ニュース

ICT制度、「デジタル環境の変化を反映すべき」との声

アイキャッチ
目次

ICT制度、「デジタル環境の変化を反映すべき」との声

デジタル環境が変化するにつれて、情報通信技術(ICT)に関連する法律や制度もそれに応じて再編成されるべきとの意見が再び提起された。伝統的に通信に付加された概念であった付加通信事業は、プラットフォーム事業者やOTT(インターネット回線を通じてコンテンツを配信するストリーミングサービス)事業者などにより主流のサービスに変わり、基幹通信事業者と付加通信事業者の間でバランスを取る必要があるとの主張だ。

メディア未来研究所センター長のクォン・オサン氏は23日、法務法人Yulchon(ユルチョン)とデジタル革新政策フォーラムが共催した「デジタルエコシステムの変化に伴うICT制度改善方向」の討論会で、「情報サービス分野における最も顕著な変化はプラットフォーム事業者の台頭だ」とし、「それにもかかわらず、現行の制度は、基幹通信事業者を中心とした法体系が維持されている」と強調した。

特に、基幹に従属した付加という二元的な規制制度が維持されて部分的な改正のみが行われ、法構造上の問題が発生しているという問題も指摘した。

クォンセンター長は「付加通信の場合、アプリ市場の事業者向けの規制など新しい規定が作られているが、禁止行為に対する内容を除けば、追加されているのは事業の参入と撤退を定める付加通信事業部分だけだ」と強調した。

基幹通信事業から付加通信事業へと通信エコシステムのパラダイムが急激に変化している状況の中、伝統的な通信法の規制哲学を盛り込んでいる電気通信事業法が根本的に限界に達する可能性が高いとの意見も出た。このため、すべての電気通信サービスから競争と機会均等など新しい価値を含め、法律を改正する必要があるとの提言だ。

クォンセンター長は、「電気通信基本法と電気通信事業法を統廃合する案、通信関連の法律を一つに統廃合する案、既存の法律を残したまま追加立法する案など、さまざまな案が考えられる」と話した。

法制度の改編時には、通信網を中心に普遍的な権利と通信需要への対応に焦点をあて、物理的な設備を中心とし、内容をデータと利用者に転換することを検討すべだとの指摘だ。データは、テキスト、音声、映像、信号など、デジタル化できるすべてのコンテンツを意味する。

このためには、新しい法律や制度の中でネットワークとプラットフォーム間のバランスを取る必要があるとの声が高まっている。

クォンセンター長は「市場の主導的な競争の活性化を誘導するために、B2Cサービスに対する利用規約を完全な申告制に変換するか、さまざまな新事業の活性化のため、B2Bサービスの利用規約を廃止する方法などを考えてみる必要がある」とし、「プラットフォーム運営者の公的な役割を拡大するために、通信コストの減免をコンテンツやプラットフォームサポートなどに拡大すべき」と強調した。

海外でも規制の公平性のための論理が活発になっている。現在、欧州では、オンラインプラットフォーム事業者に対する透明性と責任へのフレームウォークを規定して、段階的に規制している。米国では、オンラインプラットフォームを強制的に分割するか、特定の事業を除外する内容の法案も発議された。

クォンセンター長は、「基幹を規制、付加は非規制という概念から脱し、事前の規制緩和や事後の規制強化といった論理ではなく、デジタル時代に適合するアプローチが必要だ」と話した。


写真:ゲッティイメージバンク 

原文:https://www.etnews.com/20220623000194

/media/電子新聞
記事を書いた人
電子新聞

今年で創刊40周年を迎えた電子新聞は、電子情報分野におけるサクセスストーリーのスクープを追ってきた知識経営の専門紙です。 韓国を代表するIT専門誌である電子新聞は、産業·経済を融合したメディアとして成長していきます。