自動運転・パーソナルモビリティなどのサービスが融合するウーブン・シティ
【未来都市がやってくる】④一歩近づいた全世界のスマートシティ
スマートシティは、様々な都市問題を解決すると同時に新しい成長動力として注目されており、世界各国で様々なスマートシティ事業が推進されている。米国・シンガポールなどの主要先進国を筆頭に、153カ国がスマートシティ事業を進めており、市場規模も急速に成長している。グローバル市場調査会社のMarkets&Markets(マーケット&マーケット)によると、スマートシティ市場は2020年の4,108億ドル(約58兆2,493億円)から2025年の8,207億ドル(約116兆3,058億円)に、年平均14.8%成長すると予測される。
海外のスマートシティ事業構造はほとんどの場合、韓国のように官民連携の形態がほとんどだが、民間の自律性を保障することが強調されている。そのため、韓国でも民間企業がスマートシティ産業を主導できる環境を造成する必要があるという意見も出ている。
韓国建設研究院が2020年12月に発表した「スマートシティ推進動向と建設産業の対応方法」によると、最も代表的な事例はトヨタグループの「Woven City(ウーブンシティ)」だ。自動運転車、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム、人工知能(AI)など、モビリティ中心のサービスが融合したスマートシティで、道路が網の目のようにつながっている様子から「ウーブンシティ」と名付けられた。最大の特徴は、提案・企画・実行まで全て民間企業が主導するスマートシティ事業であるということだ。
ウーブンシティ/画像=トヨタ・ウーブンシティホームページ
トヨタは2020年1月、世界最大の家電・情報技術製品展示会「CES 2020」でウーブンシティのプロジェクト概要を発表し、翌年に着工した。富士山近くに位置するトヨタの廃工場「東富士工場」の敷地70万㎡を利用して、スマート実証都市を造成する。
中国の杭州市は、民間企業であるAlibaba(アリババ)の技術力を利用し、交通問題解決に最適化した「シティブレイン」を推進している。データに基づいて交通資源を最適化するモデルとして「IDC 2018スマートシティアジア太平洋アワード」で交通部門の大賞を受賞するなど、短期間で具体的な成果を上げた。このモデルは海南とマカオ、マレーシアのクアラルンプールなど11都市に導入された。
米国オハイオ州の「コロンバス」は、連邦政府の資金援助(5,000万ドル{約71億円})をベースにしているが、地方予算支援(1,900万ドル{約27億円})と民間投資(7,100万ドル{約101億円})が同時に行われたケースだ。地域企業や電力会社、州立大学を中心に事業を進めながらも、ビッグテックやグローバル自動車会社など様々な民間企業が自由に参加するという点で違いがある。
このため、韓国内でも民間が主導する形でスマートシティ産業を発展させるべきだという声が上がっているのだ。全国経済人連合会は、2020年の「海外主要スマートシティ事例の示唆点」報告書で、「スマートシティの成功のためには、民間が事業を主導できる環境が造成されなければならない」と主張した。
しかし、民間主導型が必ずしも正解ではないという意見もある。代表的な事例が、Googleの持株会社であるAlphabet(アルファベット)が参加して注目された「トロント・キーサイド」プロジェクトだ。Googleが2015年にこのプロジェクトを受注し、民間提案事業として進められたが、2020年5月、新型コロナウイルスの影響で景気低迷と経済の不確実性が高まり、結局Googleは事業を撤退し、プロジェクトは失敗に終わった。アメリカの巨大IT企業に対する反感、プライバシー侵害、私生活の流出など、社会的な懸念も大きかった。
韓国建設産業研究院は、「スマートシティ事業は民間の技術力がなければ難しい事業であるため、民間の積極的な事業参加が行われている」とし「Googleのトロント・キーサイドの事例に見られるように、民間の参加で社会的な懸念が同時に発生する可能性があるため、民間の参加を通じて付加価値は高めつつ、都市の公共性を確保できるバランスの模索は必要だ」と明らかにした。
画像:トヨタ「ウーブン・シティ」の様子/画像=トヨタ・ウーブンシティホームページ
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2023061415324630815
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