ニュース 2022.11.29

D・CAMPと協業狙うシリーズAスタートアップ5社[D・DAYxD・CAMPオールスター2ラウンド]

韓国 Platum スタートアップ金融税務モビリティ

[D・DAYxD・CAMPオールスター2ラウンド]銀行青年創業財団と協業狙うシリーズAスタートアップ5社

一般的にスポーツ競技でオールスター戦は、ファンの投票と監督の推薦により選ばれた選手たちが、陣営を分けて競技を繰り広げる一種のドリームマッチのことを言う。スタートアップシーンでもオールスター戦が開かれた。

銀行青年創業財団D.CAMPが24日、麻浦（マポ）フロントウォン1階で、計22の金融機関と手を取り「D・DAYxD・CAMPオールスター展」を開催した。

D・CAMPオールスター戦は、D・DAY、Office Hours（オフィスアワー）など、D・CAMPが10年間進行してきた代表プログラムをもとに、銀行青年創業財団とシナジーを図ろうと企画したイベントだ。これにより、スタートアップとの協力事業の推進および投資検討のため金融機関が参加した。

1部はD・CAMP、フロントメンバー入居のため初期スタートアップ5社が参加し、2部にはシリーズAラウンド以上企業が銀行青年創業財団との協力事業を図るため、舞台に上がった。

BetterDataのUzair Javaid代表ⓒPlatum

顧客情報を匿名データに変換し、プライバシー侵害の心配なく消費者分析資料として使用できるよう変換するプラットフォーム開発会社「BetterData」

個人情報に対する保護規制環境が厳しくなり、製品とAIモデルを改善するためにデータを使用する企業は、複雑なプロセスを経なければならない。特にデータアクセスに長い時間がかかる部分は、急速な成長を追求するスタートアップに、難関として作用している。

スタートアップBetterData（ベターデータ）は、個人情報データを匿名のデータに変換し、人工知能(AI)合成データを作成し提供する。変換された情報は、実際のユーザーに属しておらず、内外で共有が可能である。データはトークン化され、プライベート暗号化キーでのみアクセスできるブロックチェーンに格納される。

複雑になるデータプライバシー規制の遵守に役立つだけでなく、暗号化とブロックチェーンを活用し、データ漏洩を防ぐことができる。手作業で短くても3ヶ月、長いと12ヶ月かかるデータ共有時間を、1～2時間に短縮した。

Bridgecodeのパク・サンミン代表ⓒPlatum

「税務相談専門家推薦から税金申告、資産管理、税金納付まで」税務管理サービス開発運営会社「Bridgecode」

Bridgecode（ブリッジコード）は、金融、投資、税金に関する問題を、技術で解決するスタートアップで、intelly（インテリー：金融、経営者のための専門採用サービス）、Papercode（ペーパーコード：法人関連書類代行サービス）、Taxly（タックスリー：税務士、会計士アウトソーシングプラットフォーム）、ALGOTAX（アルゴタックス：金融商品税申告サービス）を運営中だ。

Bridgecodeの代表サービスは350万人が使用する「Taxly」で、AIエンジンを通じて自動的に税務相談専門家を推薦してくれる。今年8月にリリースした「ALGOTAX」は、アルゴリズムを通じてすべての金融および実物資産のための税申告を支援する。また、「ビットポリオ」は仮想資産の管理と税金の納付を支援する。

awake corporationのキム・ミンジュン代表ⓒPlatum

クリエイター向けの1人MCNプラットフォーム「creatorly」運営会社「awake corporation」

awake corporation（アウェイクコーポレーション）は、クリエイター向けにMCN所属会社がおこなう広告主管理およびSNSデータ分析に代わるソフトウェア「creatorly（クリエイトリー）」を運営しており、これによりクリエイターが個人が創造企業に成長できるように支援している。

「creatorly」は、クリエイターがMCNなしで個人で創造企業に成長できるよう、広告管理マネージャーがおこなってきた業務を、ソフトウェアを通じて置き換えるソリューションだ。

ビジネス問い合わせのメールの代わりになるよう、広告問い合わせページを生成し、これにより、広告主事業者認証、キャンペーン提案受付、協議、契約書作成、電子署名、広告費エスクロー決済支援、売上税申告まで支援することが特徴である。

SEIZEDATEのチョン・スンイン代表ⓒPlatum

通帳、カード使用履歴を意味のあるデータに分類および変換してくれる金融データプログラム開発会社SEIZEDATE（チョン・スンイン代表）

SEIZEDATE（シーズデータ）は、使用が難しく複雑な非定型テキストデータである「通帳摘要」などを情報化し、これを金融機関やマイデータ事業者がサービス開発に利用できるよう支援している企業だ。金融機関とマイデータ事業者が、データ分類・加工過程での問題点を解決してくれる事業モデルが強みだ。

chabot mobilityのカン・ビョンヒCOOⓒPlatum

自動車購入や販売、保険管理など、ドライバーのライフサイクルの全過程で必要なサービスデータを統合管理するプラットフォーム「chabot mobility」

chabot mobility（チャボットモビリティ）は、自動車購入、管理、販売など、ドライバーのライフサイクルの全過程で必要なすべてのサービスを、一つのデータで提供するプラットフォーム企業だ。プラットフォームの累積サービス利用者は、合計70万人、累積取引額は4757億ウォン（約492億円）規模で、輸入車ディーラーの91%（6,500人）、中古車ディーラーの80%（約3万人）が利用中であり、chabotに登録された自動車は4万台を超える。

chabot mobilityは、今年第3四半期までに130億ウォン（約13億円）の売上をあげた。

2部に参加したスタートアップのうち、BNK釜山（プサン）銀行が授与する未来金融賞はSEIZEDATEが受賞し、ウリ銀行が授与する革新金融賞はBridgecodeが受賞した。最後に大賞格となる金融委員長賞はawake corporationが受賞した。

awake corporationのキム・ミンジュン代表は「クリエイターを単純なYouTubeではなく、コンテンツIPスタートアップとして理解しなければならない」とし、「クリエイターが、より速く成長するために銀行青年創業財団から投資、融資、選定算を受けることができる世界をcreatorlyを通じて実現する」と伝えた。

今回のD・DAYオールスター戦は、審査委員も歴代最多人員が招待された。

ウリ金融持株デジタル革新部カン・ジェヨンチーム長、ハナ銀行提携投資部チョン・ヒョンソプチーム長、KDB産業銀行ネクストラウンド室イ・ジェボクチーム長、IBK企業銀行1st Labチェ・ウォンホ次長、NH農協銀行NHデジタルR&Dセンターチェ・ミヨンチーム長、DGB金融支店イ・ジョンイル部長、Translink Investment（トランスリンクインベストメント）パク・ヒドク代表、We Ventures（ウィーベンチャーズ）パク・ジョングン副社長、Fast Ventures（ファストベンチャーズ）パク・ジウン代表、KBインベストメントイ・ジエ常務、500スタートアップシン・ドンヨプパートナー、D.CAMP直接投資チームイ・チャンユンチーム長、D・CAMP成長チームキム・ボミチーム長が参加した。

今回のオールスター戦主催者の銀行青年創業財団のキム・ヨンドクD・CAMP常任理事は「D・CAMPは10年前からD・DAYイベントを毎月おこなってきた。

D・DAYやスタートアップという用語自体も不慣れな時から進めてきたことで、創業エコシステム文化を作ってきたと自負する」としながら、「今回のオールスター戦は10年間やってきたD・DAYの決定版だ。スタートアップはわれわれの将来の生活を担当するイノベーターだ。今のように厳しい時、応援、支援して、さらに頑張って事業ができるようにするために今回のイベントを企画した。今後も22の金融機関と力を合わせ、さらに一生懸命手助けする」と述べた。

一方、D・DAY舞台のほかにも、様々なプログラムが今回のオールスター戦前後で行われた。シンガポール情報通信メディア開発庁、Cento Ventures（セントベンチャーズ）、Golden Equators Ventures（ゴールデンイクエイターズベンチャーズ、GEV）が韓国スタートアップの東南アジア進出に必要なノウハウを知らせる「グローバルミートアップ」、そしてD・CAMP専門メンター団とグローバルパートナーが創業者の悩みを解決する個別オフィスアワーが31回行われた。