「ソウルBMSイノベーションスクエアチャレンジ」優勝企業2社

韓国BMS製薬とソウル特別市、韓国保健産業振興院が共に開催した「ソウルBMSイノベーションスクエアチャレンジ」（Seoul BMS Innovation2 Challenge）の授賞式が11月9日、ソウルバイオハブでおこなわれた。

ソウルバイオハブカンファレンスホールで開催された今回の授賞式では、2022ソウルBMSイノベーションスクエアチャレンジの進行経過および選定企業案内が行われ、選定企業との今後協力に向けた業務協約がおこなわれた。

「ソウルBMSイノベーションスクエアチャレンジ」は、重症疾患から、苦しんでいる患者の生活を変化させることができる革新技術を発掘、育成しようと韓国BMS製薬とソウル市、韓国保健産業振興院が共同で進行したオープンイノベーションパートナーリングプログラムだ。今年40件におよぶプロジェクトが受付されるなど、多くの関心と参加の中で終了した。

今年6月、韓国バイオおよびデジタルヘルススタートアップを対象に募集を始め、書類および発表審査を通じて、研究調査技術分野のPRAZER THERAPEUTICS（プライザー・テラピューティクス）、腫瘍疾患分野のZymedi（ジャイメディ）が最終選定された。 PRAZER THERAPEUTICSは、退行性脳疾患、悪性腫瘍などの難治性疾患を治療するための独自の次世代標的タンパク質分解（TPD、Targeted Protein Degradation）技術ベースのSPiDEM（スピデム）プラットフォーム技術の優秀性を認められた。Zymediは、腫瘍の成長を促進するタンパク質であるKRAS [1]と、細胞が癌変異に寄与するタンパク質であるAIMP2-DX2 [2]との結合を阻害する、抗がん新薬開発プロジェクトを提案した。

最終選定された2つの企業は、研究支援金とともに2年間ソウルバイオハブに入居する予定だ。特に、研究開発および技術商業化の能力を強化するため、BMSグローバル・アジア事業開発チームの専門家コーチングとメンタリングのサポートが1年間提供される。グローバルネットワークを形成し、コミュニケーション能力を強化するためのさまざまなプログラムもサポートされている。

韓国BMS製薬のイ・ヘヨン代表は「ソウルBMSオープンイノベーションスクエアチャレンジは、深刻な疾患に苦しむ患者たちの生活を変化させようと、ソウル市、韓国保健産業振興院と共にするパートナーシップの最初の実り」とし、「今回のチャレンジで、韓国企業の潜在力を再度確認し、参加してくれたすべての企業と、選ばれた企業に感謝と祝いの心を伝える」と明らかにした。また、「オープンイノベーションはBMSのDNAで、これを通じて12個に及ぶ治療剤を開発、全体のパイプラインのうち60％を確保した」と述べた。これまでBMSが、オープンイノベーションを通じて重症疾患患者に必要な革新的な治療剤を開発してきたため、今後もグローバル製薬リーダーとして、韓国スタートアップを発掘、支援し、共に患者のための革新を進めるために努力する」と付け加えた。

韓国保健産業振興院ソウルバイオハブセンター長のカン・デウク氏は「今回のチャレンジで、優秀な潜在力を保有した韓国バイオヘルススタートアップを発掘し、世界的な水準の新薬開発能力を保有したBMSとともに、これら企業の成長を支援することになり、意味深いと考える」とし、「今後もBMSとのパートナーシップをもとに、韓国スタートアップの原石が光を放つよう、物心両面で支援していく」と明らかにした。

PRAZER THERAPEUTICSのイン・ギョンス代表は、「SPiDEMプラットフォームは、会社のコア技術を実装することになり、世界的な製薬会社であるBMSから受ける新薬開発ノウハウとアドバイスが、会社の発展と新たな難治性疾患治療薬の開発の大きな助けとなることを期待する」と伝えた。

Zymediのキム・ソンフン代表は「Zymediが保有する固有のターゲット・候補物質開発プラットフォームHOMEOSと、それから導出されたKRAS抗がん剤の開発過程で、韓国BMS製薬のメンタリングを跳躍の機会とし、ソウルバイオハブの優秀な施設と支援を活用し、革新治療剤の開発に力を入れ、既存の薬物に治療効果が見られない難病患者の命を救うことができる会社に成長するよう、努力する」と伝えた。

原文：https://platum.kr/archives/196796