンデミック時代の勤務形態も話題だ。知られているところでは、サムスンは50%未満、現代自動車とLGは30%未満のレベルで在宅勤務をすることにした。NAVERは建設費だけで4800億ウォン(約480億円)以上をかけ、本社の横に第2社屋を完工しエンデミックを控えて役職員の出勤を準備している。

Googleも「米全域事務所とデータセンターに合計95億ドル(約11兆6300億ウォン/約1兆2068億円)を投資する」と明らかにした。だが、在宅と出勤の「ハイブリッド勤務」形態が新たな勤務方式となっている。

NAVER cloudは指定座席、決まった出退勤時間、書類・書面報告など3つをなくすことでハイブリッド方式で働いている。特に、働く場所と時間にとらわれず、コミュニケーションと業務共有を望むために「NAVER Works」を積極的に活用している。JOB KOREA(ジョブコリア)が会社員を対象に行ったアンケート調査では、「ハイブリッド業務方式」が選好度68%で1位を占めた。IT・プラットフォーム企業を中心に遠隔勤務文化が広がっている。

yanolja(ヤノルジャ)はエンデミックにも常時遠隔勤務制度を無期限維持することとした。配達の民族も新型コロナウイルスに関係なく「週2回在宅勤務、3回事務所出勤」システム導入を常時化することにした。配達の民族は在宅支援のため全職員に毎月10万ウォン(約1万円)の在宅支援費を提供中だ。

LINE plusは昨年7月から公式化した「ハイブリッドウワーク1.0」制度を維持する。公式勤務制度のお手入れに応じて、ラインプラス役員は完全在宅から週N回在宅まで事務所勤務と在宅勤務を組み合わせて選択することができる。オヌレチプ(インテリアO2Oプラットフォーム)も週3回在宅勤務が制度化した。NAVERとKAKAOはまず6月末まで遠隔勤務を維持する。CJ ENMとKAKAO mobilityは遠隔勤務終了時点をまだ決めていない。

グローバルビッグテクたちもハイブリッド勤務を目指している。Googleのスンダル・フィチャイCEO(最高経営責任者)は先月13日、「今年、米全域事務所とデータセンターに合計95億ドル(約11兆6300億ウォン/約1兆2068億円)を投資する」と明らかにした。

彼は「業務方式をより柔軟にする状況で物理的な事務空間に投資することが納得できないかもしれないが、これがより良い製品を作り、また従業員の生活の質を高める方法だと信じる」と話した。

新型コロナウイルス以前週5日に出勤したGoogleは、「週3日出勤」に変えたのに、ワシントン・ニューヨーク・テキサス・ジョージア州など米全域に事務所を作り続けている。Meta(旧Facebook)もコロナ初期だった2020年下半期、ニューヨーク・マンハッタンに73万㎡規模の事務所を設けたのに続き、テキサス・マサチューセッツ・ワシントン州などにも新たにキャンパスを造成した。

最近、事務所復帰を始めたMicro Soft(MS)も「パンデミック期間採用した多くの職員を収容するためにももっと広いスペースが必要だ」とヒューストン、マイアミ、アトランタなど各所に事務所を増やしている。ビックテックの新しい業務空間は「ハイブリッド勤務」トレンドに合わせて個人空間よりはコミュニケーション、コラボレーション空間が多いのが特徴だ。

これらの企業はコラボレーションソフトウェア(SW)にもかなりの投資をしている。Googleは最近、ビデオ会議でスタッフが自由に感情表現をするために「絵文字機能」を追加し、会議出席中に文書編集と電子メール作成を行うことができるマルチタスク機能を適用した。マイクロソフトとズーム(Zoom)はテレビ会議で話す人にもっと関心を集中させ、出席者のジェスチャー・感情などをよりよく表現できる機能を追加した。


写真:LGディスプレイ 、延世大・漢陽大・成均館大と修士・博士級人材養成16日夕方、麻谷LGサイエンスパークで開かれたLGディスプレイ と延世大大学院の「ディスプレイ 融合工学科」設立協約式を締結した。(左から)LGディスプレイのソン・サンホCHO、ユン・スヨンCTO、延世大学のミョン・ジェミン工科大学長、朴スンハン研究副総長 

原文:https://www.hankyung.com/society/article/202205156941i

/media/韓国経済新聞
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韓国経済新聞

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