韓国政府、ベンチャーキャピタル業界の意見を反映した「ベンチャー投資活性化案」発表
韓国政府、ベンチャーキャピタル業界の意見を反映した「ベンチャー投資活性化案」発表
韓国の中小ベンチャー企業部(省、中企部)は今月5日、ベンチャーキャピタル業界懇談会を開催した。民間主導の投資エコシステム造成のための「ベンチャー投資活性化案」を発表し、業界の意見を収集した。この日の懇談会には、韓国ベンチャーキャピタル協会のユン・ゴンス会長や現職のベンチャーキャピタル12社の代表らが出席した。
2023年のベンチャー投資市場は、非対面・バイオなど一部の業種への投資偏重が緩和され、長期的な成長傾向を示すものと推定される。しかし、高金利が続くなど、ベンチャーキャピタル業界は新規出資者の募集に依然として苦慮しており、このような状況が続けば、投資心理の早期回復は難しくなる可能性がある。
これに対し、中小ベンチャー企業部は、ベンチャーキャピタルが果敢に投資できる雰囲気を作り、投資エコシステムを民間中心に再編するための方策を発表した。
第一に、挑戦的なベンチャー投資を促進するための誘因策を強化する
原則的にルーキーリーグに毎年ファンド・オブ・ファンズ出資額の10%以上を割り当て、新興ベンチャーキャピタルの市場参入と定着を支援し、新分野など挑戦的な投資を促進する。
23年に新規結成された母体ファンドに適用中の「投資促進インセンティブ」とは別に、21~22年に結成されたファンドが23年に早期投資を執行する場合、24年の出資事業選定で優遇し、出資比率(10%p)及び管理報酬率(0.2%p)も引き上げる。
被投資企業の一時的な財務健全性の悪化時に管理報酬を削減しないなど、運用会社(GP)の報酬基準も合理的に改編する。
第二に、ファンド・オブ・ファンズの運用を市場親和的に改編する
民間専門家中心の「ファンド・オブ・ファンズ出資戦略委員会」を新設し、重点出資分野、財源配分などファンド・オブ・ファンズの投資方向を官・民が共に議論し、出資公告前に提示するなど、市場の予測可能性を高める。
母体ファンドの主要義務違反(投資義務不履行など)による制裁も、民間の専門家などが参加する「ファンド・オブ・ファンズ事後管理委員会」の審議を経て決定する。
また、韓国ベンチャー投資が公共機関としての責任経営・成果創出に専念できるよう、金融関連の公共機関として初の「責任構造図(Responsibilities Map)」を導入し、報酬体系も整備する。
最後に、ベンチャーキャピタルの管理・監督体系を先進化する
ベンチャー投資法令に違反したベンチャーキャピタルに科す制裁処分の具体的な基準を設け、今後の違法行為の際に一貫した処分を下せるよう改編する。
ベンチャーキャピタルが社会的責任を果たすことができるよう、指針を業界自ら策定するように誘導する。当該指針を誠実に遵守したベンチャーキャピタルには、ファンド・オブ・ファンズ出資事業の選定優待及びベンチャー投資法上の制裁処分の軽減などの恩恵が得られるようにする予定だ。
特に、ファンド・オブ・ファンズの個別ファンドの場合、原則として秘密保持契約(NDA)を締結するよう勧告し、投資審査の過程で知り得た企業秘密を維持することを誓約する「包括的秘密保持誓約」を義務化する。
また、中小ベンチャー企業部の投資管理監督とベンチャー投資専担監督チームを設置し、ベンチャー投資関連の法律・会計など、専門家プール(Pool)も以前より拡充する。
イ・ヨン長官は「昨年8月に中小ベンチャー企業部がベンチャーキャピタル業界と行った懇談会で出された意見を検討し、今回の対策に積極的に反映した」とし、「ベンチャー投資市場の形成初期には政府の呼び水が重要だったが、最近は政策金融の数倍以上のベンチャーファンドに出資するほど民間の比重が大きくなったことを考慮し、政府も変化した市場状況に合わせた役割を検討する時期に来ている」と話した。
また、民間主導のベンチャー投資エコシステムは「スタートアップコリア」、ベンチャー・スタートアップが経済成長をリードする国の基盤であるため、今後も業界と緊密にコミュニケーションを取り、市場が必要とする政策支援に最善を尽くす考えを示した。
韓国ベンチャーキャピタル協会のユン・ゴンス会長は、中小ベンチャー企業部が業界の提案による制度改善を迅速に推進したことに感謝の意を表し、「民間中心の投資エコシステム造成」というビジョンに「共感する」と話した。懇談会に参加したベンチャーキャピタル代表も、ベンチャー投資エコシステムをリードする中核主体として求められる法的・社会的責任を果たすため、絶えず努力すると話した。
懇談会の結果を基に、中小ベンチャー企業部は、ベンチャー投資活性化案や業界の意見を総合的に考慮し、ファンド・オブ・ファンズ運用・ベンチャーキャピタルの制裁など、関連規定を改正するフォローアップに着手する予定だ。
原文:https://platum.kr/archives/214701
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