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「MWC 2024」に参加するK-スタートアップ

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「MWC 2024」に参加するK-スタートアップ

2月26日から29日までスペインのバルセロナで開催されている世界最大規模のモバイル技術博覧会「MWC(Mobile World Congress) 2024」に多くの韓国スタートアップが参加しており、技術力を披露している。

世界移動通信事業者協会(GSMA)が主催するMWCは、毎年ビッグテック、通信会社が参加し、事業の方向と技術トレンドを共有する場となっている。今回のイベントは「Future First(フューチャーファースト)」をテーマに、韓国の通信企業をはじめ、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)、サムスン電子などが参加を決め、技術トレンドを共有する場となりそうだ。

MWCはモバイルデバイスと次世代通信技術(5G、6G)など、移動通信に特化した展示会だが、最近、モバイル、通信業界の関心が「没入型映像技術」と「On Device(オンデバイス) AI」に集中し、モバイルを通じて使用できる様々な技術(混合現実ディスプレイ、軽量化AI)企業が当該の展示会に多数参加する傾向にある。

Gooroomee、MWC 2024に参加...グローバル市場にAI画像ソリューション紹介

AI映像コミュニケーションプラットフォームGooroomee(グルーミー)は、4年連続でKOTRA(大韓貿易投資振興公社)と韓国情報通信技術産業協会が支援する韓国館ブースに出展している。

MWC 2024で、Gooroomeeは映像教育を基盤としたオールインワンAI教育ソリューション「Gooroomee AI edu」を発表し、グローバル教育市場への進出を目指す。Gooroomee AI eduは、リアルタイムの映像授業、インタラクティブな学習コンテンツ、そして効率的な学習管理機能を提供する。また、AIベースのデータ学習を通じて、学生の授業進度、理解度をリアルタイムに把握でき、個別対応の学習管理が容易だ。

Gooroomeeは今年1月、アラブ首長国連邦(UAE)の企業IMSと業務協約を締結し、中東の教育市場進出に乗り出した。アブダビ工科大学やアラブ首長国連邦大学などの大学教育機関をはじめ公立学校、私立学校にGooroomeeのAI教育ソリューションを開発・普及させていく計画だ。

Gooroomeeは教育分野だけでなく、保険金融分野への事業拡張を試み、ハンファ生命と業界初の「1対多モバイル映像相談サービス」を構築した。映像相談の過程で電子文書の作成と署名が可能で、保険金の請求、保険契約の融資、契約情報の確認・変更、保険料の支払いなど、ほとんどの業務を処理することができ、顧客の不要な訪問を減らした。最近、保険業界は顧客サービス強化のための相談業務を改善。モバイル映像相談サービスの活用性は一層大きくなると予想している。

Gooroomeeのイ・ランヒョク代表は「MWC 2024で、グローバル技術産業の中心地としてGooroomeeを世界に知らせ、グローバル進出のための様々なパートナーとの協業を模索していく」とし、「今回のMWC 2024を通じて、Gooroomeeの技術力を世界に知らせる機会にしたい」と意気込みを語った。

Gaudio Lab、MWC 2024で空間コンピューティング時代をリードするAIオーディオ技術を公開

AIオーディオ専門企業のGaudio Lab(ガウディオラボ)がMWC 2024に参加し、AIオーディオ技術を披露している

Gaudio LabのブースはMWCバルセロナKOTRA韓国館内に設け、来場者は間近に迫った空間コンピューティング時代の中核的なオーディオ技術を一足先に体験できる。空間コンピューティングとは、デジタル世界と現実世界の空間をシームレスにつなぐコンピューティングシステムで、Apple(アップル)社の「Vision Pro(ビジョンプロ)」、Meta(メタ)の「Quest(クエスト)3」など、超大型ビッグテックが相次いで関連機器を発売し、空間間のシームレスな連結が中核課題として浮上している。リアルタイムのノイズ除去や声の強化などで、望む世界への没入を可能にする「Just Voice(ジャストボイス)」、画像入力に対応する効果音をAIが自動生成する「FALL-E(フォールリー)」、リアルタイムで原曲の音楽をカラオケの音源に変える「Gaudio Sing(ガウディオ・シング)」などがデモンストレーションされる予定だ。

MWC参加のニュースとともに、Gaudio Labはリアルタイムノイズ除去アプリケーション「Just Voice Lite(ジャストボイスライト)」のリリースを発表した。Just Voice Liteは、CES 2024イノベーション賞受賞作で、SXSW 2024イノベーション賞ファイナリストに選ばれた独自の技術だ。リアルタイムにノイズを除去したり、音声を強化することで、ビデオ会議などで発生する疲労感を大幅に軽減する。また、補聴器ユーザーや難聴でセリフが聞き取りにくいユーザーの動画コンテンツへのアクセス性を高めることができる。この技術は優れた品質と柔軟な適用性が認められ、NAVER Cloud(ネイバークラウド)のWhale(ウェール)ブラウザにも適用予定だ。

また、Gaudio Labは今年3月に米・テキサス州オースティンで開催される世界最大規模の総合芸術祭「South by Southwest(サウス・バイ・サウスウェスト、以下SXSW)」に招待され、参加予定だ。Gaudio Labは、今年のSXSWイノベーション賞のオーディオ・エクスペリエンス部門のファイナリストに選ばれ、現地での技術ショーケースを控えている。最終結果は3月11日(現地時間)に公開される。

Gaudio Labのオ・ヒョノ代表は、「Gaudio Labは良い音で世の中に貢献したいという気持ちを常に持っていたが、世界を代表する展示や音楽祭でそれが認められ嬉しい」とし、「これまでB2B事業のみ海外で行ってきたため、エンドユーザーに直接会うことが難しかったが、今後は一般ユーザーもGaudio Labの技術をより便利に利用できるよう、Just Voice Lite(ジャストボイスライト)をはじめ、様々なアプリやサービスを発表する予定であり、注目してほしい」とコメントした。

crowdworks、MWCに参加...K-Dataの競争力を披露

データ中心のAIテック企業crowdworks(クラウドワークス)がMWC 2024に参加した。

crowdworksは、NAVER、LG、KTなど韓国の主要ICT企業を含む500社以上の企業が選択した韓国最高レベルのデータ&AI先導企業として今回のMWCに参加。グローバル市場での認知度を高め、海外顧客の発掘に積極的に取り組む計画だ。

今回の展示会では、特にLLMの開発とチューニングに必要な高品質のデータと自動運転、医療AI開発のための専門的なデータ構築力を披露する予定だ。crowdworksは累積2億5千件以上のデータ構築経験とAIデータに対する高い理解度を持つ専門作業スタッフを確保した。子会社である医療AIデータ専門プラットフォームDoctorworks(ドクターワークス)を通じて高品質の医療データ構築が可能という利点もある。

また、AIの倫理と安全性の問題にも先制的に対応できるよう、「Red Teaming(レッドティーミング)」を含むLLM検証サービスも公開する。crowdworksは、企業がLLMの構築前後にモデルの潜在的な脆弱性やバイアス、または誤作動をモニタリング・評価できるよう、専門家で構成されたレッドチームを運営しており、効果的なLLMモデルの検証が可能だ。

crowdworksは昨年から本格的にグローバル市場での認知度を高め、目に見える成果を上げている。米国のGartner(ガートナー)とCBインサイトが発表したレポートで「データ加工及びラベリング」部門に韓国の代表企業として選定された。グローバル企業と並んでリストアップされ、海外市場でその技術力が認められた。昨年は、米国やフランスなどの海外20社とパートナーシップを結び、グローバル市場で有意義な成果を上げている。

crowdworksのパク・ミヌ代表は、「crowdworksは、AIモデルの開発に必要な高品質のデータを構築する韓国1位のデータ&AIテック企業として、AIデータに対する優れた専門性と技術力でパートナー企業に最高の価値を提供し、K-DATAとK-AIの地位を高めていくことに貢献したい」と話した。

4by4がMWC 2024に参加、ソリューション事業のグローバル拡張を加速化

コンテンツAIソリューション企業4by4(フォーバイフォー)が「MWC 2024」に参加した。

4by4は自社開発したディープラーニングAI基盤の画質高度化ソリューション「PIXELL(ピクセル)」を来場者に披露する予定だ。PIXELLは、XR(eXtended Reality、拡張現実)、VR(Virtual Reality、仮想現実)など、特殊ディスプレイに特化した画質の高度化はもちろん、モバイル環境で最高の伝送効率を出すことができるBitrate(ビットレート、秒あたりの転送量)の低減技術などを搭載しており、通信およびコンテンツ業界の関係者から既に高い関心を集めている。

今年1月に米・ラスベガスで開催されたCES 2024で2つのイノベーション賞を受賞し、グローバル市場進出の足がかりを作った4by4は、今回のMWCの参加をきっかけに欧州市場で会社と技術の認知度を高め、モバイル、通信業界にすぐに適用できる映像画質の高度化と伝送効率化を図れるAI技術を活用してグローバルソリューション事業の拡大を加速化させる計画だ。

4by4のユン・ジュノ代表は、「単に展示会で4by4の技術力を披露することにとどまらず、MWCの世界最大規模のスタートアップイベントである4YFN(4 years from now)に参加するだけに、様々な市場関係者と会って有意義なグローバル成果を生み出すことができるよう、万全の準備をしている」と語った。その上で「特に、通信インフラ環境に関係なく、良い画質の映像サービスを安定的に提供できる技術に、欧州市場からの関心が高い状況だ」と話した。

z-emotion、MWC 2024とPI Apparel Europe 2024に相次いで参加欧州市場への本格的な進出を開始

ファッションテック企業のz-emotion(ジーイーモーション)がMWC 2024、そしてPI Apparel Europe 2024に相次いで参加し、本格的な欧州市場攻略に乗り出す。

z-emotionは、デザイン、製造、販売までファッション産業の全段階に活用できる3Dベースのデジタルファッションソリューションを開発した。核となる技術は、独自に開発したファッションに特化した3Dシミュレーションエンジンで、生地の質感、鮮やかな色彩感、繊細な衣服のフィッティングシルエットなどを精巧に表現しているのが特徴だ。優れた技術力が認められ、NAVER D2SFなどから資金を調達した。

z-emotionはMWC 2024およびPI Apparel Europe 2024で、代表製品である3Dデザインソフトウェア「z-weave(ズィーウィーブ)」を活用し、バーチャルスタイリングシステム、デジタルショールーム、360度製品ビューアー、プラットフォームソリューションなど、仮想空間でファッションを楽しみ、ショッピングまで可能なソリューションを様々披露する予定だ。z-emotionの「z-weave」は、実際のファッション製品を仮想空間で同じように実現できる3Dデザインソフトウェアだ。

特に、MWC 2024では消費者が簡単に利用できるモバイルベースのバーチャルスタイリング技術を公開する予定で、PI Apparel Europe 2024ではz-weaveと連動するz-unreal(ズィーアンリアル)プラグイン技術を披露する計画だ。

すでにz-emotionは欧州市場で複数のグローバル・ラグジュアリー・ブランドとレファレンスを重ね、ビジネスチャンスを作ってきた。フランス・パリで開催されたViva Tech 2023の際、z-emotionはルイ・ヴィトンのコアパートナーとして参加し、3Dファッション技術基盤のデジタルファッションショープロジェクトを実施したことがある。その結果、欧州のファッション企業や機関から多くの関心を受け、最近ではイタリアのファッション企業2社との契約まで成立した。

z-emotionのハン・ドンス代表は「海外の展示会に参加し、様々な顧客とミーティングを行い、実質的な事業成果を収めている」とし、「今回のMWCとPI Apparel Europeをきっかけに欧州市場に本格的に進出するため、イタリア、フランス、スペイン向けのチームを編成し、今後、海外の人材の採用も継続する計画だ」と明らかにした。

AIアドテックスタートアップ「addd」、MWC 2024に参加 

アドテックスタートアップ「addd(アド)」がMWC 2024に参加し、AI基盤の屋外広告効果測定ソリューション「addd-i(アド・アイ)」のグローバル市場攻略にさらに拍車をかける計画だ。

adddは、AIベースの屋外広告効果測定ソリューションのスタートアップだ。同社は技術力が認められ、CES 2022で米誌ET centric(イーティーセントリック)が選定したユーレカパークスタートアップゾーン内の注目すべき企業Top30に選ばれた。

adddの関係者は「ChatGPTをはじめ、サムスンも初めて人工知能(AI)を搭載した新規スマートフォンを発売するほど、人工知能がトレンドと言える。オフライン広告では見せられなかったパフォーマンスをadddの人工知能の技術力で先導的な姿を見せたい」とし、「MWCに参加するにあたり、どのように我々の強みを見せるかかなり悩んだ。今回のMWCを訪れる来場者を対象に、リアルタイムに人工知能分析(客体認識、動き、視線が留まる時間など)する技術デモンストレーションをさらにアップグレードした精度で披露する。さらにリアルタイム分析に基づいたターゲティングが可能なダイナミック広告の送出まで披露し、これまで屋外広告では見ることが難しかった革新的な技術力を伝えたい」と話した。

adddはMWC 2024で協力とパートナーシップを締結したり、新たな顧客と取引を推進したりするなど、様々なビジネスチャンスを模索する計画だ。



原文:https://platum.kr/archives/223098



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